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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第四章 猫又狂獣人叫
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>狂気なる猫の守護者<

さて、実は勇者視点です。

「...よし、これで治ったはずだわ」



 そう言われて足を動かしてみる。確かに先ほどまであった違和感が全くない。



 鎧が削ぎ落とされているため素肌が地面に付いているのは予備の靴でカバーして...と。



 少し飛び跳ねてみたり剣を構えたりするが、うん。問題はなさそうだな。



「どう?」

「完璧だ。ありがとうメーノ」

「そう...それなら良かったわ」



 その瞬間、メーノは座り込んでしまった。



「大丈夫か?」

「うーん、できれば大丈夫だって言いたいけど...そうは言えない状況ね」

「それはそうだろう。バーストが与えた怪我を治したんだからね」



 そう言ってくるのはマリア・ヒルドだ。どうやら何か知っているみたいだな。



「さっき僕は言っただろ?バーストの爪は特別性なんだよ」

「俺はあいつの剣を喰らったのだが」

「人間の剣と獣の爪、違いは詳しく言える?どちらにせよ武器であることは変わりないだろう?」



 戦闘を見ながら答えるマリア・ヒルド。



 ...激しい戦闘だ。一瞬のうちに爪と爪が6度も交わっている。



「友達たくさん」「次元を超えて、来れ」



 それだけでなく、地面から人型の見たことない魔獣まで大量に押し寄せていく。



 見た目だけはブニブニしている、大人と同じくらいの大きさの魔獣。腐乱臭もさることながら、あいつとは比べ物にならないがそれでも凶悪であろう鉤爪を備えている。



 そんな魔獣が数十、いやすでに数百は出ているか。あまりにも多すぎるその量は明らかに人間が対応できるレベルではない。



「何度も何度も鬱陶しいですね。他に芸はないのですか?」



 しかしそんなもの、あいつにとってはただの空気に他ならないのだろう。攻撃するついでにおよそ5m圏内のそいつらが消し飛んでいた。



「うっわ、グールをあんな速度で潰せるのか。流石に<魔力>で強化はしているな」

「グール?あいつらは<グール>というのか?」

「ん?ああ、そうだよ。こっちでは<グール>と言えばいいのだけど、まあいわゆる食屍鬼、死体を貪る生命体さ」



 なかなかにキモい、だが獣が墓場などで死体を漁って食べるというのも起こり得ない話ではない。



 むしろ現実味はある話だ。<グール>というのは後のためにも覚えておかなくてはいけないな。



「...あの獣」

「バーストって何度も言っているじゃん。いい加減覚えたら?」

「俺たちには発音しにくいのだ。せめてもう少しわかりやすい名前が欲しいな」



 特に2音目と3音目のあたり。あまり聞き馴染みのないせいか、スではなくフになってしまうのだ。



 そんなことを考えながらあいつを凝視する。一振り一振りがとても正確で、しかも早いな。人間や魔獣相手のようにミスをしてきたことを考えて行動しなくてもいいのは助かるが、しかしその一振りの全てがあの剣での一撃に等しい。



 油断はならない...おっと、HP表示が...いや待て、あいつは別に<ダンジョンボス>というわけではないだろ。



 ...ただ、わかりやすい名前が出てくるかもしれない。一応見ておくか。



ーーーーーーーーーーーー



 >وصي القط مجنون<



 HP 22222/22222



ーーーーーーーーーーーー




 .........?



 なんというのだろう、あれ。波線と点の集合体にしか見えないのだが。



 というかそもそも文字なのだろうか。もしかするとただの記号なのではないか?



「おおう、アラビア語かい。なんで異世界にアラビア語があるんだよ」

「アラビア語?」

「前世の世界にあった言語の一つだよ。前世ではこっちみたいに言語統一がされてなかったからね...うーむわからん。死ぬ前なら余裕で読めたとおもうんだけどなあ」



 言語統一...意味合い的には俺たちが喋っている言語が全世界で統一されているということ、らしい。授業で習った。



 実感は湧かないが、基本的に転生者の前世である異世界は言語統一がなされておらず...と、今考えることではなかったか。



 とりあえずはあいつでいいとして、あいつを倒さなければいけないわけか。



「...見えました!開示します!」

「よし、やってくれ」



 ようやくカミラの<鑑定>内容が見れるのか。ここまで時間がかかったということは相応に対策されていたということだろう。



 確かに情報は命だ。あるかないかで大きく変わる部分でもあるからな。



 ーーーーーーーーーーーー

[名前] バースト

[性別] 女性 [年齢] ■■■■■

[借体] 家猫

[到達点] lv--/--

[状態]狂気


 HP 22222/22222 MP 220022/222222


 ーステータスーーーーーー


 筋力 22222222

 体力 22222222

 敏捷 222222222

 知性 2222222

 精神 22222

 魔力 22222222


 ースキルーーーーー


 呼び出されたもの Lv100(MAX)

 結界術 Lv100(MAX)

 狂気存在 lv--

 身体狂化 Lv100(MAX)

 猛爪 Lv1(MAX)


 ーーーーーーーーーーーー



 HP22222。これは先ほどのHP表示でも見た数値だ。ステータスも平均、あるいは他の魔獣と比べても異様に少ないのはいったいなぜなのだろうか....



 だが何より見たことのないスキルが多すぎるな。5つしか持っていないことも驚きだが、その全てが知らないスキルなのは流石におかしいだろう。



「スキル内容も開示しますね!」



 ーーーーーーーーーーーー


 呼び出されたもの 金


 あまりにも素の性能が高すぎて、この世界に適応しない召喚獣に付くスキル。

 悪いことは言わない。今すぐにその召喚獣との縁を切った方がいい。

 ちなみにこのスキルが付いた召喚獣は、最大Lvが召喚者と同じになる。


 ーーーーーーーーーーーー



 ーーーーーーーーーーーー


 結界術 銀


 異世界の結界魔法。少ない魔力で強力な結界を作れるようにさまざまな工夫が施されている。

 そのためこの世界ではバグる可能性がある。

 使用時には注意されたし。


 ーーーーーーーーーーーー



 ーーーーーーーーーーーー


 狂気存在 --

 狂気に染まりし者共にのみ付与されることがあるスキル。

 しかし十二分に注意しろ、本来この世界は狂気と関係を持つことがまず無い。このスキルがあるということはすなわち何かが狂い始めたことを指すのだから。


 ーーーーーーーーーーーー



 ーーーーーーーーーーーー


 身体狂化 青


 このスキルを所持している場合、あなたは現在マズイ状態に陥っている。すぐにその原因を特定、対処するべきだ。

 そして他の誰かが持っているのを確認したのなら、今すぐそこを離れるべきだ。何が起こっても、この世界では誰も助からない。

[身体強化]と同じスキルだが、強化倍率がまるで違う。そのため体に大きな負荷がかかる。

 なお習得方法は...この説明を見ているのだ、やろうと思えばすぐに取得できるだろう。

 ーーーーーーーーーーーー



 ーーーーーーーーーーーー


 猛爪 金


 荒く猛々しいこの野獣の爪は全てを切り刻む。そしてその傷は癒すのに高い能力が必要となるだろう。

 自身の肉体及び扱う近接武器のダメージが上昇、また傷口からは大きな出血が伴うことになる。

 さらに自身の身体によるダメージには補正が乗り、それによって与えた傷が銀以上の<治癒>でのみしか回復しなくなる。


 ーーーーーーーーーーーー



 ...異常、というのはこのことを指すのだろう。まさかこれ程強力な存在だとは。

書き足りなかったのでもう1話、24時に投稿しますね。

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