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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第五章 狂恋少女常守
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全然間に合わないから連続でだそう

5人づつ行くことにしました。



やっぱり無理やり一気にやるのはよくないです。

「さて一番最初は...ケレスだな。本名はケレスで苗字なし、一般的には<弓使いのケレス>で名が通っている」



 こっからが一番大事な情報だ。



 聞き逃しがないよう注意したいところである。



「<弓使いのケレス>と言う名前からもわかる通り、弓を使う。最も、<トメバード(悲愛)>という弓は視界内にいる敵に自動的にホーミングする不可視の矢を放つので、見ただけだとただダサいだけだが」

「殺生能力は...?」

「<伝説の20人>随一だ。着弾地点のほとんどは頭だからな、基本的に当たったやつは死ぬ」



 これは...一番最初から物騒なのが来たなあ。



「ちなみに普通に弓を使わせても百発百中の腕前だからな」

「隙がないねえ」

「今はどこにいるの?」

「...それを言えればよかったんだが、あいにく敵対するものたちの居場所はほとんど掴めていないんだ」

「ワープ先がどこだったかはわかるかもだけど、まあほとんどの場合移動しているだろうし」

「そういうことだ」



 つまり知れるのはあくまでも敵の情報だけと。



 でも知っているのと知らないのとでは雲泥の差がある。



「いや、でも知れるだけありがたいよ」

「そうだな...では次に行くとしよう」



 そう言って目を瞑り、まるで過去に浸るかのようにするアンジェリアさん。



 ...アンジェリアさんにとって、苦楽を共にしたであろうものたちが敵になってしまうというのは一体どんな気持ちなのだろう。



 味わったことのないそれを考えながら、僕はアンジェリアさんを待った。



「ミゼア、ミゼア・グレイド。<ミゼア司祭>とも呼ばれる彼は<聖神信仰教会>の司祭を勤めていて、おそらくは今もそこで働いているはずだ」

「そんな人まで」

「そしてこいつが煽動して分裂は発生した。誰も誑かしてはいない、だが価値観の違いをうまく使われ、私たちは分裂してしまった」



 価値観、か。



「もとより人の話を聞き、間違いをただし、あるべきところへ導くことを仕事にしているのだと言っていた。<第三の目(キーチェイン)>という彼の持つ杖が対象の心を映し出し、それを元に行なっているとは思うが...」

「思うが?」

「正直な話、洗脳に近いことを...いや、いい。忘れてくれ。流石に司祭ともあろうものがそんなことするはずがないだろう」



 そもそも洗脳というワードが出てくる時点で何かあるんだろう。怪しむということには何かしらの理由があるものだからね。



「戦闘スタイルだが、後方支援がメインであるが時折その杖を棍棒として振る時もある」

「自分からですか?」

「そうだ。曰く、ストレス発散らしい」



 ストレス発散で前線行く...?この世界、前線で戦ってたら普通に死ぬのに?



 なんというか、この世界で暮らしている人たち全員と戦わせても勝てそうに聞こえてきた。



 とんでもないね、<伝説の20人>。



「では次。ザ・ピエロ」

「ザ、ってことは...」

「いや、彼はのは偽名だ。最も誰も本名を知らないがな」

「ええ...?」



 さっき話していたことなのにすぐに矛盾していった。しかしこの世界の方がおかしいので別になんの問題もない。



「<道化師のピエロ>。そう呼ばれていた彼は見たこともない武器、というか彼が武器だと言い張っているだけの代物である<バナナ(バナナ)>を扱う。普通に食用できる、のにも関わらず敵に投げれば爆発し振えば切り裂くよくわからないものだ」

「えっとお?」

「どこから来たのかとかも全くわからない。強いて言えば、特徴的なその姿は見た瞬間彼を特定してしまうものであることだな」



 よし、言っている意味がわからないぞ。ピエロなこと以外何1つわからなかった。



「真っ白な塗料を塗っているからな。顔も涙のマークが付いていたり、髪は頂点だけ禿げていたり、丸々と太っていたりと、何かと印象に残る姿なんだ」

「でも<伝説の20人>に入っているってことは...」

「ああ。ふざけてはいるが特に陽動に長けている。丸い体からは考えがつかないほどの軽快なフットワークをはじめとして、一見ふざけているがその武装は全て相手の弱点を的確に突くものとなっているからな」

