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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第六章 殺人狂気神話
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刑事ドラマ的な何かの前に

ちょっとゴタゴタ

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 あれから2日。ついに、



「...よし、肉体の動きに問題はありません」

「うっしゃあ、これでシートは復活したな」



 シートの怪我が完治した。が、やはり[再生]のLvは高ければ高いほどいいというのを実感する。



 どうにかして修練の期間を設けるべきか...?



「となるとあいつらも」



 コンコン



「治ってるってわけだな。入ってきていいぜ!」



 ドアが開くと、そこにはメーノとカミラの姿があった。



「み、皆さん、遅くなって申し訳ありません!」

「右に同じく。ほんと前衛はいいわね、[再生]が高くて」



 二人とも相変わらずのようだ。少しホッとした、がすぐに気を引き締める。



「そうだな。だから[再生]のための修練を行おうか迷っていたんだが...」

「[再生]の修練?どんなことをするの?」

「めちゃくちゃ魔獣の攻撃を喰らい続ける」

「うっ」



 シンプルであるがこれがとにかく辛い。最初の方は弱めなのだが、だんだんと強い魔獣でないと[再生]の修練にならないからだ。



「ま、まあそれは置いといて...ソルスさん、話があると聞き及んでいましたが...」

「それもある、だがまずは[再生]について」

「それは後でいいから!その話とやらを聞かせなさいよ」

「お、おう。そうか。なら...どこから話すべきかな...」



 話せと言われたので話す。ただし()()のことは伏せる。



 思考にすらしない。カミラは心が読めるため俺が考えたら最後カミラも知ることになり、そしてもし知ってしまえばまずいことになるからだ。



 だから伝えるのは、今後の俺たちの行動指針。



 すなわち、



「犯人に命令した人間を探すか、巫女様に会いに行って話を聞くか、どちらにしようかということです」

「ま、まあそうなりますよね」



 正直俺としてはどちらでも構わない。俺たち<勇者>にとって、そして人間にとって良い方向に向かうことになるからだ。



 だがどっちも行うことはできないだろう。敵がなんなのかわかっていない以上、迂闊な行動ができないからだ。



 基本的には5人で行動することになる。つまり全員でどうするかを決める必要があるのだ。



「一応聞くけど、ソルスはどうしたいの?やっぱり父親の仇を取りたい?」

「仇を取りたいわけではないが...それをなんとかするのが平和への近道ではあるだろう」

「わ、私も!親がいないっていう状況、とても悲しいことを知っていますから...!」



 こういう時、どっちでもいいというのは使えないし使わない方がいい。というかそもそもどっちでもいいをよく使っていると大事な時に優柔不断になり、選択を間違えるあるいは選択が遅れる事態になりかねない。



 そしてカミラは俺に同意か。確かカミラは孤児院の出身という話だったはずだ。



 言っている通り、俺の気持ちを案じているのだろう。



「俺は巫女様だな。()()に関わる以上()()に近づかねえようにしないといけねえ。どっちになっても、まずは巫女様のところへ行くべきだぜ」

「「()()?」」

「っと、気にすんな。シートは?」

「そうですね...巫女様に会うには時間が要ります。ですが早とちりして、その見てはいけないものを見てしまうのもまずいのでしょう」



 しかしマイゲスの主張が正しくないかといえばそうではない。



 ()()には巫女様が関わっている。まず間違いなく、巫女様に色々聞いてからであれば踏むことはないだろう。



 俺とマイゲスが知っていることを知っているのか知らないのかはともかく、それに関わらないような方向へ導いてくださるはずだ。



「そうなると指針を決める上で巫女様に次に会えるタイミングを調べなければいけないな。さすがに長い間待つことになるのなら調べに行ったほうがいいだろう」

「それに賛成。とりあえず<通話>で聞いてみるわね」

「頼む」



 メーノが<通話>をしに部屋の外に出る。



「前回は1ヶ月、いえ2週間が正しいのでしたか。どちらにせよかなり長い間この街に滞在することになりましたからね」

「カミラ、金銭はあとどれくらい持ちそうだ?」

「え、えっと...そうですね、多分1週間くらいは」

「節約した上でか」

「はい...私たちも完治したのでここにとどまるわけにはいきませんから、や、宿やご飯の代金を考えると...」



 魔獣や<ダンジョン>で金銭を稼ぎにいけないのがかなり辛い状況になっている。俺たちのいるルードはもとよりヌル()にある神聖皇国イマジの領土の中でさらに北にある土地。



 基本的に魔獣の強さや<ダンジョン>の難易度と報酬の良さは比例する。だがここらへんにいる奴らは弱いため渋く、また<ダンジョン>の実入りも少ない。



 そのためここで働いている人々の多くは農業や、あるいは服飾などで生計を立てている。



 無論俺たちにそんな技術はない。だからあらかじめ多めに貯めてきたのだが...



「最初の方で結構豪遊しましたからね」

「ぐっ...そ、それでも1日分くらい」

「せ、節約を視野に入れるなら...マイゲスさんだけで1週間分くらいは」

「マイゲス、お前...」

「いや、な?故郷に金を入れるのは結構大事なこと...」



 ガラガラガラ



 と、メーノが戻ってきた。<通話>が終わったらしい。



「お帰りなさい!どうでした?」

「うん、それがね...」



 ============================================



「...二つ返事、なんて信じられませんが、ソルスとマイゲスをみるに信憑性は高そうです」

「な、何か関わっているって言ってましたもんね!」



 廊下を歩きながらの雑談。戦いのない状況というのは、やはり平和だ。



「ものすごく気になるんだけど。その()()ってやつ」

「残念ながら教えるわけにはいかないな」

「そうそう。あの時<警察>が来たのは<魔道具>のためだったが、それ以上については教えられないし考えるのは良くねえぞ」

「殺されるから...だよね。そんなことある?」

「あるんだよ。じゃなかったら俺はとっくに話している」



 隠し事は苦手だ。だが教えたら最後皆の首が飛ぶ。そう言われた。



 なら言うわけにはいかないだろう。それこそ死んででもだ。



「あんまくっちゃべってんじゃねえぞ...そろそろ着くぜ、謁見室にな」

なんか知らず知らずのうちに2日投稿になるところでした。危なかったあ。

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