表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第六章 殺人狂気神話
265/402

突撃あなたの実家

途中で少しだけマリアパートが挟まります。

「17905階は...うう、全く辿りつきません...」

「あまり無理をしなくてもいいぞ?」

「い、いえ。私も気になるので...」



 カミラの[完全勝利]は<ダンジョン>の把握と、<ダンジョンボス>以外の全てを把握した時に無条件で<ダンジョン>を崩壊させる能力がある。



 今回は前者の能力を使用しており、すなわち名前を聞いた瞬間に<ダンジョン>の構造および魔獣の分布を把握できる効果で<無限の氷獄>のマップを見ているのだろう。



「そういえば、出てくる時はどうするのですか?」

「階層を5つ攻略するごとに1回出ることができ、その都度<ポーション>の補充や武器の手入れを行いますね。3日以内に戻らないと攻略した情報が消えてしまうため、ここにいるのは連続で2日だけですが」



 かなり厳しい<制限>だな。だがそれを涼しい顔で言っているあたり、歴戦の猛者にとっては何の問題もないんだろう。



「それだけ強めの<制限>があるなら2人だときつそうね。正直私たち5人に加えて...もう5人くらい?」

「少なくとも回復に徹するやつは欲しいな。前衛はあと2人、残りの2人で魔法と支援ってところか」

「それでも足りるかどうかわからん。特に1000も階層を攻略した後ならば1階層の広さもバカになっていないだろう」

「じゃあ50とかか?」

「一気に増やしすぎだが、実際にはもっと足りないんじゃないか?」

 "...そうではなさそうですよ?"

「何?」



 どういうことだろうか。アルカマが話すことに基本嘘はないが、だとしてもそれはおかしい。



 少なくとも2桁では全く足りないくらい敵の強さが上がっているはずだ。<伝説の20人>といえども、さすがに...



「ほっほっほ。カミラさんなら、わかるのではないでしょうか?」

「どうなんだカミラ、攻略にはどれくらい必要なんだ?」

「...1人です」

「いやいや、さすがにその嘘は全く面白く」

「う、嘘じゃないです。というか、この<ダンジョン>、<制限>でそもそもパーティでの入場ができません...」

「...マジぃ?」



 マイゲスの言葉に対し、首を大きく縦に振るカミラ。本気、ということなのだろう。



「あ、わかった。魔獣がそこまで強くないんでしょ。それなら1人でも」

「<ドラゴン>が...えっと...」

「カミラさん。あなたは今どこの階層を見ているのですか?」

「えと、1492階層です」

「ならトカゲが常時2体湧いている状態ですね。少し歩けばあいつらからやってくる状態で、リポップは30秒。まあこれくらいなら戦闘を避けることはできますし、倒すことも問題ありません」

「え?え?」



 何だ?全く聞いたことのない言葉の羅列だったが...



「と、あなたたちにはわかりませんか。まあ無理もありません、なじみの転生者がよく使っていた言葉で、使いやすかったものを私たちも使っていたのです」

「は、はあ...」

「わかりやすく、噛み砕いて言うなら...1500階層あたりでは<ドラゴン>を30秒以内に処理、いえ倒さない限り30秒ごとに<ドラゴン>と戦い続けることになります。もちろん他の魔獣もいますし、罠も設置してあります。階層によって地形は様々ですから、戦い方も変える必要があって」

「ま、待って待って!情報が、頭の中でパンクしてるから!」



 ============================================



「<ドラゴン>はたくさんの種類がいることが報告されているけど、それでも確定で言えることは魔獣の中でも最上位に君臨する魔獣であるということだよ」

「それくらいはさすがにわかるよ。めっちゃ強かったし。ねー」

「ねー」

「俺も戦ってみてえな、<ドラゴン>!!!」

「それを単独で倒すって、すごいことなんだけどなあ...」



 そんなこと言っているが、いやまあ確かにあの強さは最上位と言われても何の文句もない。



 巨体によりそれだけでもある威圧感やその巨体から繰り出される攻撃力の高い攻撃の数々。巨体であるからこその高い体力と鱗による圧倒的な耐性。広範囲技高威力技を持っているにも関わらず高い五感も持ち合わせている。



 ゲームとかで出てきても強いイメージだけど、ああやって目の前にした時の絶望感は半端なかった。



 夢にしては現実味があるあれは...結局何だったのだろうか。



「いや、あのトカゲを倒すことくらいはわけないだろう」

「え?」

「え?」

「ええ?」



 え?どういうことですかアンジェリアさん?



「いやえ?も何も、あのトカゲは確かに強いが、あれより強い魔獣は今まで何度もみてきたぞ」

「どこで...?」

「階層の深い<ダンジョン>だな。戦う場所によっても難易度は変わるが...<ドラゴン>は楽な部類だぞ。喉元の逆鱗を貫けばそこに心臓があるからな」

「な、何を言って...」



 貫くて。あの鱗、記憶が正しければ剥がすのがやっとだったと思えているのだけど。



 いやでも、砕くよりもマシなのか?それとも貫くほうが難しいのか?



「<伝説の20人>ってえ、やっぱり理解できないくらい強いねえ」



 ============================================



「...とまあ、そういうことだ」



 いやそういうことだと言われてもな。



「全く理解できないです...鱗を貫くって、いったいどれだけ威力の高い攻撃でも傷をつけるのがやっとで、普通なら触れることも難しいのに」

「<完全射出>があまり効いていなかったのも記憶しているな」

「はい。それでようやく傷がつくのに...」

「経験と修練の差ですな」

「それで埋められるものなのか...?」

強いやつと話が合わないということはよくありますよね。そういうことです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