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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第四章 猫又狂獣人叫
152/402

<ダンジョン>攻略② 攻略開始

加筆修正で30分も



これは...次回も2話ですね...

「おお、帰ってきたか。私の子らよ、どうだったか?この迷宮はどのような世界だった?」



 集まってくる子蜘蛛に話しかけるアイホート様。



 すると



 "すごかった!"

 "やばかった!"

 "ひろかった!"

 "つよかった!"

 "こわかった!"

 "たのしかった!"



 などなどの感情が頭の中に入ってくる。無論それらの感情を処理できるようなハイスペックではない僕の脳はオーバーフロー状態となり、それは大きな頭痛へと変換された。



「いっ!?」

「!?」



 どうやらショゴスもそれは感じたらしく、左腕がドロドロと崩れ落ちていった。



 しかもこの頭痛、強い上に長い。



「く、ううう。す、少し休むから、バーストは安全確保をお願い...」

「はぁ...いいですよ。安心して寝ていなさい」

「ありが、とう」



 そうして僕は意識を投げ出した。というのが30分前。現在は普通にゴールまでの最短距離を進んでいる。



 で、どうも僕は身体的にアイホート様の子蜘蛛と同等の存在になったらしく、曰く、



「色々混ざってるせいで純粋ではないな。ただ同じ存在ではあるから、近くにいれば彼らと同じように感情の共有ができるというわけだ」

「まるで東京駅みたいだあ」


 ということらしい。アイホート線、イゴーロナク線、そして近くにいる他の神話生物の通過などなど。



 僕の脳内はターミナルか何かかよ。



「...あまり驚く様子はないのですね」

「ん?ああ、そういえばそうだな。なんでなんだろ、多分慣れたから?」



 3ヶ月で慣れるかはともかくとして、とにかく慣れているのは事実だ。



 それこそもう自分のありふれた日常と同じくらいに。



 ...いや、うん。おかしいよねえこれ。



 心読まれていることが日常な訳ないって。心を読んでくるのは強力な神レベルの神話生物なのだから。



 それが日常なのであれば、僕が前世では私生活レベルで神話生物と関わっていたことになる。それこそ、今の僕と同じように。



 ...流石にねえべ。



「まあ今考えることじゃないな。今はゴールに突き進むことを考えるべきだ」



 頭の中で脳内マップを展開する。そして現在位置などなどを確認。



 すでに探索開始から30分。かなり入り組んでおり、空間という空間を余すことなく使っているこの迷路はかなり迷いやすい構造になっている。



 例えば、そう。



「...またハリボテか。何度目だよこれで」

 "わかんない!"

「だろうねえ」

「少なくとも人間の持つ指では数えられないほどだな」



 触ることでしか確認が取れないほど精巧に作られたハリボテで正規ルートが幾重にも隠させれいたり。



 "そことらっぷ!"

「っ!?と、危ないなあ、全く」

「毒矢のトラップで助かりましたね。油断しきっていましたから、地雷なら死んでいましたよ」



 毒矢やら地雷やら火炎放射やら落とし穴やら吊り天井やらのトラップ。



「あ、あんたはまさか、ぐぼはぁ!」

「こいつも武器だけ回収しとくか」

「いただきます」



 人間が少なからず、いやかなり多くの配置。



 とまあこんな感じでめんどくさいものがとにかくたくさん配置されている。



 法則性は一切ない。ただ...



「まあこの程度じゃあ足止めにもならないね」

「強いですからね、我々」






「だが長い、長すぎる」



 あまりにも長すぎるその道のりと同時にそれらがくるのが最もタチが悪い。



 いちいち対応しなきゃいけないし、段々と飽きる。



「難しいじゃなくてめんどくさいなんだよね。もうね、くどい」



 それ一つ一つは全くもって問題ない。でもそれらをやるにはあまりにも長すぎる。



「しかも、確か迷路だけだったよね、この<ダンジョン>」

 "めいろだけだよー!"

 "おおきいおへやないよー!"

 "ごーるだけだよー!"

 "つまんないよー!"



 なぜ部屋を用意しない。なぜ宝箱を用意しない。なぜモンスターハウスを用意しない。



 まあこれらに関してはただただ単純に僕らの足止めあるいは殺害につながらないと考えたのだろう。



 むしろそれらがないせいでゴールに向かう以外の作業がいらなくなって楽になっているぞ。おい。



「はあ...ほんと、子蜘蛛たちが可愛くてよかったよ」

「ふっふっふ、可愛いだろう私の子らは!」

「可愛いよ子蜘蛛可愛いよ...もちろんバーストも可愛い」

「...そう」

 "かわいい!"

 "うれしい!"

 "やったー!"



 意外と愛嬌あるんだよね、子蜘蛛たち。



 知能と言動が幼児なみなおかげで子供に囲まれている、いや実際にそうなんだけどそういう感覚がとても強いし。



「む、マリアも知能低下させておけばよかったか?」

「多分捕食者が涎を垂らしていますよ」

「ヒエッ」



 あとちょこまかと動くところ。ミミズはそういうところが地中だから見られないけど、子蜘蛛は可愛い。たくさんがバラバラで可愛い。



「...私は」

「無論可愛い。あったかいし、姿形声言動どれをとっても可愛い。やはり猫は正義ですな」

「な...答えろとは言ってません!」



 あー、腕の中から出ていってしまった。悲しい。



 ...でも尻尾が立っているんだよなあ。



 尻尾が立っているのは嬉しいというサイン。つまり...



「...さっさとゴールに行きますよ」

「サー!イエッサー!」

某虫の世界のお話に出てくる、味方側の子蜘蛛を連想するのがいいかなと

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