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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第五章 狂恋少女常守
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>キング・ゴブリン<戦① ストレート

ジャブの次です。

「さて、まずは様子見と...」



 そう言いつつ棍棒を振り上げ



「行こうか!」

「全員跳」



 ドゥン!!



 空間が揺れる。それと同時に割れていく。



 バキバキと音を立てて、>キング・ゴブリン<の棍棒が当たった場所から崩れていく。



 僕たちは跳んでいたのでその崩落には巻き込まれなかった。だけど跳んだということは落下も起こるということ。



 それをなんとかする術もなく、一瞬で落下が開始する。



「あああああ!?」



 落ちていく体と流れる壁、下を見れば地面は見えない。



 相当な時間の間落下することになる、ということはそれだけ強い力で地面に叩きつけられることにもなる。地面が見えないほどの高さから落ちるのなら、それはかなり長い間落ちることになるだろう。



 そしてそのまま落ちれば、あのエレベーターから落ちてしまった仲間と同じような終わりになってしまう。



 ...だめだ。それだけは確実にに避けなければ。



 だがどうやって?この状況で落下のダメージを抑えることはほぼ不可能。落下の速度を落とす方法は、まあ一つ浮かぶものの今の僕では到底できそうにな



「おおおお!!」



 思いきり壁に手をかけて滑っていくアンジェリアさん。それができるのは気合いというかなんというか、そういう精神論ではなんとかならないと思うのだけど。



 というか絶対痛いよね。どうやって耐えているんだろうか。



「マリア!!」



 滑りながら落ちているもののすでに速度は出ている。わかりやすい減速はしているものの位置はほとんど変わっていない。



 なぜなのか。それは彼女の手を見ればわかるだろう。



 そう、壁に手がついていないのだ。さっきまでついていたのと僕に声をかけてきたことから考えるに、僕たちを助けようとしているのだと思う。



 ...今僕ができることはない。ここは大人しく助力を得るべきだろう。



 伸ばした手でアンジェリアの手を掴む。そして可能な限り体を広げる。



 具体的には右腕と左脚を伸ばす。こうすることで可能な限り空気抵抗を増やすのだ。



 また体を広げれば掴める範囲が広がる。案の定僕の左足と右太ももに捕まる手がやってくる。



 そして体を広げれば、だいぶ空気抵抗も強くなったのか落ちる速度は...変わらず。



 この程度じゃ変わらないかあ。でもね...



 アンジェリアさんは迷わず壁に手をかける。



 ガリガリガリ!!



 削れていく音と共に落ちていく。さすがに壁に手をかけながら落ちれば遅くなるのだろう。だんだんとわかるくらいに速度が落ちていくのを感じる。



 ちなみに指標は>キング・ゴブリン<。今回は醜悪王ということにするけど、こいつも一緒に落ちているわけで。



 体積は醜悪王の方が下だ。だけど持っているそれのおかげで僕たちとほぼ同等の速度で落ちている。



 このままだとあいつは地面に激突...いや、しないか。



 僕たちを真似て棍棒で壁を、ってそれを最初からすればいいのでは。



 しなかったのは、落下したとしても耐えられると考えていたのだろうか。それは流石に満身と言わざるを得ないような気がするけども。



 と、ついに地面が見えてきた。そして見えたということは



 ドシン!



 もちろん激突する。可能な限り落下速度を落とそうとしたおかげで死ななかったが、結構ダメージはでかい。



 具体的には、身体中が痛い。多分骨は折れている。



 他のみんなもおそらく無事だろうか。舞い上がる土煙のせいで見えないが、僕よりも体は頑丈なのでまず間違いなく被害は少ないだろう。



 ともなれば醜悪王はどうなんだ、という話だけど...






 立ち上がれない状態だが、ようやく土煙が晴れたことで周りを見渡せるようになる。



 そして目の前には仁王立ちの醜悪王。



 あの様子だと2本足で着地したらしい。僕のお腹の下にある地面に比べてヒビが入っていないし、そもそも小さい。



「...まさか、この程度で倒れたりはしないだろうな?」



<ダンジョンボス>はやっぱり化け物らしい。

でも本気じゃない。こっからが本番です。

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