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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第四章 猫又狂獣人叫
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エピローグだけど終わらない

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これも読んでくださる皆様のおかげです!本当にありがとうございます!



今後とも、「冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる」をよろしくお願いします!






......そんなタイミングて失礼します。少し嫌な気分になるかもしれません。

「やめる?ってどういう...」

「そのままの意味ですが?」



 え、てことはこの世界からいなくなるとか、そういうこと?


 じゃ、じゃあもうバーストには会えないの?



 ええ?(涙目)



「...言葉が足りませんでしたか。厳密にはあなたと一緒にいることを止めるだけであり、この世界にはいますよ」

「...ぐすっ。どういうこと?」

「そこまで泣くことでしょうか」



 そこまで泣くことだよ、ショゴス。特に僕にとってはね。



 だって、会えなくなるかもしれないんだよ!君たち神話生物はいいかもだけど、人間である僕にとっては会えただけでとても光栄なんだからね!めっちゃ嬉しかったんだよ!僕!



 なのに、会えなくなるなんて...



「いや、会えないとは言ってませんし、あなたには他にもやってもらうことがありますから、別に何度でも会えますよ。むしろ会いに行きます」

「...じゃあ、なんでいなくなるの?」



 本当になんで?



「そうですね。簡潔に言うのであれば、ニャージーランドの女王に就任することにしました」



 ...どういうこと?



「そのままの意味ですよ。あの国の女王が死んでしまった以上、誰かが女王にならなければなりません。が」



 僕に指を指してくるバースト。



「問いましょう、マリア。あなたは急に女王...分かりにくいのであれば首相でも天皇でも皇帝でも大統領でもいいですが、国のトップになれと言われてすぐになれますか?」



 少し考えてみる。例えば首相が急死して僕のところに首相になってくれと来たら...



 まあ無理か。そんなこと起こるはずもなければなれと言われてなれる人間もいない。



「あー、それがネコマタ全員、ってことなのね」

「困ったものですよ。それと、負けてしまった以上人間に手は出せませんから、そうではなくネコマタを全て守るために。という理由もありますが」

「ぜひそうしてください」



 死にかけるのはもう懲り懲りです。


 と思いつつ安心する僕。良かった、もう会えないのではなくいつでも会えるのであれば問題は大ありだ。



 だって、一緒に来てくれないからね。それだけでも悲しい。



「...あともうひとつ。これはあなたにも関係する重用な理由もあります」

「ふむ」



 そんな僕の感情など露知らず、急にきな臭くなって来るのがクトゥルフ神話。何があった?



(盗聴対策で念の為心で会話します。ショゴス、他言無用なのは理解していますね)

「はい」

(よろしい。では、ついてきなさい)



 そう言って歩き出すバースト。急いでついて行く僕。



 ============================================



 ドアを開け、その先に待っていたのは瓦礫の山。



 そしてたくさんの負傷者。



「......よし。これで大丈夫。完治までは再生を待つしかないので。それまでは安静に過ごしてくださいね」

「あ、ありがとうございました!ミ=ゴさん!」

「いえいえ。私は当たり前のことをしているまでです。それでは次の方どうぞ」



 おお、めっちゃ医者の顔をしている。いやミ=ゴには顔がないわけだけど、なんかこう、声がね、いい感じ。



 ここまで人間に優しいミ=ゴは見たことない。一般のなんも特別じゃない人を、このミ=ゴは治療しているのだ。



「ミ=ゴ、足りない治療薬はありますか?今なら取りに」

「では3番21番75番160番を3つずつ」

「...わかりました」



 ミ=ゴの元を離れ向かう先には瓦礫の山。



 いや、これ瓦礫の山を壁にしているだけか。中が部屋のようになっていて、色々物が置かれている。簡易倉庫と表現するのが適切だろうか。



 しかもかなり寒いな。冷温でなくては保存できないものとかもあるのだろう。



 この倉庫に入ってしばらくした後、バーストは急にしゃがみこんで、



「...こちらです」



 地下への扉を開け、そこにある階段を降りていく。






 段々と暑くなっていくこの階段を降りた先。



 階段を降りきって一番最初に目にしたのは、炎。



 燃え盛るそれは瓦礫の山の中で燃えており、まるでそれは...



