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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第六章 殺人狂気神話
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図書館に籠りきり

遅いですが、次回はまた3日後です

 あ、安全区域...?



 それはつまり、ここが目的の場所ということか。ここが?



「はい...マップとして存在するのなら確かに反応できますが、まさか階段として巧妙に隠しているとは思いませんでした」

「見るだけじゃただの階段だぜこれ...カミラいなかったら俺ら、本棚を片っ端から調べることになってたぞ」



 流石に階段であるというのはわからなかったが、ともかくそれなら話は早い。



「カミラ、どこからどこまでが安全地帯となっている?」

「えっと、とりあえずマーカーをおきます!」



 少し登って小さい旗を置き、そして階段を降りていくカミラ。それに護衛でついていくマイゲス。



 下に行ったカミラは一番下まで行ったあと旗を置き、そしてこちらまで戻ってきた。



 魔獣はいなさそうだ。



「とりあえずは五分して手分け作業することになるか。一番上と一番下はそれぞれ俺とマイゲス、中央はカミラでいいとして、その間二つはどうするか」

「上は私がやるわ。下の階層の魔獣がなんなのかわかっていない以上、未知の敵に対して確実に弱点をつけるシートが下にいた方がいいと思うわ」

「それに賛成です」

「だな...時間が惜しい、さっさと始めてしまおうか」

「おう」

「ええ」



 各々バラバラになり本棚を見ていく。それを見たマイゲスとカミラも本をとって読み始める。



 俺も読まなければな。一つ本をとる。



 この本は...図鑑だろうか。とりあえず本を開いて見てみるが...



「...なんだこれ。読めない文字で書いてあるぞ」

「あら、ソルスのも?私もよ。下のみんなも似たような状況みたい」



 読めない文字、いや少しは今も使われている文字に通ずるものはあるからなんとなくはわかる。



 が結局は神話生物について書かれているものではないことがわかる。どちらかというと魔獣ではなく人間の生態について書かれているような、そうではないような。



 ともかくこれは違う。本を戻してその隣の本を読んでみる。



 ...これも違うな。戻して次の本へ。



 ...これも違う。これも違うこれも違う...



 ============================================



「...頭が痛くなってきたな」

「この程度で根を上げるのね、ソルス」

「あまり勉学は得意でないんだ」



 4時間ほど本を読んで、違った本はおよそ600、神話について書かれたものは0。



 一息ついて、他の四人をみてみる。



 メーノは俺と軽い会話をする余裕を保ちながらずっと一つの本を読んでいる。魔法に関する本を読んでいるのだろう、かなりの集中はしているようだ。



 その下カミラは本をとってめくってしまうを5秒ほどのサイクルで繰り返している。さすがの読了速度だ。



 さらに下にはシートがいる。どうやら今は俺と同じで休息を挟んでいるらしく、目が合って軽く会釈した。



 では一番下のマイゲスはどうか...って寝ている。あいつは探す気があるのだろうか。



「それにしても、これら全てを見ても何もなかったなら、また次の階層に行かなくてはならないんだよな」

「しょうがないわよね。しかもそれもあと3〜4日くらいで終わらせないといけないんでしょ?」

「まあそうだな」



 別に俺たちが行かなければいけないわけではないが、()()が発表されたあとには調べられることがさらに増えることになる。



 あと5日ではあるが準備時間などのことを考えると1日は余裕を持っておきたい。



「さて、こんなことやっている暇はないな。さっさと読み切らなければ」

「マイゲスのところも読まないとね」

「あいつだけ寝ているからな...と、これは...」



 動き始め色々な本棚に目をやり、そして気になった本を手にとる。



 そしてめくる。中身の言語はやはり理解不能だが、しかし何が言いたいのかは理解できた。



 ...つまるところこれは、武術書のような技術書のようなものだ。戦闘時に行うことで戦闘を有利に動かすことができるもの。



 どうやら攻撃よりも防御に重きを置いたものになっているらしい。俺が使えそう、というかしっかりと読み取れるのは2つほど。剣を使うものだけでなく、体術や盾術、弓槍斧となんでもある。



 ある程度挿絵でわかりやすく教えてくれているようだが、その中には明らかに人間の動きを逸脱しているものがあるため、再現不可能であるものを弾いたり俺の獲物であるアルカマで再現可能なものを選別していくと、それは1つだけになってしまった。



 だが、これだけではあるものの見ている感じは上手く使えると戦いの軸になりそうな予感もする。



 "私としては怪しいですが。本当に再現できるのでしょうか"

「ここに書かれている以上できるのだろう。物は試しだ、ともいうだろう」



 軽く読んだだけだったのでもう一度読み直す。



 この技術、いや動きに<魔力>を使っているから<魔技>の方が近いそれの名前は、<直前回避(ジャストドッジ)>と呼ばれるもの。らしい。



 曰く、相手の攻撃が当たる直前に自身の意識を先鋭化して相手だけを認識するようにし、またその攻撃を皮1枚分ギリギリまで引きつけ足に<魔力>をまとわせ推進し回避する。ということらしい。要はギリギリの回避をすることなのだろう。



 一応この本にはそのあとも書いてあり、どうやら<直前回避>を行った後は攻撃がものすごく強くなるらしい。どう強くなるのかは読み取れなかったが、この技術を取得する最大の理由が火力であると明記されている。



 ただ相手の攻撃をトリガーにしなくてはいけないので練習がものすごく難しいとも。確かにやっていることはいくつかの魔法の併用にも見えるため、難易度はそれ相応に高いだろう。



 となると再現するためにやることはこれの解析になるか。一体どんな魔法を使っているのか、メーノに聞いてみよう。



「メーノ、ちょっと見て欲しいのだが」

「ん、なに?」

「ここに<直前回避>という技術、というよりは<魔技>の方が近いが、それが載っていた。再現したいんだがどうもいくつかの魔法を扱っているようでな、それの解析をしてほしい」

「...あのねえ。今私たちは<神話生物>についての本を探しているのであって」

「さっきまでメーノも魔法に関する本をじっくり読んでいただろう。それにこれも戦闘に関するものだ。戦力増強に繋がるし取得して損のないものだろう?」

「はいはいわかったわかった。全く、そこまでいうならやるけど、カミラには内緒にしなさいよ」

さて、再三にわたって申し上げてますが、ここまで読んでくれて読者の皆様には大変感謝しております。



これからも「冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる」をよろしくお願いします。

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