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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第五章 狂恋少女常守
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でも結局選択肢は2つ

一月中旬ごろになるまでは短くなりそうです

「それだけではないぞ。最近マナとエリカが暴走し始めてな」

「暴走?」



 マナお姉様とエリカ先輩が...いや、そういえばそもそもあの人たちは結構不名誉なあだ名とか付けられてたっけ。



 ここのところ色々なことがありすぎて全く思い出せなくなってるけどね。



「聞いたぞ。安全が確保されてからも全く連絡をとっていないようだな」

「まあ...」



 時間なかったし。服ができるのを待っていた間のほとんどは勉強に割いていたし、勉強していない時は<神話生物>との対応で忙しかった。



 今は暇、いや暇とは到底いえないタイミングだけど



「この大馬鹿者が!!」

「...っ!?」

「お前は実の母親が死んだ時の悲しみを忘れたわけではないだろう!!それと同じものを、彼女はお前よりも前に、そしてお前がいなくなった時にも味わったのだぞ!!」

「う...」



 それは...そうだろう。入学式の後あの殺人鬼の手によって殺され、その後僕が誘拐されたんだから。しかもマナお姉様にとって、僕は血縁関係ではないものの義理の姉妹。



 その悲しみを理解できるのはマナお姉様だけだけど、僕がいなくなった時にすごい精神的ショックを追うことになるのは僕にだってわかる。



「...わかった。この<通話>が終わったらマナお姉様に<通話>する」

「それがいいだろう。マナ・ヒルドもきっと喜ぶだろうが、やはりお前たちは実際に会うべきだ」



 そう。結局通話できてもマナお姉様にとっては僕がいないことにかわりない。



 流石に校長や父さんから僕が生きているという連絡入っていると思うけど...



「...護衛について詳しく」

「マリア!」

「ようやくその気になったか。ならば詳しいことを伝えてやろう」



 その気になった、というよりはそのほうが都合が良い状況になったと言ったほうがいいだろう。



 そもそも、僕自身は弱い。<神話生物>の力があるからこそ今の僕はいる。



 万が一、いや億が一メェーちゃんやショゴスらの力が借りられなくなったのなら、僕はただの一般人以下の存在に成り下がる。



 そして、だ。



「ひとつ質問がある」

「はい?」

「リーシャ、君は護衛を必要としない程強いんだろ?なのになんで護衛を求める?」

「それはもちろん...」

「僕と一緒に行動したいから、以外の理由があるでしょ。だって、あまりにも状況が護衛の方向へ傾きすぎているのだからね」



 あまりにもタイミングが良過ぎる。なんでリーシャが僕と一緒に行動したいと考えたタイミングでこの<クエスト>が校長から僕に発注されて、しかもこのタイミングでマナお姉様が云々の話を聞かされるんだ?



 あとなんでマナお姉様は僕に<通話>をしてこないんだ。僕のことを心配しているのなら<通話>を僕にしてくるだろう。



「えっと、本来<通話>は7歳以上じゃないと使ってはいけないっていうルールがあるんです。もちろん一定の強さを持っているのであれば別に問題はないんですけど、その、マナお姉様、という人は多分マリアがその一定の強さのラインを超えていないと思っているんじゃないかなあt」

「なるほどね、そういうことなのか。でもそれだけじゃ君に対する質問は答えられていないよね?」

「う...」



 それがいちばんの問題点なんだ。それがわからない限り動くことはできない。



「...それは...」

「それは?」

「...今は、言えません」



 ほう。そうきたか。



 よくわからないことにする。なあなあですますことで僕をつりあげようとしているのか?



 残念だけど、その手には乗らないぞ。



「でも!安心してください!」

「いや何g」

「そのことに、その理由に、クトゥルフ神話は関わっています。深く深く、関わっているんです。だから...」

「だから、今は言えないと?」



 頷くリーシャ。



 なるほどね、クトゥルフ神話なら逆にしっかりと関わってくることもあるだろう。



 そして、それは今気づいてはいけない可能性もある。十二分な対策をしていかないと大変な目に遭うのは僕、それを僕はこの6年間という短い人生のうちの数ヶ月間というさらに短い期間で嫌というほど経験した。



<ダンジョンボス>、強いからね。






 そんなことにわざわざ首をつっこむわけないだろ。

「よし、その<クエスト>を受けてやる」



 くっ、体が、反応してしまうっ!



 勝手に動くっ!



「っ!ありがとうございます!」

「全く、僕の弱みに付け入ってくるとは恐れ入ったよ」



 やめろお!僕自身はすっごい危険だということをよく理解しているじゃないか!



 クトゥルフ神話が直接関わっていることなんてそうそうないぞ!このタイミングを逃して...じゃない!



 あまりにも危険すぎる!そもそも目の前の少女が人間かどうかすら怪しくなってきたんだからな!



「うるさいぞ、精神の僕。実際やってみたいと君も思っているじゃないの」



 そうだけども!めっちゃ気になるけど!



 でも、知ってはいけないこと、触れてはいけないことが世の中にはある!それに関しては肉体の僕だって知っているはずだろ!?



「だけどねえ...やっぱ、クトゥルフ神話って言われたらさあ...」



 うぐっ...動かざるを得ない...



「なら、決断は二つに一つだろ?」



 くっ...くぅぅ....



「...あの、それで...受けてはくれるのですか?」

「もちろん。精神が言っていることは気にしなくていいよ、僕の本音だけど、同時に無視するべき事柄だからね」

「は、はあ...」



 だ、だが!それでも準備には時間をかけるからな!



 2日くらい!



「もちろん。流石に僕とてそれくらいのことはするつもりだった...ところでだ」



 よかった、それくらいはさせてくれるのか。



 ああ、そうそう。ところで...



「お前、誰だ?」

 君、誰?

ええ...

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