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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第五章 狂恋少女常守
254/402

久しぶりの

今までで一番長かった戦闘でした。最も、作品内では1日も経っていないですが。



回復系のそれは良くないと感じました。早めに知れてよかったです。

 ...はは




 ははは




 ハハハハハハハハハ!!!




 みんな!!みんな...いなくなった...




 みんなだけじゃない...なにもかも、なくなった...




 ほんとうに、これでよかったのか?僕にはわからない。




 せかいをしゅちゅうにおさめ...でもけっきょく、てのなかからはすべておとしてしまった。




 もはやじしすらできない。いのちだって、すでにおとしてきてしまったから




 ねえ...このじょうきょう...ほんとうによかったのかな?




 どうおもう?そこで僕を見ている君は?




 ============================================



「うわぁ!?」



 一瞬、ゾクってした。確かに夢の中なのに、いやまあどんな夢だったかなんて覚えていないけど、なぜか目が合ったような気がする。



 それがなんなのかよくわからなかったけど、ただ1つ言えるのは、絶対に会ってはいけない類の何か。



 すなわち神話生物か何かと夢の中で出会ったということだ。



「お、目が覚めたか...あんまりいい目覚めではなさそうだが」



 声が聞こえ、そちらを向けばそこにはまあまあ見慣れた姿があった。



「ああ、アンジェリアさん」

「全く、急に気絶したからびっくりしたぞ...最も、彼女らは驚いていなかったが」

「マリアちゃんは結構気絶するからねえ」

「よく寝るともいうけどね」



 どうやら全員無事らしい。当たり前ではあるけど、それが確認できるに越したことはない。



 この様子だと、僕は醜悪王、すなわち>キング・ゴブリン・ディセンド<討伐したあとすぐに気絶してしまったらしい。



 まあ無理もない。これまで何度も言っていることだが、僕はあくまでも6歳児。



 体力ないくせに丸1日休憩なしで戦い続けたのだ。正直生きているのが不思議なレベルで疲労困憊だったんだとおもう。



「...ショゴス、僕はどれくらい寝てたの?」

「およそ3時間です」

「短っ」

「うわっ、本当に喋った」



 左腕があることを確認してから聞いたら出てくる衝撃の事実。まさかの平均睡眠時間を当たり前のように下回っていく感じだった。



 メェーちゃん印の元気が(強制的に)出るミルクでも飲まされたのだろう。じゃなかったらたった3時間睡眠をとっただけでこんなに疲れなくスッキリとはしていないはずだ



「おはようございます、マスター」

「うん、ショゴスも元気そうで何よりだよ。僕のバイタルは問題ない?」

「少々お待ちください...はい、問題ありません」

「多分性病はマナお姉ちゃんかな?」

「そういうことだよお。あれくらいなら簡単に治せるさあ」



 頭の上の可愛いメェーちゃんを撫でながら、周りを確認。どうやらショゴスとメェーちゃん以外は出てきていないみたいだ。



「他の神格は?」

「湿っぽいからね〜。あんまり外出たくないって言ってたよ」

「クトゥグア様とクトーニアン、シュド=メル様?」

「はい。外に出たら出てくるとの言伝をもらっています」

「他のみんなもそう言ってたね」



 ちゃんと彼らも出てこれる、つまりは本当に<ダンジョン>を攻略できたというわけだ。



 イゴーロナク化も一応撃破と認められるらしい。これは本当に朗報であり、それはつまり強いやつを片っ端からイゴーロナクにする即死攻撃があるということでもある。



 強い奴なら味方になるわけで一石二鳥だね。



「...この状況がおかしいと思うのは私だけか?」

「大丈夫ですよお。慣れますからあ」

「ええ...?」



 ふむ、さっきまであんなにも狂気に満ちていたアンジェリアがここまで落ち着いているとは。



 やっぱり性格変化は武器によるものらしいね。



「さてそうなると」



 目線をちょっと離れたところにやれば、そこには首のなくなった醜悪王がいた。



 倒れて動いていない様子だが、まず生きていることは明白だ。



 おそらくは、体にエネルギーが行き届いていないのだろう。動くにはまだ相応の時間がかかるはずだ。



「脱出の目処とかは」

「はは、それがわかるのなら苦労しないんだけどね」

「というと?」



 と聞き返しそしてエリカが指差すのは、空。



 光があまり入ってこなくなった大穴の方だった。



「私たち、あそこから来たから本来の出入り口とか知らないんだよね」

「なるほど?」

「そして私たちが通ってきたのであろう出入り口...捕まっていたものたちが話していた場所はいくつかあるが、そのほとんどが地上1階だ」

「ここは?」

「推定だが地上4階だと思われるな」



 えっと、つまりほとんどの出入り口がこの瓦礫と水で埋まっていると。



「詰んだ?」

「流石にそれはないかなあ。とは言っても<帰還の指輪>すら使えないからねえ」



 きらりと光るマナお姉ちゃんその指には、金色のリングが付いていた。装備しているともいうか。



「<帰還の指輪>?」

「<ダンジョン>の出入り口に戻ることができる使い切りの<魔道具>だ。高価なものだが、持っておくと非常時に便利なものだな」

「本来はその出入り口が使用不可になっていない限りい、見たことない出入り口にも連れて行ってくれる有能<魔道具>なんだけどお、まあそういうことだよねえ」



 今の所全部使用不可、でも。



「でも、その感じだと手がかりはある感じか」

「そおそお例えば...」

「マリア!!」



 僕を呼ぶ声が聞こえた瞬間、後ろから抱きつかれる。



「目を覚ましたんですね!」

「そうなんだよ。おはようリーシャ」

「おはようございます、マリア!」



 リーシャも...傷ひとつないね、OK。



 外傷から内傷まで全くない、完璧な状態だな。ヨシッ!



「リーシャはどこに行ってたの?」

「私が一番元気だったので、周りの探索を行っていました!一通り見ましたが...」

「出口あったか?」



 首を横に振るリーシャ。どうやらなかったらしい。



「見た感じはありませんでした。探索者(サーチャー)でない私ですから、結構甘い調査にはなっていそうですけど」

「それは私たちも同じだからな。リーシャが見つけられなかったのなら私たちにも見つけられないさ」



 ふむ...そうなるとあと手がかりになるのは...



「あ、>キング・ゴブリン<」

「それぐらいですかね...というか、それに賭けないとゴリ押し以外の選択肢がなくなってしまいます」

「だよねえ」



 ワンチャンメェーちゃんが投げる...空中でハンバーグの焼く前になること間違いなしだな。

次回は20人について。

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