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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第五章 狂恋少女常守
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蹂躙

さて、少し本気を出しましょうか

 エリカが後ろにダッシュ。それと同時に奴と向き合う。



「これ、もう何回目?」



 3回くらいやってるこの行動。戦うたびに何かが介入してきて、不完全燃焼に終わってしまう。



 でも。



「こうなったら、もう誰も来ない」

「■■■■■」



 うるさい。手を払って頭を砕き、そのまま手の中のものを口腔器官へと突っ込む。



 ...薬か何かで肉体と精神を変化させているのか。よくこんな技術を生み出したものですね。



「捕食で情報を得るのか」

「捕食?ただの調査でしかないわよ」



 ゆっくりと、静かに歩み寄る。






 なんてことはせず一気に間合いを詰める。



「!?」

「遅い」



 ぶん殴る。ただ力一杯殴る。



 たまたま避けられたけど、その下にある地面は抉れていく。



 余波で空間も吹き飛ばされ、僕の腕も吹き飛んだ。



「って、加減ミスっちゃったよ」



 右腕を生やして追撃へ向かう。



「っちぃ!!これが神格の」

「舌噛み切るよ?」



 右手を顎に思い切り当て、頭蓋を震わせる。いわゆる脳震盪というやつだが。



「うぐっ!?」



 目の焦点がズレ、膝から崩れ落ちる。



 いやそう見せかけての蹴り上げか、さすがは醜悪王。



 でも、狙いは悪い。顎に当たるそれで僕と同じように脳震盪を狙ったのだろうけど...



 頭が吹っ飛ぶ。空へと飛んだ頭をよそに、私は奴の股間に踵を落とす。



「!?!?」



 流石に悶絶する醜悪王。そこに攻撃を叩き込む。



 手のひらの歯で抉れば、肉が、骨が、血が飛び散っていく。



「ほら、まだ私に何かできないのですか?」

「ぬ、ぬうう...」



 動けない醜悪王を連続で殴り続け



「<流転傷>」



 そこから一瞬で立ち直り形成が逆転はしなかった。



 傷が一瞬で治ったのち、私はすぐにやつの爪に手を当て、右手を傷つけさせた。



 瞬間、右手が吹っ飛んだ。が問題なく右手を生み出し掴みかかる。



「がはっ!?」

「残念、私を誰だと思っている?お前のそれは...」



 バキッ



 首の骨を折る。



「すでに対策済みだ」



 ...<ゴブリン>の息の根は、止まっていない。



「どうだ、少しは絶望したか?」

「く、くそ...」

「まだか。ならもう少し」



 と思った矢先、力を抜いた瞬間に奴はホールドから脱出した。



 でもそれは想定内だ。脱出するために立ち上がった右脚を粉砕する。



「っあ!?」

「もう少し周りを見た方がいいよ。君は、すでに勝ち目が」

「<流転傷>!!」



 治った足に掴んでいた僕の腕を、いや腕ごと私を持ち上げて投げ飛ばす。



 真上に。



「<雷矢>!!」



 飛んでくるそれを回避せず受け止め、逆に掴んでまとめていく。



「何!?」

「<装甲>の応用、<魔力>を纏った手であればこのように...」



 丸めたそれを投げつける。



「くっ」



 なお、<方向>により必中である。



「があああ!!」

「魔法を整形することが可能です。せめて形状を固定化するべきでしたね」

「かはっ、そんなことするやつお前以外」

「ええ?旧支配者なら誰でもできる芸当ですが?」



 え、そうだったの。



 さすが<魔術>専攻の旧支配者、ということで済む話ではないと思うけど、すごいなそれ。



 僕もいつかできるようになるといいな。



「くそ、<流転傷>!」

「そんな頻度で<魔術>を使用すればすぐにMPは尽き」

「ぬうううん!!」



 岩を持ち上げ投げて、って速い!



「問題ありません」



 右手の口で思いっきり吸う。すると、そこに岩が吸い寄せられていく。



 岩の速度なんて関係ない。ただの1回吸っただけで、それは手のひらに収まった。



「そら、お返しします、よ!!」



 勢いよく投げれば、それは先ほどの岩が可愛く見えるほどの速度で飛んでいき、無論醜悪王は当たらざるを得なかった。



 さらに、まるでガラスのように粉々に崩れ落ちる岩の隙間を縫って移動、右ストレートが決まる。



「うぐっ、き、<傷の」

「くどい」



 右手を口の中に突っ込み、顎を下から膝蹴りすることで腕を噛み切らせ、自立化。



「食いちぎる」

「!?!?!?」



 体の中を高速で移動しながら食い尽くしていく様は、まるで腹が減ったドブネズミを使う拷問のようであった。



 確かそういうのがあったはず。



「ああ、そういうのもありでしたか」



 パチン、と指を鳴らせば



 ...ガシャン!!



 何かが出てくる。これは...金属の塊か?



 鉄っぽい見た目のそれは、綺麗な立方体の状態で出てきた。



 さらにパチン。



 ...カラン



 と軽い音と共に地中から出てきたのは、これまた金属。



 だけど...なんか小さい?それにぬてぬてしてるし...



「含有量が少なかったですか。まあいいでしょう」



 というと小さい方の金属を拾って、



「ふっ」



 投げた。



 それは中に浮く金属塊の真横を通り、って。



 その瞬間、投げた金属塊が燃え出した。



 そしてその金属塊は醜悪王の腹に命中し、



「ぐ、おおおおおお!!」



 血に濡れた肉体を燃え上がらせた。<ゴブリン>の血って燃えるのか。



「奴らがどうやってランタンなどを作っていたのか、というのはこれが理由です。発火しやすい性質を持っているのですから、死んだ同胞の血を使って明かりを制作していたのでしょう」



 なるほどねえ。

遊ばないとこうなってしまうんですね

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