「評価、高いんですね」

「もちろん。あいつのおかげで生き残れたこともよくあったのを覚えている」



 でも強いと。例えどれだけおかしな存在でも油断はできないと。



 心に刻んでおこう。



「次、グローリア・アルト・ベクムス。<召喚師グローリア>という二つ名を持っている」

「おお、ついに召喚師」



 僕の職業だ。やっぱりいるもんだね、召喚師。



「まあマリアみたく攻撃的であるのだが、彼女は、というか彼女らベクムス家は代々召喚師なのだが、自らの手で殺害した魔獣しか使役しては行けない、ということを家訓にしていてね」

「ほうほう...え?」



 自分の手で?



「召喚師は基本後ろにいて、使役している魔獣が前線に行って、っているのが定石では?」

「そのはずなんだが、彼女は何故か一緒に前にいる。そしてそこでしか見れない光景を見ながら、的確な支援を行う」

「前だからこそわかることもある、と」

「そういうことなのだろう。そして前線で魔獣を殺し、そのまま召喚する。目の前の死体を使えば召喚は容易だからな」

「ああ...」

「基本的に徒手空拳であるために白金の武装はグローブになっていてな、<血濡れた指(シャイニング)>による強固な拳で敵を貫く」



 なんかグラップラーのようにも聞こえるのだけど、気のせいなのだろうか。



「ちなみに使役する魔獣はどれも(ゴド)の<ダンジョン>に生息しているものばかりだな」

「さ、さすが<伝説の20人>...」



 ...やっぱり、僕って召喚師の中でも最弱なんじゃなかろうか。



 ショゴスが体内にいなかった数時間前のステータスが本来の僕の数値なんだろうから...



 もっと、強くならないとなあ。過剰なほど神話生物が強いけど。



「次は...そうだな、ラーハマにしよう」

「どんな人?」

「<狩人のラーハマ>と呼ばれた人間でな。彼女も見たことのない武器を持っていた」



 結構見たことのない武器を持っている人多いな。



「まあ転生前の世界で扱っていた武器と言っていたが。確か、銃という名前か」

「へぇー、そんな武器があるんですね」

「はぁ!?」



 銃、今銃って言いました?言ってたよね。



「え、あるんだこの世界に」

「いやさっきも言った通り彼女は転生者だ。ここにくる以前の世界のものだから、私にはそれがなんなのかわからない」

「どんな攻撃でした?その銃とやらは」

「えっと...ブーメラン状の形状だが少しゴツゴツとしていてさらに重く飛びそうにないんだが、先の方をこちらに向けてくるとそこから...玉だったか?が飛んで来る。それも目で追うのがやっとな速度でな」



 拳銃だあああ。



 え、てかそれこの世界で作ったってことだよな?前世の持ち物なんて持ち込み不可だろうし。



「で、それを左手で構えながら右手に剣を持って戦うのが彼女のスタイルだ」

「遠距離攻撃も近距離攻撃もできるんですね」



 バケモノだ、拳銃を左手だけで制御しているらしい。



 拳銃であるが故に反動はショットガンなどほどではないにしろある。それを女性が片手で扱うって、一体どれだけ鍛えているんだ?



「無論銃だけが強いわけではない。剣術も彼女にかかれば一流だが、残念なことに彼女は白金級武器を持っていない」

「そうなんだ」



 特殊能力のある武器を持たない...



 なら意外といける...ん?



「ん?どうしたマリア」

「あ、いや...」



 マナお姉ちゃんに抱かれた状態で寝ているメェーちゃんの目が、一瞬険しくなったように見えた。



 気のせい...ということにしないと僕が殺されそうだな。うん。



「まあ持っていないがその手数は<伝説の20人>の中でもトップクラス。時折扱う大剣の練度は凄まじいしものを投げさせてもほぼ当てるし周りの確認は怠らない几帳面な側面も持っている。また誰とでも仲良く話すから皆が皆好印象を持つ。容姿も淡麗持つもの持っているのだから非の打ち所がないだろう」



 聞くだけで羨ましいなあ、それ。



「......戦闘狂(バトルジャンキー)でなければだが」

「ああ...」

どれだけ完璧でも、それを全て無に記す言葉。



戦闘狂

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