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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第四章 猫又狂獣人叫
135/402

攻略()

今日で、この小説を投稿してから1年が経過しました。



あまり物事が長続きしない人間なんですが、やはり自分は小説が好きなのでしょうね。



ですがまだ1年。今後とも精進していきますので、この小説共々、これからもよろしくお願いいたします。

 僕は、どこかにいた。




 見知らぬ、いや知っている。ここは、よくきたことのある場所。




 ...路地裏。あまり周りからよく思われていない自分がいるには都合の良い場所だ。




 ......




 ......




 ...雨が、降ってくる。




 そこまで強くはないが、だがこのままだと風邪をひくこと間違いなし。




 ...ちょうどいいか。もうあんなところ、痛くn




「あぐっ!?あ、ああああああああああああ!?」




 瞬間、頭痛がほとばしる。




 痛い。すごく痛い。缶を投げられるよりも、ペンが刺さるよりも、地面に叩きつけられるよりも...!




 そそうだ僕は何も考えていないそう何も考えていないんだだからごめんなさい何も考えませんだからどうか許してください...




 そして、頭痛がぴたりと止む。




 ...もう、何度も食らったのに、慣れないな。この頭痛。




「おい」



 体が跳ねる。一体いまの声は誰のものか。わかるような、わからないような...




「おい、大丈夫か?さっきすごく苦しそうに見えたんだが...」




 ...




 ...あ、ああ。




 君は...




 僕の...



 ============================================



 ガバリ、と起きる。



 周りを見ると、たくさんの木々が生い茂る森。



 ...<フィンナの森>か。どうやら、さっきのは夢みたいだ。



 ...なんでだろうか。少なくとも今見た夢は嫌ななものであるような気がするのに、なぜかもっと見たくなっている。



 最後にきた、人。姿まではわからなかったけど、あの人が原因だろうか...



 ...まあいいや。今はネコマタの方が先だ。



「ショゴス、確かぼくは仮眠を取っていたんだよね」

「はイ。およそ10分ホど」

「10分...」



 じゃあ攻略に支障は...いや出るはずもないか。



 現在、とりあえずマップ埋めをしつつ歩を進めているわけだけど。まあ、うん。



「ア、また<ウッズバード>が殺さレましたね。メェーちゃんガやったようです」

「まあ、そりゃこうなるというかなんというか」



 まず、クトーニアンおよびシュド=メルが魔獣を探す。いつも訓練しているようで、あの森の時以上に感知出来るらしい。



 本来は神話生物の感知能力でも問題なく感知出来るらしいけど、どうやらこの世界では強制的に弱体化しているらしくその力が使えないようだ。だからクトーニアン達が魔獣をさがしているわけだ。



 そして、戦闘ができる神話生物はというと。見つけられた、つまりはスポーンした瞬間に誰が先にそいつを殺せるか争っている。まるで遊びだが、そもそも僕と一緒にいてくれることも一種の遊びだろうし、まあこういうのもいいよね。



 ...次からは神話生物に出撃制限をかけるとしよう。あまりにもつまらなさすぎる。



「僕、ここまで歩いているだけなのだけど。<ダンジョン>の攻略ってさ、もっとこう、ワクワクして、ドキドキしながらするものじゃないの?」

「いわゆるチート能力みたいなものでスからね」

「そのチート能力を全く制御できていないのだけど」



 仮眠も含めて2時間。まだ僕はマップを半分も埋めていないのだけど、すでに僕ら以外の生物はゴールまで辿り着いている。



 あえて埋められたマップを見ないようにはしてるけどさあ...



