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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第五章 狂恋少女常守
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人間の底力

今回はちょっと先の戦いの補足というかなんというか

 ほとんどの<ゴブリン>が一瞬で真っ二つになる様は爽快感があるというか、なんというか。



 ただの1振りで、これ。<伝説の20人>は校長然り母さん然りでやばい人しかいないらしい。アナさんは何かしたかと言われるとわからないけど、少なくともシュブ=ニグラス本来の姿を見て発狂しないだけの精神力は持っているのだから、人外と言って差し支えないだろう。



「......?」

「ん...同胞が殺されたことで思考放棄を行ったか?」



 口をぱくぱくして、一体今何が起こったかよくわかっていない顔をしている。



 まあ、正直わからないことはない。これと同じ状況だったのが今までなわけだし。



「行いは帰ってくるものだ、とはよく言ったものか」



 醜悪王に背を向けアンジェリアらの元へ向かう。現状のやつに私の隙を突く力は残っていない。



「...!」



 必死にこっちを追いかける、が全く追いつけていない。



 当たり前だ、右手と喉に残る痛みを耐えているのだから。足に一切の傷をつけていないのがせめてもの救いか。



 歩けているだけまだマシ、と。



「...その様子だと、そもそもこの槍を呼び出さなくても良かったか?」

 "んなっ!?"

「そう見えるか」



 まあ確かにこのまま詰められるようにも見える。でもだ。



「まあ確かにそう見えるのは分からなくもないが、残念なことに私はあいつを倒すための高火力撃破手段を持ち合わせていない」

「あんなにボロボロなのに?」

「そう見えるだけだ。実際には回復数回分のMPは残してあるはずだ」

「なんだって!?」



 何度も見返すアンジェリア。そう思うのも無理はないけど、あいつは確実に残している。



 全く発音できていないのに<流転傷>が発動していたことと、MPがもうないように偽装していたことを考えればその可能性が最も高いだろう。



「そもそも私たちの作戦は丸聞こえだったわけだしな」

 "なら、アタシたちは回復されることを見越して戦えばいいわけね?"

「ま、そういうことになるな」



<聖域>に向かう僕と、後ろで醜悪王に向かっていくアンジェリア。



「ねえマリアあ」



 と、<聖域>からお姉ちゃんが出てた。



「出ても維持できるんだ」

「<魔眼>だからねえ。視界に入ってさえいれば維持はできるんだあ」



 あー、なるほどね。<魔眼>の強みはそこか。



 結局発動する時に喋ってるのだから<詠唱>と変わりないと思ってたけど、これなら全然差別化できそう。



「<結界>系の魔法及び<魔術>は通常内部で維持していないと消えてしまう。だが」

「まあまあまあ。それで聞きたいことがあるんだけどお」



 む、話を逸らされた。



「なんだ?」

「いやまあ別にそんな変なことを聞きたいわけじゃないんだけどお...本当に持ってなかったのかなあ、ってえ」

「奴の息の根を止める方法をか?」

「そおそお」



 あ、それは確かに気になる。



 旧支配者ともあろう方が持っていないのか?と思いたいものだけど...



「...まあ流石に持っていないといえば嘘になります」



 だよね。



「だけど使えない。状況が悪いからな」



 おもむろに<メヌー・リング>を覗き込めば、現れる僕のステータス。



 ーーーーーーーーーーーー


 マリア


 HP 25000/25000 MP 0/20000


 ーーーーーーーーーーーー



 あれ、自分のHPMPってこんな表示になってたっけ。



「所詮はイスの偉大なる種族が作った魔法、改造は容易です」



 ええ...



「...うわあ、MPが0だあ」

「ちなみにですが、MP0は相当前からずっとそうでした」



 まあそれは知ってた。



 どうやって<装甲>を使っていたのかは分からなかったけど、多分なんらかの方法で代替していたのかなと勝手に考えてた。



「どうやって魔法を使ってたのお?<結界>っぽいのを使ってたよねえ?」

「初めて見る魔法でもわかりますか。さすがですが...仕組みは単純でわかりやすいよ」



 問題は代替先がなんなのかだけど...



「単純に、空間に存在する<魔力>をかき集め使っていました」

「どうやってえ?」

「<方向>の応用である物質の中から一定の物質を取り出すこと、それの発展です。<魔力>を空間内で収集し、それをコストとして使用すれば体内の<魔力>がなくなっていても使えます」



 ああなるほど...って、それありなの?



「空間内の<魔力>が薄い地球では使えませんが、この星は潤沢ですからね。そもそも体内の<魔力>はここぞという時に取っておくべきですし、そもそも私の体内の<魔力>、すなわちMPがなかったから倒せなかったので」

「それは分からなくはないけどお...」



 もはや考え方がなんか、先の方に行ってるな。



 戦う時のMPが枯渇する問題はどんな時でも付き纏うことはわかるけど、それをそもそもMPを使わないことで解決するのはびっくりだよ。



「ちなみに最も効率がいいのは空間内の<魔力>で下級生物を呼び出し、そのものたちに<魔術>を使わせる方法です。儀式などはこちらのほうがいいですね」



 ええ...

狂戦士の話は次回で

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