とある人たちととある人の邂逅の幕間
今日は2話あります
「はぁ、はぁ、はぁ」
「ちょ、ちょっとマナ!」
「はぁ、はぁ、はぁ」
「ま、待って!ちょっと休憩!」
「はぁ、はぁ、はぁ」
「...マナ!!」
「!?エリカあ、なにい?」
「何い?じゃないよ!もう丸2日歩いてるって!」
「そうだねえ」
「分かってるなら!......ちょっと、休憩しよう?こんな疲れている状態で、<ダンジョン>に挑んだら、倒れちゃうって」
「でもお、マリアは」
「ミイラ取りがミイラになっちゃダメでしょ!?私たち、なんのために<生存不可地域>に来たの!?」
「...マリアを助けにい」
「だよね?だったらそのための力を保ちながら進まないとでしょ?」
「そう...だね」
「うん。だったら少なくともある程度の安全が確保されてしまったこの場所で、少しでいいから休憩するべきだよ」
「...」
「このペース、出会った敵をぶちのめしながら進むいつものやり方じゃあ、<生存不可地域>は生きていけない。でしょ?」
「...」
「...」
「...分かったよお、エリカあ。<聖域起動>」
「ん、それならいいんだ」
「私たちい、大分進んだねえ」
「もう<生存不可地域>の端っこが見えない場所まで来たからね」
「私たちの場合い、死体が邪魔で見えないのだけどねえ?」
「そうなった理由のほとんどはマナなんだけどね。ほんと、最初からとばしすぎだよ」
「でもお、だからこそ今魔獣と接敵しないんだよお?」
「私達の匂いが魔獣の匂いで掻き消されているからね」
「そうだねえ...マリアちゃん、大丈夫かなあ?」
「それは...」
「<ゴブリン>に捕まった人達ってえ、救出された後は大体は廃人になってるんだってえ」
「知ってるよ、私の知り合いにもそういう子がいたから。理由は多々あるけど...」
「尊厳の破壊が一番の理由だとされているけどねえ」
「<ゴブリン>の生殖能力はネズミと同等だからね。1匹いたら1000匹はいる」
「でもそのほとんどがオスだからねえ。生殖能力のあるメスを持つ生物を襲って子供をつくるんだよねえ」
「そうそう。でも、なんであんなメスがすくないんだr」
ドゴーン!!
「「!?!?」」
「な、何今の音!?」
「あっちの山の方だったけどお、何があったんだろう?」
「...行ってみる?」
「行ってみよっかあ。十中八九マリアだもんねえ」
「だよね。あの音の規模の感じ、多分地下の崩落だと思うけど...」
「そう。あれは<ダンジョン>の天井が崩れた音だ」
「「!?!?!?」」
「あの辺は地下水源があるせいで地盤が水を吸っていて緩いらしい。たとえ<ダンジョン>だったとしても、その土地の性質だけはなんとかならないからな。力と力がぶつかって、激しく崩れたんだろう」
(ま、全く気づかなかった...マナは?)
(私も全然気づかなかったよお。ここ、弱いと言えど<聖域>の中なんだけどなあ)
「それで?急に現れた私に戦慄するのは勝手だが、早く行ってあげないのか?彼女、今相当苦しい戦いを強いられているぞ?」
「な...エリカあ、行こお!」
「ちょっと待った!!」
「何い!マリアちゃんを助けに行かないとでしょ!」
「それはそうだけど、私たちはこの人の言っていることを信用していいの?」
「え?」
「急に現れて、しかも私たちが気づかないほどの隠密能力を持ってて、さらにマリアまで知ってる!それも助言をしたってことは、私たちがなんでここにいるのかまで!」
「まあ確かにそうだが...」
「それもそうだねえ...じゃあ、あなたの名前は?」
「ん?あー、そうだな。教えることの出来る名前は無いな」
「え?」
「ここで名乗った名前、ぜったいに友達にバラしたりしちゃうだろ?その対象が万が一マリアだったら、君たちが殺されてしまうかもしれないんだ」
「じゃあなんて呼べばいいのお?」
「そうだな...特に何も無いから、優しいお姉さんとでも呼んでくれ」
「わかったよお、優しいお姉さんに出会えてよかったあ」
「さて、そんなことを言っている間に崩落がまた起こるっぽいな。これくらいなら生き埋めの問題は無い範疇だとは思うが」
「...先を急ごうよお、エリカあ」
「そうだね。大分私たちも休憩できたし...」
「あ、そうだ。ここで私と出会った事はマリアにはないしょにしていて欲しい」
「なんでですか?」
「私はいま、どちらかと言うとお忍びに近い斥候としてここにきている。マリアが知ったら発狂ものだからな」
「わかったあ。じゃあねえ、まりああ」
「うん。ありがとうございました、優しいお姉さん」
「いいってことだよ......さて、私たちはあの崩落した穴からなにが落ちることを、防ぐためのダムの作業を進めるかあ」
久しぶりの幕間で、少し疲れました。
マリア視点じゃないと画面が沢山あって大変なんですよね。
でもちょっとだけ考察のきっかけを造れてよかった




