裏の裏の表の裏の表
急展開です
「ただいまー、って誰もいないか」
「いるよお」
「うわっ!...びっくりさせないでよー」
「最初からいたよお。エリカはだいぶ疲れているみたいだねえ」
「うーん、実際そうだから何も言い返せない...」
「何徹目?」
「もう1週間は寝ていないかな。いやあ、あれがちょっと眠ってくれなくってね」
「最近起きる頻度高いもんね」
「本当は殺した方が楽だとは思うんだけど、校長は殺すつもりなさそうだし。だから遊んできたんだ」
「プロレスごっこだねえ」
「命かけてるからごっこ遊びの範疇を超えているような...」
「あの程度じゃねえ、この世界ではごっこ遊びだよお」
「...ん、マナはいつも通りマリアの捜索?」
「同僚にい、流石に休め、って言われちゃってえ。今は休憩をとっていたところなんだよお」
「あー、一応聞くけどさ。休めって言われたのはいつ?」
「さっきだよ?」
「確か私が地下に行く前から走り回ってたよね?」
「エリカが行く2週間前からかなあ」
「うん。多分だけどマナがもらった休みは1時間じゃなくて3日だと思うよ」
「ええ!?」
「え!?じゃないよ!?私より徹夜してるじゃん!」
「でもこれくらいなら全然大j」
「いやダメだって!えい<魔無香>!」
「わあ銀貨30枚が無駄に!」
「そんなことよりマリアの体調の方が心配だよ!」
「ほら!やっぱり全然ダメじゃん!髪はボサボサ目の下真っ黒、服もヨレヨレで体曲がってるよ!」
「あはは...バレ、こほっ」
「咳、いや待って」
「あー...」
「熱っ、ねえ風邪も引いてるって!」
「あう...だってえ」
「だってもヘチマもないよ!すぐに休んで、あと風邪薬も...」
「これくらいなら治s」
「そんなわけないでしょ!?治せるならもうすでに治しているんだから!」
「うわあ、エリカはなんでもお見通しだねえ」
「はあ...ほら、ベットは用意したから早く横になって」
「うん」
「えっと、あとはマニマさんにお粥を頼んで、と」
「...ねえ、エリカ」
「何?」
「なんで私のことをずっとみててくれるのお?」
「え?」
「自分で言うのもなんだけどお、私は<魔王>の味方だよお?<反聖教>のシスターだよお?」
「まあそうだね」
「味方をしてたらあ、いつかみんなの敵になっちゃうんだよお」
「うん」
「...校長も言ってたよ?<勇者>と<魔王>の戦いで戦争になるってえ」
「言ってたね」
「どうして?いつも思っていたけど、なんで?私と一緒にいてくれるの?」
「...多分、そういう疑問を解消しないと寝れないくらい精神が摩耗しちゃったんだね」
「マリアがあ、見つからないからねえ」
「でも答えはとても簡単だよ。私はマナと一緒にいたいの」
「なんで?」
「愚問だね。親が失踪して一人になった私と友達になってくれたのはマナでしょ」
「うん...」
「それだけで十分。私は世界の敵になったとしても、マナの味方だよ」
「...ならあ、いっかあ...」
「そーそー、って」
「zzz...」
「寝ちゃった。まあ、それがいいよね。早く風邪を治して、マリアを見つけて、それでこの学校を卒業しようよ」
「zzz」
「あわよくばそのまま家を買って...ん?」
「すぴー...」
「これは、多分<反聖教>の通信端末だよね?何かメールのようなものが届いているみたいだけど...」
「くう...くう...」
「...あ、暗号...」
「zzz...zzz...」
「......」
「すー...えへへ...」
「ああ、これ2進数か。変換表は...お、あった」
「そこじゃないってえ...zzz...」
「えっと?"我、可能性を発見せし"」
「もっとお、もっとお...ふふふ」
「ん...なんか変な夢見てそうだね...それで?"聖人を"」
「ん...?エリカあ?何見てるのお?」
「あ、おはよう。今あなたの同僚からの通信を見てたんだよ」
「そうだったんだあ...どれどれ...」
「まあ何を言ってるのかがわかっても、さらにそこから暗号とか隠語使ってたからわからなかったんだけどね」
「ヒツジからかあ。確か彼はニャージーランドから...」
「羊...なんかかわいい」
「あえ!?」
「うぇ!?どうしたのマナ!?」
「せせせ、聖人がいるかもしれない場所がわかったってえ!」
「あ、それってそのままの意味だったんだ。ところで」
「聖人ってマリアのことだよお!?」
「え!?」
ツッコミ系の先輩です。
え?周りが頭おかしい?そんなことないよエリカあ