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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第五章 狂恋少女常守
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>キング・ゴブリン<戦④ カウンターヒット

「ギギャ!」



 飛びかかってくる<ゴブリン>。



「せいっ!」

「ギャッ!」



 それを払うリーシャ。



 それを確認したアンジェリアさんは、自らの持つ槍を高速で振り回し始める。



「はあああ...!」

「「「ギギャア!!」」」



 当たった<ゴブリン>は容赦なく吹っ飛ばされ、その先で落下していく。<ゴブリン>が流れている道路に。



「くそ、このままだとキリが!」

「「ギギャギャ」」

「何!?う、うわあああ!!」

「おじさん!」



 しかしどれだけ削っても登って跳んでくるのが<ゴブリン>。数の力。



 そんな状況で耐久戦を行なっているからだろう。ついにおじさんが<ゴブリン>に飲まれていった。



 4人から3人へ。もはや悲しむ余裕すらなく、僕は目の前の攻撃の回避に集中する。



「余裕があるか。それとも愚かなだけか!!」



 高速で振られる棍棒をしゃがんで回避。



 2段目の地面を抉りながら行われる攻撃は手で自分の体を飛び上がらせて回避。



 ...実践経験は成長にとってもっとも効率がいいのかも。



「よ、ほ」

「ちょこまかと...いい加減攻撃してきたらどうだ!!」



 ブン、ブン、ブンと連続で振られる棍棒を空中で、姿勢を変えることで避ける。



 こういたことは今までできなかった。筋力も足りてなかったし、そもそも僕はステータスが貧弱だからね。



「生憎、攻撃できる方法がないんだよね!」



 着地と同時にジャンプ、醜悪王の攻撃を避け、そのまま今度は棍棒の上に着地。



 でも今は戦えている。片足を失った状態でも、<ゴブリン>の攻撃を避けながら...



「そこだ!!」

「ほう!!」



 攻撃。頭にクリーンヒットしたそれは醜悪王には効いているようには見えなかった。



 まるで金属を叩いているかのような、そんな衝撃が手を襲う。



「っ!?」

「...なんだ、拍子抜けだな」



 醜悪王の一撃をまた避ける、だが近すぎたのか完全には避けれず、その勢いだけが体に伝わる。



「くっ!」



 行動ができるくらいの速度で壁へ吹っ飛ばされる。背中から壁にぶつかるが、しかし動けないほどではない。



 まあ痛いけど。めり込んだ体をすぐに壁から外...



 ...ん?



「よそ見をするか!」

「っと!」



 壁ごと僕を襲う棍棒を、手で壁を叩いてその反動で地面に戻ることで避ける。



 ...やっぱり。僕の背中が濡れてる。若干手も濡れているみたいだ。



 これ、もしかして壁かな。壁に吹っ飛ばされるまでは濡れたりしてなかったもんね。



 なんで...



「ふん!」

「ふっ...ああ、そういえば」



 そういえば、地下9階で確認したインスマス顔の奴ら。あいつらがいるってことで近くに地下水路があるかもって考察したっけ。



 もしかして正しい?いや、でもここと9階はかなり離れているはず。いうて結構落下してきたけど、今僕たちがいるのは3階か4階のはずだ。



 ......無理やりいる理由を考えるとしたら、あいつらも水が必要なのかもしれない。



 人間の体内のほとんどは水分だし、人間は水分無くして生きていくことはできない。そしてこれは、地球ではほとんどの生物に適用されていた。



 この世界でもそうなのだろう。僕たちは平常時、当たり前のように水を飲んでいた。喉が渇いたと思ったら露店で水を買うこともできたはず...



「はあっ!!」

「......」



 それが魔獣にも提供されるとしたら...いや、でもそれは...



 魔獣は湧く。無限に湧く。それがこの世界の魔獣。



 そんな魔獣が通常の生物と同じように水を必要とするか?どちらかというと<魔力>の方が必要な気がする。



 ともなれば...あ。



 そういえば、登っている時に見た、そして今も見ているこの光。



 これらのエネルギーはどこから?この世界でいうのであれば<魔力>だけど...



 確か王都では<魔力炉>なるものがあって、それがいわゆる発電所みたいな役割をしていた。だから街中が夜でも明るいんだ。



 じゃあ、ここは?<魔力炉>があるのか?



 ある可能性も否定できないが、もしかしてそれを水で代用しているのでは?



 水の流れる力。それを使えばエネルギーが生まれる。地球では水力発電として昔から使われてきた。



 もしそういう使い方なら...壁が濡れているのにも説明がつくかもしれない。

お?

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