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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第六章 殺人狂気神話
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マッタクアヤシクナイオミセ

あえて1日遅らせました()。



そして遅れたということは明日もあるということです。

 カランカラン



「いらっしゃ〜い」



 女性の声が店内に響く。昼間である今はそこまで店の中に客がいなかった。



 また掃除は隅まで行き届いているとは言い難い...がこれが<ナイル&ホテップ商店>の常だ。むしろこうでない時はまずいことが起こっている時で、近づかない方がいいまである。



「店主すまない、換金か物々交換はできないだろうか」

「ん〜、まあいいですよ」

「いいんだ」

「いつもやっていませんが、今日は機嫌がいいのでいいですよ〜」

「ありがとう、助かります」



 店主の計らいによって<ダンジョン>で手に入れたもののいくつかを売って金貨に変換。



 中には使ってみたい装備などもあったが、



「後で買い戻しも受け付けますよ〜」

「あ、ありがたいです!」

「ただし金額は+10%ですね〜」



 とのことなので資金源にする。



 それが終わったら今度は店内を回り買うものを見繕う。



「とりあえず矢は確保しました」

「残っている金貨は...ちょっと矢高くないか?」

「最近<ブラストレント>を倒してくれる人が少なくってね〜」

「あいつらかあ。確かあいつらのいる<ダンジョン>の<おいでませの森>が燃えたんじゃなかったか?」

「うえぇ、マジですか〜。うちはあいつらの枝を使って作ってるんだけど〜」



  <ブラストレント>はそこまで強くはないが、<ナイル&ホテップ商店>のような一部の店で矢の素材として使われている良質な木材だ。



 そして需要があって簡単ということはよく周回される。なので本来は供給が間に合っているはずなのだが...



「怒るとしたら、森林の<ダンジョン>で<雷属性>を使ったやつを怒った方がいいぞ」



 初めて<ダンジョン>に潜ったやつが初めて使う<雷属性>魔法を暴走させて森林火災を引き起こしてしまったと聞いた。



  <応用四大属性>はしっかりと使えるようになってから出ないとこういう事故を起こしてしまう。注意すべきだと教えなければいけないはずだが...



「さて、身体強化薬は...」

「うーん、とりま3本ずつあるからな。再生薬1本ずつ買えばいいんじゃねえか?」

「資金もないからな。あとは...いいか」



 会計をする。合計金貨3枚はかなり高めだが、<ブラストレント>の唯一出てくる場所は火災で大変なことになっている途中だ。



 しょうがない出費とするしかないだろう。



「...あ、明日から1ヶ月?くらいは食事が日に2回になりそうです」

「うっ」



 1ヶ月?の周回か...つらいが、やらなければ<魔王>討伐はもとより生活すらままならなくなるからな。



 しょうがない。また暇な時間を過ごすことになりそうな予感を心の奥にしまい込んで店を出る。



「ありがと〜ございました〜」



 時間があるかどうかわからないため出た足でそのまま図書館へ。



 文字通り店の前に図書館があるため道のりはそこまで長くない。



 1分も歩けば辿り着くことができるだろう。



「ここに入るのも久しぶりだぜ」

「ま、毎日のように来ていましたからね」



 そうだったのかと思いつつ中にはいる。



 図書館である以上中は綺麗に掃除されており、さっきまでいた店とは全く違う。



 また広さも相当で、奥の方は完全に見えなくなるくらい広い。<空属性>の魔法で広げているのだろうか。



「こんにちは、<勇者>様方。探し物ですか?」

「いや...とりあえずこれをみてくれないか?」



 そう言って司書にチケットを見せる。



 すると司書は血相を変え、



「な、なるほど...入り口に案内いたしますので、ついてきてください」

「よろしく頼む」



 司書さんが出てきて先行する。それに着いていく俺たちは、今のうちに<インベントリ>及びポケットの最終確認。



 <インベントリ>にしっかり支援系の<ポーション>が入っていることを確認し、ポケットに回復薬と再生薬を1本ずつ入れておく。



 軽く動いてポケットから出ないことを確認して...



「それにしてもたくさん本があるわね。ここに<神話生物>の記述とかあったりして」

「た、多分ないです。そもそもあれらは特殊すぎますから、そのせいで一般の情報にはないんじゃないかなあと...」

「...それもそうね」



 数分歩くと、司書はとある本棚の前で止まった。



 ここには特に扉があるようには見えないが...



「ここのどこにあるんだ?」

「最初はそうなるでしょう。ですが、実はここにボタンがありまして」



 と言いつつ、司書はとある本を引き抜いた。



 そして引き抜いた本についているボタンを押す。



 ゴゴゴ...



 その瞬間、本棚が動き出した。



 しまっている本を地面にぼとぼとと落としながら、本棚は隣の本棚の後ろに収納される。



 そして、ちょうど本棚があったところにある窪みに、扉があった。



 厳重なロックがかかっているようで、鍵穴が4つもある。



「本物の鍵が必要なのか、それとも4つの鍵が必要なのか...」

「そのどれでもないですね」



 と言って鍵穴の1つを摘んで...



「ちょっと硬いです...が!」






 回した。どうやら鍵なんていらなかったらしい。



「っと...ここから奥が禁書庫改め<焚書区域>となります。どうかお気をつけて」

「ああ」



 <焚書区域>。名前からしてすでに<ダンジョン>と化しているようだが、俺たちにとっては都合がいい。



「カミラ、どうだ?」

「全5階層、ですがかなり広いです。最短でも...2日は跨ぎます」

「食料は<インベントリ>にあるな。ならいくぞ」

さて、300Pを超えたかつ3年目に突入したのですが...



詳しくは明日。でも流石に感謝を。



皆様、いつも読んでくださりありがとうございます。

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