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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第四章 猫又狂獣人叫
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対バースト③ こたつ

描く時間が少なくなっているため少しだけ短めです。



ちょっと忙しすぎるんですねえ...

 狙うのは爪の付け根、あるいは肉体のどこか一点だ。



 とりあえず攻撃を振ってみる...もちろん肉体に当たるものはそのまま避けないか。



 なら手元を狙ったら?



「<即撃>」



 自分が持っている最も速い攻撃を繰り出す。が、外れる。



 体を捻って避けているな。しかもかなり大袈裟に。



 微調整すれば当たるとかそういうものではない。確実に当たる状況を作らなきゃ当たることはまずないだろうな。



 であれば。今度は肉体の一部に当て続ける...いや、やらなくてもわかるな。おそらくそれも避けてくるだろう。



 確かに空中にいた時に攻撃を当て続けることで一時的に割ることには成功した。だけど、その後の攻撃は通常の斬撃だったということもあるが全く刃が通らなかった。つまりよくよく考えてみるとやってみる価値が薄い。



 それに、その防御を破ることができるのはバーストもわかっているはず。万が一をなくすためにもこちらの攻撃はある程度受けつつ危ないものは避けてくるはずだ。



 ...そんな状況で隙を作る、か。かなり無理強いだが...やるしかないのも事実だろう。



「...せああ!」



 大振りの攻撃。もちろん相手は受けてきて、そのまま剣が弾かれる。



 そしてその攻撃の反動を利用して、さらに攻撃。もちろん弾かれる。



 ...この大きな隙に攻撃はしてこないか。腕を裂かれたのがよほどこたえたとみえる。もちろんこの隙をなんとかすることはできないから、今の俺はものすごく無防備なわけだが。ある意味、こなくて助かった。



「ちっ...」



 などと思いつつもバーストの攻撃をすぐに受け流す。まともに食らったらまずいことはすでに学習済みだ。



 受け流されたバーストは、そのまますぐに距離をとって来る。もちろんすぐに追いかける。



 この間にマイゲスに連絡を取るか。



「マイゲス!」

「なんだ!」

28と7(裏どりしてくれ)!」

「了解!58の9(南に視点誘導してくれ)!」

「わかった!」



 すぐに連続攻撃を開始する。もちろん爪を狙っていくが、その全ては回避される。



 あたりまえだ。爪に一度でも当たればまた壊せれるのかもしれないのだから。本当に彼女はそれが怖いのだろう。



「...よくもまあ、ペラペラと喋る頭ですね」

「勝手に覗き見をしているのはお前だろう。それに、ただ目を瞑ればいいだけの話だろ?」



 休むタイミングを入れずに攻撃を繰り返す。そのおかげでこっちのスタミナが削れていくが、その分バーストの注意は全てこっちにきている。



 ずっと爪を狙っているのだ、一回でも当たったらまずいことが起こる可能性を否定はできないだろう。



 だからバーストが心が読んでくるとしても、全くこっちの有利性が失われることはない。最初から不利なのは認めるが。



「今です!」

「おらあ!!」



 そんな時に、真後ろからの攻撃が来たらどうなるか。



 すでに俺の攻撃の回避に集中している以上マイゲスの攻撃の回避は困難を極める。防ぐとすれば爪だが、爪で防いだ場合またあのような状況になる可能性が高い。



 だから...そのまま受けてくる。



 音もなく、弾かれる剣。しかしマイゲスの攻撃は終わらない。



「まだまだあ!」



 首元、その一点に攻撃を集中させていく。それを受けるしかない状況であるバーストはなんとかマイゲスの攻撃を回避しようと体をひねる、が。



 カキン!



「うおおおお!!」

「っ!?」



 爪に当たったことを確認してさらに追撃していく。MPの出し惜しみはせず、何度も<派生>を使っていくことで隙を生み出さずまたバーストに他の攻撃に対する意識を割くことをさせないようにする。



 ...爪自体は脆いらしい。数回攻撃を当てたことでもうヒビが入ってしまった。



 おそらくだが生えたばかりの爪であることが脆い理由なのだろう。どこまで行っても生物、ということか。魔獣は生えたばかりの爪でもとても頑丈だしな。



「これで!終いだぜ!」



 そして、ついに首元の<結界>が破れた。



「はあ!」



 が防御をすて強い範囲攻撃を繰り出してきたためにそれを避けたことで追撃が困難に。どこまで行ってもバーストはバースト、攻撃力は高いままであり一番の優先事項はその攻撃に当たらないことだからな。



 とは言っても俺は<派生>でほぼMPを使い切った。<魔技>が当たるかわからない今、無理をして首元を狙うことは...



「じゃあ私が狙っちゃお」

「な、にゃあっ!?」



 バキ、という音が空間中に響く。これは首の骨が折れた音だろうと、流石にわかってしまう。



「っとと、そんなにがむしゃらに攻撃をしても当たらない、よ!!」

「■■■■■■■■■!?!?!?」



 理解できない音がさらに響く。おそらくその意味は涙を流した顔とその次のシュブ=ニグラスを暴力的に突き放す動きから察するに痛みと怒りだろう。



 無理もない。彼女の背中側の首元には現在穴が空いていて、そこから噴水のように赤い液体が吹き出しているのだ。



 穴から時折白い連結した何かが見えるので、おそらく背骨と内臓を無理やりかき混ぜたのだと思われる。



 ...味方、ではないがおよそ敵になるであろう存在はそういう攻撃をしてくるのか。



「あは!綺麗な噴水だね!」



 しかも顔に浮かぶ感情は満面の笑み。ここまで来ると俺ですら恐怖を感じ始めてくる。



 軽く、手が震える。それを血が滲むほどの握力で剣を握ることで抑え、追撃に走る。



 狙うは首元。血の噴水、その源。



「そこだ!!」



 避ける?いや避けることはできない。真後ろから俺は攻撃しているのだから微調整による命中も避けようと思うとある程度方向転換が必要となる。



 しかし、それをしたなら目の前にいるシュブ=ニグラスが何をして来るかわからない。だからこの攻撃は弾く他ない。



 が。俺の攻撃は突き。もしも爪で防ごうものなら...



 パキン!!



「にゃあ!?」



 こうなる。一点集中の攻撃なのだから、すでにボロボロになっていた爪は折れてしまう。



 となるとバーストはすぐに距離を離そうとして来る。がそこに待ち構えているのは...






「<完全射出>!」



 おそらく狙っていた場所に来ることを待っていたシートの矢だ。



 狙うは頭。ただ頭をひねれば避けられることは見てすぐに気がつくだろう。



 だから問題があるとするなら、



「[完全連携]」

「にゃ!?」



 そこにすでに攻撃があることだ。



 おそらくさらに内部から切り付けられたことによって異常なまでの痛みを感じたのだろう。



 がそんなことは関係ない。シートの矢はついに向かっていき...



 ...頭を、貫通した。穴から溢れ出て来るのは血と、叫び。



「ああああああああ!」

さて...そろそろ決着ですかね?

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