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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第四章 猫又狂獣人叫
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はい、よーいスタート/勇者の幕間②〜「久苦の魔王」戦前〜

アルバイトが始まったからか、時間が全くない...



毎度毎度短くて、本当にすみません。

「この分かれ道は...」



 確か、右側が宝箱に通じるはずだ。そして左側が出口につながる道に繋がっている。



「宝箱の中身は気になるけど、気にしている時間がないな」



 迷わず左へ進む。すでにこの中に入ってから3時間、たった一人というのもあって消耗が激しいけど、だからとて止まるわけにはいかない。



 "適度に休憩を挟まないと、いつか道を逸れますよ"

「大丈夫だ。意識は保ってるし、そこらへんの魔獣に負けるわけが......あ」



 少し進むと、目の前に宝箱が見えてきた。



 ...右側に、進んだはずだよな?



 "確かに右側に進んでいましたが、出口につながる道は右ではなく左です"



 そう、だったか?マップは記憶したと思っていたから持ってきてない。確認はできないが...まあ、今回は俺が間違っていたんだろうな。



「なぜ言わなかった?俺は急いでいるんだが」

 "疲れているといえども、これは覚えているでしょう?ここの宝箱の周辺は..."

「魔獣が出てこない安全地帯、か」



 宝箱の前まで進み、開ける。



 中身は...水。



「これはありがたい。そろそろ水筒の中身がなくなっているはずだからな」

 "30分前にはすでになくなっていますよ。嘆いていたじゃないですか"

「そ、そうだったか。そうか...」



 だいぶ疲れてるな、俺。3時間も気を詰めていたのだからそりゃそうだが...



 そんなことを考えてしまうと、体が休みたくなったのだろう。今まで感じなかった疲れという疲れが体を襲い、倒れるように地面に座ってしまう。



「...休憩、するか」

 "当然です。そのために私はここへと誘導したのですから"



 そうだったか。なら、その優しさを受け取るとしよう。



 目を瞑る。この世界に安全な場所なんてどこにもないが、俺には聖剣がある。



 敵が来たのなら、伝えてくれるだろう。



 とは言っても意識は保っていなければいけない...



 ...ここに来た理由、今一度思い出すか。目的を忘れて行動を起こすのはあまりにも愚かなのだから。



 ============================================



 "<勇者>達、聞こえていますね"




「ああ、聞こえている」




「あんたから通話が来るなんて久しぶりだな。何ヶ月前だっけか?」




 "2ヶ月ほどでしょうに...なぜ私が通話をしてきたか。あなた達はわかっていますね?"




「わ、私とマイゲスさんが覚醒したこと、が関係しているんですよね?」




 "そう。その覚醒に合わせて<魔王>もまた覚醒しています。それも2人"




「な、ふ、2人同時に!?そんなことがあるんですか!?前に見た文献では...」




 "ええ、今までにはない事例です。ですが起こってしまったのですからそれに対応するしかないでしょう..."




「となると...二手に分かれて行動するとかですか?」




「それはダメね。今までの<魔王>との戦いで死んでしまった<勇者>のほとんどが、単独あるいは分裂したところを叩かれているから」




「そ、それに<魔王>の討伐の確実性を高めるためにも全員で、い、一緒に片方の<魔王>を倒すのが先決では!」




 "メーノとカミラ、両者の言う通りです。我々は油断をせず、確実に<魔王>を潰さなければならないのですから"




「ああ。だから、俺たちがすぐに向かって、すぐに倒し、すぐに次に向かうんだ」




「では先に倒す<魔王>は?おそらくは我々のいる神聖皇国イマジの街、メッキョから最も近い場所にいる<魔王>になるとは思いますが...」




 "そうですね。最も近くにいる<魔王>は.........."




「...どうかされましたか?」




 ".........いえ、なんでもありません。最も近くにいるのは...「探久の魔王」ですね"




「一体どのような...」






「探久...探求...探す...<ダンジョン>......[試練]のスキルを持っている、ということですか」

2部構成です。次回は今日の24時。

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