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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第五章 狂恋少女常守
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始まりと終わりの絶望

パーフェクト・ラストスタート

 空を飛ぶ馬車の荷台、それが失速してきた。



 上方向に飛んでいるからね、いつかは空気抵抗で速度が0になるだろう。



「そろそろ飛び降りてください!木に掴まらないと荷台の落下衝撃で隙だらけになりますよ!」

「<ゴブリン>に捕まっちゃうのはまずいねえ!」

「うおおお!なんで俺はこんなことに巻き込まれなきゃ行けねえんだああ!」

「...今です!」



 バッ!ドシャーン!



 勢いよく飛び移ることに成功し、そして地面に激突し破壊された荷台を目にする。



 そのそばにゴブリンが近づき、たむろたむろ。鼻を動かしているのを見ている限り、何かを探しているように見える。



 まあ僕たちのことだろうな。



「急いで降りましょう。<ゴブリン>の探知能力は総合的に見て人間の数倍、私たちのことはすぐにバレます」



 そこまで高い木ではないので地面に着地するのはそう難しいことではない。



 だから難しいことといえば、



 ピシュ



「と!やっぱりバレてるね。流石に音が大きすぎたかな」



 飛んできた矢を掴む。短いのを見る限り<ゴブリン>の矢だろう。



 まあそもそもここは本陣の入り口。バレていなきゃおかしいのだけどね。



 と思っていた次の瞬間、目の前を何かが横切った。



 丸い何かだったけど、それは木にぶつかって止まったようだ。



 ...oh、<ゴブリン>の頭、さしずめまだ熟れていないトマトといったところか。



「は?なんで急に...うおっと!?」



 どんどん飛んでくる頭。グチャグチャと木に激突して、そこに緑色のシミを作っていく。



「全く...着地狩りをするならもっとわかりにくいところからやりなさいよ。あとあんな矢じゃ威力が足りないわ、テングタケくらいの強い毒でも鏃に塗っときなさい」

「僕を殺す気ですか」



 その飛んできた方向からくる女性を見つめる。



 ...ふつくしい。



「そんなわけないでしょ?私は全てを包み込む母なのだから。でしょう、マリア?」

「おっしゃる通りでございます。シュブ=ニグラス様」



 跪きたいところだが今は危険な状況。頭を下げるだけに止めやることをやる。



「あ、この方はシュブ=ニグラス様です。馬車にいた時はメェーちゃんって僕が呼んでいた存在ですね」

「お、おう...そうか...」

「おおー」



 むう、なんか普通の反応。シュブ=ニグラス様に失礼なのではないか?



 この方すごいんだぞ。人間に比較的優しめな外なる神でしかも恩恵をくれることもあって



「マリア。私がここにあなたを呼び出した理由はわかっているわよね?」

「もちろんでございます。シュブ=ニグラス様だけだと入れないのですよね」

「そう。なぜか入れないのよねえ」



 歩いていくシュブ=ニグラス様。おそらくついていけば巣穴に到着するだろう。



「イジさん、リーシャ、行きますよ」

「あ、ああ...俺、全然この状況を飲み込めていないんだが」

「それは私もです。ただ...」

「どうした?」

「...少なくとも、彼女と戦った場合生きて帰れはしないでしょうね」

「まあ...明らかに俺たちとレベルが違うよな。どう見ても強すぎる」



 む、2人が何か話してる。



「そこの2人、置いていかれても知らないよ!」

「わかってる!ったく、あいつなんかテンション違くね?さっきまであんな冷静じゃなかったろ」

「そういうこともあるのかもしれません。マリア、二重人格っぽいですから」

6時間後にまたお会いしましょう。



時間がないとはいえ、流石に短すぎる。

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