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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第五章 狂恋少女常守
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でも結局

こうなる

「ふう...久しぶりに仕事だ、<愛と名声と金のために(アイラブアイ)>」

「あれえ?」

「ちょ、ちょっと待って![武器との絆]って、ええ?」



 どうしたのだろうか。お姉ちゃん達が狼狽えてる。



 何も不思議なことはない。校長だって使ってるし...でも[武器との絆]は聞いたことないな。



「[武器との絆]?」

「<色別階級>白金(パム)の武器が持つスキルでえ、その武器がどんな場所にあってもお、呼べば来てくれるんだあ」

「ああ、校長が使ってたのはそれか」



 それで飛んできてたのか。何かの能力かとは思ってたけど、武器側がスキルを持つこともあるのか。



「だ、だけどね。白金の武器ってもうこの世に数えるほどしかないんだよ。それで、その数えるほどしかない白金武器は、全て<伝説の20人>が所持していて、<伝説の20人>は全員が白金武器を持ってるんだよ。その白金武器は<伝説の20人>の個人個人を象徴する武器なんだよね」

「そうなんだ」

「そうなんだよ!それであの人が言った<愛と名声と金のために>は<狂戦士アンジェリア>が持っている槍!そしてその名を呼ぶということは...!」



 アンジェリアの方を見る。アンジェリアは、少し恥ずかしいようで、目線をそらしている。



「な、なんでここに<伝説の20人>、がっ!」

「さっき納得してなかったっけ」

「そもそもあんまりそっちの話聞いてなかったって!」



 って、結構押されているみたい。すぐに加勢しなきゃ。



「アンジェリア!武器はまだ来ないの!?校長はもっと早く来たけども!」

「...あいつ、多分[投槍]使いながら来てるな。これはあと10分はかかると思う」

「ええ!?」



 10分。あいつを止める。



 いやまあできるか。もう私に完全になったし。



「ふっ」



<聖域>から飛び出して醜悪王の元へ歩く。



 そしてその間に壁にめり込んでいる僕の頭を引き寄せて...キャッチ。



「んっ...とと、と」



 ゴキゴキと首を鳴らして接続を確認。本当は頭部オプションをつけていると色々弊害があるのだけど...



「ちっ」

「そこだっ!」

「何!?」



 その瞬間、エリカは鍔迫り合いを放棄し互いを大きく吹き飛ばした。おかげでまた距離が取れて、しかもエリカは僕の近くにくる結果になった。



「もしかして、時間稼ぎは得意?」

「まあ場数はマリアより踏んでいる...と、思いたいな」

「僕もお姉ちゃん達がいない間に色々あったからね」



 吹き飛ばされた醜悪王は、少し時間を空けて素早く起き上がった。



 こちらを油断させるためなのかもしれないけど...それはそれとして、奴には軽い笑みが溢れていた。



「ふ、時間稼ぎか。俺も舐められたものだな、どんな奴であろうと俺は<ダンジョンボス>だぞ?」

「だってまあ、実際にお前は<制限>に頼った戦闘をしているし。さっきも、か弱い女の子である私とずっと相手させられてたでしょ?」

「...そうかそうか。お前達は表面だけしか見ないのか。そこに隠された裏を見ないのか」

「どういうこと?」



 そう聞いた時だった。



 ゴゴゴゴゴ



 強い揺れが僕たちを襲った。どうやらしたの方で何かが



 ザッパーン!!



 飛び出してきた。鱗をもつ、汚い緑色の、背の低い生物が。



 特徴的なその顔は、全て同じなように見えて。そう、1体ではなく数十体は同時に湧いてきた。



 狂った目をしたそれは、飛び出すと同時に僕らへと滲み寄ってきた。かなり気持ち悪い。



「こいつらは..,」

「見たことない<ゴブリン>だねえ」



 あ、お姉ちゃんたちは見てないのか。



 でも僕たちは見た。これと同じ姿のやつを。



「交雑種。繁殖は成功していたのですか」

「厳密には繁殖ではく能力の譲渡と言った方が正しいがな」



 あの時、自分にやることになるとは、みたいなこと言ってたからまさかとは思ってたけど。やっぱり9階のアレは<ゴブリン>および人間の成れの果てだったらしい。



 ...そうやって見てみると、どうやら飛び出してきた奴らには一部人間の交雑種が混ざっているようにも見える。生き残った奴らを全員持ってきたらしい。



「んー...」

「エリカには何か策があるの」

「いや全然。ただ、どうやったらこいつら抑えながらあいつ抑えれるかなって考えてた」



 まあそれができたら苦労しない。あいつも言ってたけど、あいつはどこまで行っても<ダンジョンボス>だ。装備を持ち込んでいてもかなり難しい。



 また交雑種も1人1人はそこまで強くない、けどいかんせん多すぎる。数の暴力がとても強いことは、先の街での戦いで理解しているつもりだ。



「どっちを重視するか、かな。数か、質か」

「私はあの<ゴブリン>見たことないけど、どれくらい強いの?」

「<ゴブリン>より身体能力は強いけど、その分知能は下がってる」



 醜悪王は色々と考えて攻撃してくるけど、9階で相対した交雑種は真っ直ぐこちらを追いかけて攻撃しようとしていた。



 知能の差はわかりやすいだろう。



「んー、マリア、1人でいける?」

「いける、と思いたい」

「なら1人でやってもらおうかな。時間稼ぎくらいなら流石にできるでしょ」

「エリカは?」

「その、交雑種?の対応かな。3人いれば十分だと思うけど、2人だと無理そうなんだよね」

「わかった。なんとかしてみる」



 なんとかするしかないかあ。

だいぶ遅れたので今日はもう1話あります

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