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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第五章 狂恋少女常守
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出来事

拷問を詳しく書くか悩んだ今日この頃。



その結果がこれですよ。

 ============================================



 持っていた骨を投げ捨てる。僕の目の前でやった<ゴブリン>と同じように。



 でもそれをしているのは僕だ。ミアの前で、彼女の足の骨を投げ捨てたのは。



 ペロリと舌なめずりをする。これもあの<ゴブリン>が僕に対してやっていたこと。



 さて、ミアは...と、流石にもう反応がないな。肉体の僕が意識を失うまでの全てを行ったのだから、当然と言えば当然だが。



 無論収穫と呼べるものはなく、これはエゴに過ぎない。だが、一つわかったことといえば。



「人間の足ってあんまり美味しくないんだなあ」



 と、いうことだけだろう...



 ......



 ...





「おい...おい!!」



 声が聞こえ、目が覚める。



 どうやら、僕は幻覚世界から帰ってきたらしい。アンジェリアさんが目の前にいるのが見える。



「起きたか?」

「ん...多分...」

「返事ができているということは起きたんだな。よかった...」



 周りを見渡すと、そこは先ほどまでいた深淵とは全く違う場所。



 全体的に土、いや岩盤を掘り起こして作られたのであろう部屋だった。



 そう、ものすごく広いくせして中央以外何もない部屋だ。



「周りが気になるか?」

「なにぶん幻覚を見ていたものでして...」

「マリアもだったんですか」



 近づいてきたのはリーシャだ。どうやら彼女も無事だったらしい。



「みんなも幻覚を?」

「ああ。マリアほどではないが、やはり私たちも幻覚を見ていた。そもそもあの踊り場自体なかったからな」



 そうだったのね。てことはあの部屋がなかったってことだから...



 ...いや、それなら今僕の手元にあるこの手帳があるのは?



「ん、それは?」

「...嘘をつくのが上手い人は本当を混ぜると聞いたことがある。嘘に気づきにくさせるために混ぜるみたいだけど、多分この本はその中の本当の部分かな」



 出なければこれがあるのがおかしい。実際に、中には神話に関することが書かれている。



「まあいいよ。ミアは?」

「あいつなら...」



 と言って指を刺されたのは、倒れ込んでいる人間。



 見にいけば、そこには腹に穴を開けて倒れている死体があった。顔を見ればミアだとわかるその顔は、なぜか余裕たっぷりの表情。



 おそらく僕の体を乗っ取れると踏んだんだろう。僕の精神力が高いことが幸いして乗っ取られることはなかったが。



「マリアは彼女とあの部屋に行っていたな、何をされた?」

「いや、特には」

「え?」



 怪しんでくるアンジェリアさん。そうですかそうですか...



「でも僕から何かはしましたよ?彼女の左足を棍棒で叩き潰したあと噛みちぎって飲み込んで骨を捨てたくらい」

「あ、ああ...そうか...」



 でもまあ過去に僕がされたことと同じことですしね。それをやり返しただけですから。



「それで、今はなんで僕はここに?」

「ミアを殺したら、階段の踊り場がこの部屋に書き換わっていったんです。なぜか階段も無くなっていましたが...」



 確かに、よく見ると階段がない。つまり下の階はなかった?



「僕たちは、10階から6階までもの間幻覚を見ていたってこと?」

「いや、そうではないらしい」



 どゆこと?



「中央...あそこにあるのは昇降機だ。いくつかの<ダンジョン>に設置されているのを見た事あるからわかる」



 と言いつつ中央に向かう僕たち。



 きてみれば、確かにそこにエレベーターがあった。ただしかなり古い作りの。



 見た感じ人力だねこれ。油圧とか電力とかじゃないわ。



 そしてそれの隙間から覗き込めば、下の方に階層があるのが見える。暗いから全容はわからないものの、かなり深いということもあって、落ちたら死ぬということくらいはわかった。



「この台の中にあるレバーをあげれば上に行く、というのもわかっている。マリアが幻覚の中で戦っている間、<ゴブリン>も何体かやってきたからな」

「つまり、これで上に行けってことか」

「そういうことらしい」

18時をお楽しみに

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