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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第五章 狂恋少女常守
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クリスマスプレゼント(C4)

この時期になると毎日忙しくなるんです。



続けることのほうが大事だと個人的に考えているので、極力休まずに短くなっても投稿しているんですけどね。

「あー、えっと?と、とりあえず理由を述べてもらっても?」



 流石に急にそんなこと言われてもね。



 そもそもあなたの素性知らないし。



「理由は単純で、マリアに助けてもらった恩を返したいからです!」



 恩かあ。それだとちょっとなあ。



「あれだろ?塔の中で助けたのと盗賊に捕まっているところを共に脱出した件」

「そうです。私、あれからずっとマリアにお返しをしたいなと思っていましたから」



 そんな胸に手を当ててしみじみとしてもらってもねえ。



 ...そういえば。



「そういえば、なんで君はそんなに背が高いんだ?僕と同じ6歳なんだろ?」



 疑問に思っていたというか色々考えなければいけないことがありすぎて無視していたというか。



 僕と<勇者>の身長は同じくらい、つまり小学生にも満たない男の子と女の子が魔獣と対峙しているわけなんだが。



 目の前にいる少女はそれこそ中学生くらいのサイズがある。まるで無理やり身長だけ伸ばしたみたいな...



「...気になりますか?」

「まあそりゃあね」

「じゃあ、私をパーティーメンバーにしてくれたら教えてあげます」



 そ、そこまでして僕と共に行動したいのか。



「はい!」



 ...困ったな。個人的にはむしろパーティに入れたくないんだが。



 僕はいずれ<魔王>になる、故に僕に味方するということは世界の敵になるということ。



 それを望んでするということは何かしらの理由がしっかりあるはず、だけど...



 おそらく、これは僕の失われたはずの記憶が言っているのだろう。彼女を味方にするべきではないと。



「...はい?」



 いや、というかそもそも今の僕のことを考えてもそうだろう。



 現状、僕に関わった人たちはどんどん死んでいっている。マナお姉様とエリカ先輩は僕が知っている限り死んでいないけど、短い期間の間親の代わりになってくれたマナお姉様のパパママ、僕のこの世界での母さんとその親友、そしてニャージーランドの女王。この人たちはすでに死んでいる。



 もちろんこの世界で死というものが身近にあることは重々承知の上だ、が僕に関わると死ぬのが早まる可能性がある以上僕にわざわざ関わってくる人たちをかかわらせたくない。



 周りで味方が死ぬのは、かなり辛いから。



「...そう、ですか」



 そういうと彼女は立ち上がって扉の方へ向かい始めた。



「帰るのか」

「マリアと一緒にいられないのならやることは一つだけですから...」






 ...一瞬、気のせいと思いたいが死んだような目をした彼女がいて。



 そのまま出ていってしまった。いやそもそもここは僕の拠点なんだけどね。



「よろしかったのですか?姿は好みのものだったのでしょう?」

「まあ確かにそうだけど...だからこそ仲間にしたくない、っていうのもあるかな。僕に関わったら死ぬ可能性高いし」



 そもそも<魔王>はこの世界の国教、いや世界教ともいうべきであるほど広く浸透している<聖神信仰教会>が敵だ。



 宗教は強い。国を巻き込んであらゆることが可能だしこの世界なら世界を巻き込んで1人を殺すことだって可能だろう。



 だから僕の味方になるというのはまず間違いなく死が待っているということなんだ。



「...ただ。なぜ彼女は死んだような目をしていたのか。それは気になるかな」

「ヤンデレとか。もしかするとマナさんを殺しに行くかも」

「ははは。流石にないでしょ」



 ============================================



「と、いうのがこの<クエスト>の流れだ。理解したか?」

「校長。理解できません」



 前言撤回。流石にヤンデレかどうかはちょっとわからないが少なくとも彼女は僕に対して何かヤバイものを持っている。



 現在いるのは<ギルド/パーティ会館>。その個室にて<クエスト>の説明を<通話>で校長から、そしてなぜか



「端的にいえば、私をシウズ王国まで傷一つなく安全に送ってください!」

「いやまずその前提から話してほしいのよ」



 リーシャもいるということだ。



「ではすでに3回目だがまずこの<クエスト>を発注する根底の理由から話すとしよう」

「まず、私はバルバトス・ストーリクの養子なんです」

「だからそこから理解できないのよ」



 というか頭が追いつかない。あまりにも突拍子もないことでしょ。何?急にくる追加設定?



「あの盗賊から逃げてきてシウズ王国に到着した後、私はそのまま拾われたんです」

「シウズ王国に孤児院はないからな。イマジに送ろうにも金はかかり、それを嫌がったものが何人も官僚にいたのだ。だから仕方なくな」



 おう、なんてドケチな奴ら...いや、そもそも国は自分たちで守りゃええのか。それくらい強いし。



「それに、この子を見てすぐに...」

「すぐに?」

「...いや、マリア・ヒルドなら共にいれば気づくだろうからな、言わなくてもいいだろう」



 あの。僕理由説明してほしいって言ったんですけど。



 言わなくてもいいだろうことなんてあるの?



「ただ<国立学園>の一般入学の申請はもう引き取った時点で終わっていてな。やるとするなら裏口入学くらいしかなかったのだ。しかし...」

「あー、流石に校長といえど裏口入学はまずいですよね」

「ああ。だからな、それがバレても問題が起こらないよう、リーシャを可能な限り強くした状態で裏口入学させることにしたのだ」

「うん。なんでそういう思考になるかな」



 脳筋すぎない?実力で黙らせるって、いやまあ確かにこの世界は実力主義で実力がないと生きていけないどころか普通に死ぬけどさ。



「それで、修行の旅に行かせたのだ。俺が組んだ特別なスケジュールでな」

「1年間にも及ぶその過密スケジュールも、1週間前に終わったんですけどね」



 もう、頭が理解を拒むのよ。あのレベルの<ダンジョン>に初心者を放り投げる校長が組んだ特別な過密スケジュールって、そもそも認識したくないものなんだけど?



 何言ってんのこいつら。



「こちらの方も裏口入学の枠は残してあったからな。すぐにシウズ王国に戻そうと考えたのが一つ目の理由だな」

「は、はあ...」



 枠を残すとは一体。そういうのが学校側であるのだろうか、いや知りたくないけどね。



「そしてもう一つの理由としてだ。マリア・ヒルド、そろそろお前にもこちらに帰ってもらおうと思ってな」

「..えっと確か、あともう少しで<ザ・コロシアム>が出場受付開始するんですよね。実際に開催まであと1ヶ月に迫っているのでしょ?」

「しかし<クエスト>をいくつかクリアしてこいと言っている以上、普通の手段で返すのは違う」

「だからってこれは無理やり過ぎると思いますけどね」

この章のストーリーは結構わかりやすいですね。裏で暗躍もあんましないですし。

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