表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第五章 狂恋少女常守
230/402

>キング・ゴブリン<戦⑥ ゲージ技

これ、全部彼女のおかげです

 壁。これは天井の支えにもなっている。天井と壁を作ることで、人間は外敵から身を守ってきたのだから。



 だから、壁が崩れれば天井も落ちてくる。それが普通の家だ。



 しかしここは違う。空間全体を覆う内壁を崩せば、ほとんどの場所はただ抉れただけだった。



 まあもちろん抉れたということは破片が落下するということで。それが全体に起こっているのだから現状は大惨事と言えるだろう。



「ギギャg」

「危なっ!」



 襲ってくる<ゴブリン>、しかしそのほとんどは瓦礫に飲まれていく。僕たちは壁の近くで戦っていたから、その影響はかなり大きかった。



 そしてその影響、つまるところ崩落というのは僕たちにとって害でしかなく、それは<ゴブリン>も同じ。



 崩落は天井だけではあるものの、空間全体に影響を及ぼしていた。



 岩の雨は僕たちを貫いていく。それを避けなければならないこの状況で<ゴブリン>の相手なんかしていられないのはまあ当たり前だ。



 だけど、だ。






 崩れなかった、いや、崩れた後に大きい管が出てきた場所からは、大量の水が流れてきた。



 実に4箇所。東西南北に設置されたそれらから出てくるものは一気に街を洗い流した。



 天井の崩落と共に、あらゆるものを湖の底に沈めていく。



 地上にいた<ゴブリン>は、まず助からないだろう。ビルの上にいたもの達は水流に巻き込まれないものの、天井の崩落をモロに受けることになる。



「リーシャ!いる!?」

「マリア!手を!」



 岩を飛び移ってきたリーシャの手を掴みそのまま一緒に移動する。



 向かうはアンジェリアの元。あの人なら間違いなく無事だろうからね。



「...それにしてもすごい水流ですね。なぜここにこんなものが?」

「あー、アンジェリアには言ったけど、<魔力炉>の代わりにしてたんだと思う」

「え!?そんなことが可能なんですか!?」

「<魔力>以外にも、この世界にはエネルギーがあるからね」



 科学と魔法っていうのは相反しているのかもしれない。事実、科学技術と魔法技術を完全に両立している神話生物を僕は知らない。



 となればこの世界が魔法を主軸として発展して行ったとしたr



「アンジェリアさん!」

「リーシャ!マリア!無事だったか!」



 っと、どうやら着いたらしい。アンジェリアはどうやら壁に槍を刺してその場でなんとかしていたみたいで。



「まさかここまで脆いとは思わなかったぞ!力の加減を間違えてしまったようだ!」



 とかなんとか言いながら岩を砕き蹴り飛ばし、上がっていく水位と共に激しくなる水流を弾き返していた。



 おかげでこの場所だけ周りと明らかに違い無傷。ちょっとでも離れたら濁流が襲ってくる地獄へと化していた。



 だが逆を言えば今いるこの場所、槍から半径1mの場所は安全地帯であった。これなら間違い無く僕も生き残れることだろう。



「>キング・ゴブリン<は...」

「いや、まだいるな。この濁流の中、やつも生き残っているらしい」

「さすがに強いな。<ダンジョンボス>ってのはやっぱ化け物しかいないのか?」



 森海王然り、コボルド然り、大体のやつは強かった。人間では到底勝てないのだろうと考えてしまうほどに。



 しかし、今目の前で起きているこの状況は、紛れもなく人が行ったことでもある。もちろん自然が影響しているところもあるだろうけど、だとしてもあまりにも影響力が強すぎる。



 インフレってレベルじゃない。これは...



「そういえば、さっき言っていた、いんふら?とはなんだ?」

「え...それ今聞く?」

「ある意味で今しか聞けないかもだからな。死ぬ前に聞いておきたい」

「んな物騒な...あ、そしたらこの戦いで生き残ったら教えてあげますよ」

「いや、今聞く。今じゃなきゃダメだ」

「私も聞いてみたいです!」

「ええ?リーシャまで?」

「嫌ならここから突き飛ばすが」

「そこまで言います!?」

ここにいるやつは全員バケモンです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