表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第一章 未狂理解不能
14/402

未来もまた大事

 この宝珠...形は普通のものだ。色は白でとても綺麗だし。


「...白......なるほど、やはりステータスの最高値になるのか...」


 なんか母さんが色々やばいこと言ってる。まるで研究者みたいだ。


「...ん、ああ、マリア。その宝玉を触ってみるといいことがあるわよ」


 そして唐突に接触を勧めてきた。まあ遅かれ早かれ触っていたけれども。


 とりあえず素直に触ってみる。すると、ステータスと同じようなものが音もなく出てきた。


 ...いや、何これ。


「出てきたわね。それはスキル選択画面と言って、書かれているいくつかのスキルの名前のうち、1つをタップすることでスキルを獲得できるわ」


 今度は唐突に、そして思いっきり『タップ』と言ってきた。本当にここは異世界で合ってるよね?


 ...まあいいや。分からないことも多いけど、今は目先のことをやろう。えーっと、いくつか書かれているうちの一つか...


 ーーーーーーーーーーーー


[魅了]

[鑑定]

[器用]

[応急処置]

[精神鑑定]

[<勇者>の因子]


 ーーーーーーーーーーーー


 6個もある......いや、厳密には4つだが。ただまあ、名前だけで能力が予想できるのはありがたい。


[魅了]は...まあいらないか。あんまり印象もよくないしね。

[器用]...一旦キープ。

[応急処置]...多分応急手当と似たようなものだよね、なら最有力候補かな。

[精神鑑定]は字面からして心理学みたいなものだろう。これも有力候補。

[鑑定][<勇者>の因子]に関しては選ぶ理由がない。


 というか、僕はもう[<魔王>の因子]を持っている。流石に<勇者>と<魔王>を兼任はしたくない。


 てことは[応急処置][精神鑑定]の2択か。[器用]は強そうじゃないしいいや。


 うーん。おそらくだけど、この世界って普通に敵がいる世界なんだよね。モンスターみたいな。


 そう考えると[応急処置]はとても大事なんだけど......[精神鑑定]も捨てがたい。


 僕の職業は召喚師(サモナー)(クトゥルフ神話)。自分自身が最強みたいな存在には、到底なれそうもない。一緒に鍛えるなんて、僕が召喚師にすると決める時に無意識で書いたクトゥルフ神話生物たちのトレーニングに耐えられるとは思えない。


 そうなると必然的にパーティみたいなものを組むことになるだろう。まあパーティがあるかどうかは知らないけど、もしあるのであれば自分が召喚したクトゥルフ神話生物たちを見て、発狂するかもしれない。


 いや、でも発狂したら心理学(物理)で......流石に迷惑行為だな。2度とパーティを組んでくれなくなるかもしれない。


 ...うーん迷う。母さんは...だめだ、ニコニコと笑って見守っている。助けはないと考えて良さそうだね、まあしゃべれないんだけど。


 あ、でももし[精神鑑定]が心理学に近いのであれば、[精神鑑定]を僕自身に対して使うことができない。その点、さすがに[応急処置]なら自分に対してだって使えそうだ。


 ならば[応急処置]かな...と僕はそのまま[応急処置]をタップした。すると板が消え、また宝珠も白くなくなって透明になっていた。


「選び終わったかな?なら<ステータス表示>をしてみるといいよ」


 しっかし母さんは気絶する前のハイテンションが嘘のように消えたなあ。冷静に僕に対して指示を行っているし、多分こっちが素なんだろうな。


 えっと、<メヌー・リング>よ来れ。んでもって<ステータス表示>。


 ーーーーーーーーーーーー

[名前] マリア

[性別] 女性 [年齢] 3

[職業] 召喚師(サモナー)(クトゥルフ神話)


 HP 10/10 MP 20/20


 ーステータスーーーーーー


 筋力 5

 体力 5

 敏捷 7

 知性 22

 精神 70

 魔力 7


 ースキルーーーーー


 言語理解 Lv5

 召喚 (クトゥルフ神話) LV1 (1)

 魔法の才 Lv3

 応急処置 Lv1


(<魔王>の因子 Lv100 (MAX))


 ーーーーーーーーーーーー


 そして増えているステータス。一体なぜ増えているのか検討がつかない。


 まあとりあえずスキルの方も増えているし、よかったよかった。


「ああ、やっぱりマリアは頭がいい!私が<ステータス表示>をしてみたらいいよと言っただけなのに、ちゃんと<メヌー・リング>を呼び出してから<ステータス表示>を行なっている!まあ私からは見えないから、あくまでも多分だけどね!」


 そして少しだけハイテンションになってきた母さん。嬉しくなるとハイテンションになるのかな?


「あら、もう夕方ね。今日は早めにご飯にして、そのあと少しだけ勉強の続きをしましょうか」


 と母さんは<メヌー・リング>を見ながらそう言った。どうやら時計機能もあるらしいが、確かに自分の手元にいつでも見ることができる時計があるのなら、わざわざ壁とかに時計を設置しなくてもいいね。


 しかし、早めのご飯か...母さんがご飯を作っている間は何をしようか。


「ああ、<ステータス表示>に出てきてるスキルは、名前を長押しすることで詳細を確認できるの。よかったら使ってみなさい」


 ...どうやら、待ち時間は暇ではないらしい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