「焼却炉、か」



 そしてその前には...なんというか、変なテディベアが居る。



 外見は正面と正面のツギハギで背中というものが存在せず、それぞれ白と黒という某クマみたいな、いやでもそれ以外は普通のテディベアと違う部分がないから結局違う存在か。



「お、きたきた」「久しぶりだな」

「ナグとイェブか。ここで何を?」



 と話しているそばからどんどん黒い袋を入れていく...まて、その袋見たことあるぞ。



 死体袋だなそれ。よく見ると床には大量の死体袋に包まれた死体と思われるものが沢山あるため、ここは死体焼却所だと考えられるね。



 だがなんで、というといはものすごく野暮な質問だろう。バーストの身の回りで死んでしまったネコマタは僕が知っている限りは1人だけだ。



「これです」



 死体袋の1つがバーストによって開かれる。



 その中には、死体があった。お腹に綺麗な穴が2つ、背中まで貫通している。



 ...もしも、普通のネコマタなら別に何も思わなかったろうが。



「女王ムギ。またこのような形でお会いすることになるとは」



 手を合わせておく。一応は知り合った者同士だ、これくらいはしておかないと罰当たりだろう。



「...それで?僕を連れてきた、ということは何かあるのでは?」

「ええ。私が行かない理由のひとつ、それは確実に私はまた発狂することになるからです」

「まじ?」

「大マジですよ」



 しっかりと中を確認させたいのか、お腹の部分がよく見えるように袋を開けてくる。






 気持ち悪い。それが最初の印象だった。



 綺麗な穴は見かけだけ。中はぐちゃぐちゃにかき混ぜられていて、そこから流れているのは、赤い液体と、白



「!?!?!?!?」



 吐く。思考が停止して何も考えられない。



 背中から伝わる憎悪が自分を染め上げる。そしてその憎悪が、これが現実なのだと錯覚する。



 それも想像以上に。自らの体で()()が、起こっている、全ての穴という穴が、その感覚が、音が、味わったことの無いはずなのに、



「!!!」



 その瞬間だった。その死体を左腕(ショゴス)が掴み、焼却炉の中に投げ入れた。



 ふっ、と幻覚の全てが消え失せ、後に残る虚無。



「バースト様。これ以上マスターを苦しめるのはおやめ下さい。もう...見ていられません」



 倒れ込んでしまうが意識ははっきりとしていて、ぐちゃりとした液体にぶつかる音と同時に問いてしまう。



「DNA...鑑定は...?」

「状況証拠だけで十分でしょうが...不特定多数およびマイゲスという<勇者>のものでした。ああ、よもやミ=ゴの検査結果を疑うわけではありませんよね?」



 これではっきりした。恐らくバーストは次マイゲスに出会った時マイゲスと本気の殺し合いをする。



 それは確かにまずい。最強の敵の照準から何とか逃げているのに、本気で狙う理由をつけるのは非常にまずい。



 それを理解して、バーストは温情で、僕の元から離れると言っているのだ。



「...2アウト」

「なんか言ったか?」「どういう意味だ?」

「僕が関わった人間のうち、マイゲスを悪だと断定できる証拠の数」



 ショゴスの力を借りて何とか立ち上がる。



「まだ2アウトだ。まだ殺すべきでは無い。だが、もしも2アウト満塁になるようであれば...」

「私の前でそれを言うということは、そこに躊躇は一切ないと断言しますね?」



 頷く。



 3アウトにはなにがあってもさせないし、させたら殺されることを願うほどの恐怖を与えてやる。



「...いいでしょう。なら、少しだけいいものをあげましょうか」

なんで、こんなタイミングでこんな話書くんですかね、自分は。



気分を悪くしてしまった方、本当に申し訳ございませんでした。

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