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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第五章 狂恋少女常守
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>キング・ゴブリン<戦② フック

まだまだ序盤です

 周りを軽く見渡せば、まずわかるのはここが街中であり光に溢れているということ。



 石レンガでできた街並みを見れば、ここはそれなりに繁栄しているということがわかるだろう。



 まあ



 ガラガラガラガラ



 あいつはそれらを壊しながらやってくる。大きな棍棒を振り回しながら僕のことを追ってくる。



 こちとら逃げているだけだってのに、もう。



「はああ!!」

「ぬううっ!!」



 槍の一撃が醜悪王を襲う。腹を抉るその攻撃は、しかし王に届くことはなかった。



 棍棒の柄で弾いたのだ。そしてそのまま大きな棍棒の一撃がアンジェリアを襲う。



 って、範囲広すぎて僕も避けないとじゃん。危ない危ない。



「おおお!!」

「ぐあっ!?」



 さらに柄による一撃。大きな振りはその重さも相待って遅かったが、その攻撃は重さなんて全く感じさせないほど速かった。



 だからこそ、受けるしかなかったんだろう。アンジェリアさんはそれを槍を盾にして受けて、その槍ごと叩かれた。



「アn」

「よそ見をしているほど余裕があるのか」

「っ!」



 上体を地面と並行になるほどそらし、致命の一撃を避ける。声をかけられていなかったら死んでいただろう。



 でもその隙を見逃すようなやつじゃない。横振りの勢いのまま縦振りを行ってくる。



 ...体勢が悪いな、今のままだと避けられないだろう。というかそもそも片腕片足の人間にこんなことさせていることが悪

 い。



「マリア!!」



 でもまあその縦振りはリーシャの介入によってなんとか僕の左腕があったところを抜けて地面を破壊する。そして僕の体を吹き飛ばす。



「がはっ!」



 道路を挟んで反対側のマンションらしき建物の壁を破壊して中に入る。なかなかダイナミックだが、そのおかげで僕の体は傷だらけになった。



 崩れたレンガからなんとか這い出て、すぐに窓の外へ。



 そしてそのまま僕のいた建物は崩れていく、いや崩された。醜悪王の一撃によって、粉々になった。



 あの中にいたらまずかっただろうなあ。絶対死んでただろうし、抜け出すのが少しでも遅かったら間に合わなかっただろうな。



「ほう、あれを避けるか。何か予見したか?」



 答えることはできない。何故ならそう言いながら攻撃してくるからだ。



 縦振りを隣の建物に入ることでよけ、次の横振りはほふく状態になって避ける。



 そして一階から二階が抜けたその建物からすぐに脱出し道路の中央へ。



 どうやら少し広くなっていて、よく見れば十字路の中央なことがわかるが今はそんなことどうでもいい。



 いつの間にか僕たちは集合していた。どうやら追い詰められているらしい。



「さすがに強いな。ここまできただけのことはある」

「ここまでお前に攻撃をほとんど当てられていないけどな」

「当たり前だろう。お前たちはすでに病にかかっている身だ、そんな状態で俺と戦うことがどれほど無謀なのかは、お前たちが一番わかっているのではないか?」



 ...意識すると無視していた頭痛が僕を襲ってくる。<キング・ゴブリン>と相対したときよりもひどくなっていて、あいつの言っていることは正しいってことがわかる。



 そう、バカなのはこっちなのだ。



「まあ確かにそうですが...残念なことに帰らなければいけないので」

「そーだそーだ。俺たちはあんたを倒さなきゃいけないんだよ」

「そうか。確かに我もお前を倒さなければならないからな、ちょうどいい」



 その場から消え、周りを探せば三階建ての建物の上にいた醜悪王。



「そもそも遊ぶ必要すらなかったな。我々の本気でこいつらを殺せばいいのだ」



 オオオオオオ!!!



 雄叫び。それは街全体に広がっていった。



 空間が震えるその声は、いやしかしそれを塗り替えす地面の振動。






「うっそだろおい...」



 そう、町の道路を走ってくる<ゴブリン>の軍勢が。

わーお

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