「...朗報デす。50m圏内ニスポーンしました」

「おお、ようやく僕も魔獣と会うことができるのか」



 ここまで会っていなかったからね。



「みんな手を出さないでよ。こいつは僕が倒したい」



 なお。



「ん?あ、ごめんね?」

「......」



 呼びかけが遅いとか、そういうことになるとは思うわけもなく。



 そう、僕が手を出すなと言った頃には、すでに魔獣は死んでいた。



 悲惨な姿だ...骨と肉の違いはわからなくなっている。



「我々にあっタのが運の尽き、ということでシょうか」

「間違いないね。物理的にも、精神的にも」



 どちらの意味でも運の尽き。最悪、いや災厄である。



「さてショゴス、進むとしようか」

「そうデすね」



 歩みを再開する。今回の移動手段は歩きに限られているため疲れるのはしょうがない。



 疲れを知らない体ではあるのだけどね。



「うーん、それにしても宝箱とかはないんだね」



 マップを埋めながら進めているものの、そういったものは何一つ見つからない。



 なぜかはわからないけど、魔獣からも何一つもらえそうなものはない......これは殺し方が原因か。



「<ダンジョン>と言エば、というもノであるはずですが、なぜなのでしょうカ」

「うーん、どこかの校長がやっていたように、この<ダンジョン>も人工物だったり?」

「でモ、あの<ダンジョン>には宝箱が配置されイましたよ?」

「...あ、宝箱を配置するかどうか決められる、とか!」

「可能性はアりますね」



 でもそもそもこんな<ダンジョン>を生成した理由がわからんな。隠匿したいのであれば、そもそも入口を無くすとかそういう工夫もできるだろうし。



 まるで、この<ダンジョン>自体でくる人間を選別しているかのような...



「でもそうなると、なんで選別をするんだっていう話から始まるんだよねえ」

「本当ニ謎ですね...」



 そんな他愛のない話をしながら進むことさらに1時間。



「あ、遅かったね〜」

「違う、あなた方が早かったんです」



 大きい扉の前に、メェーちゃん達はいた。



「ボス部屋かな?」

(ですね。この奥に強い<魔力>を感じます)



 それじゃあとりあえず扉を少しだけ開いて様子見...






 ...猫のしっぽ、耳。



 褐色の肌に白い布で巻かれた推定Cカップのゲフンゲフン。



 短パン、そこにはナイフが2本と短弓が一張り。



 ...魔獣、というよりかはネコマタか。となるとボスとしてここにいるのだから相当な手練れ。



 なんたって、さっきから目が合っているからね。あえて視線を逸らしているのにさ。



 とりあえず大扉をそっ閉じして...



「よし、作戦はこうだ。まずドアを蹴破り、そして全員で殺さない程度に畳み掛ける。以上」

「それがいいでしょう。猫を傷つけたくはありませんが、それが猫を救う行為につながるのです。致し方ありませんね」



 それでいいんかバースト。だいぶガバガバじゃあないですか?



「それじゃあ蹴破るのは...ジャンケンかな」



 ============================================



「それでは蹴破りますよ。5、4...」



 クタニド様になった。しかも...



「2、1、スタート!」



 バゴォォォン!!



 まさかのヤクザキックである。無論扉は原型をとどめないほどグチャグチャになって吹っ飛んだ。



 壊れないだけ頑丈なんだなあ。



 で。



 もはや効果音とかもならない一瞬で片付いた。



 ドアが吹っ飛んでいったのを目で追って、その後見た頃にはネコマタはボコボコにされていた。



「...」



 ギャグ漫画でよくある、頬が拳で広がって所々あざができていて、ピクピクとしている。そんな感じ。



 マジで一瞬だったな...



「クタニド」

「わかっていますよ」



 すると、今ボコボコにされたネコマタの傷が一瞬で癒えた。



 外見上は全く傷がなく、全くもって問題ない状況だ。



「ギニャー!?」



 ただし、おそらく肉体の内部の傷までも治したのだろう。ミ=ゴがここにいたなら、麻酔をその前に打っていたはず。



 つまるところ、無理やり直したが故に痛みが生じた。



「メェー!(生き返った!)」

「一番最初に殴り倒したのはあなたですけどね、メェーちゃん」



 あ、そうだったんだ。容赦ないなあ。



「はあはあっはあはあ...こ、ここは一体誰にゃ...私は一体何処にゃ...」



 おっと、変なことを言っているな。相当いまの痛みが痛かったのだろう。



 ...少しふざけるか。



「ここは天国。そうあなたは天の使いにゴファ!?」



 めっちゃ痛い猫パンチ。頬を思いっきり殴られたのに10mは吹っ飛んだ。



 ありがとうございます!!



「はあ...怪我はありませんか?」

「にゃ?た、多分にゃいと思うけど...」

「なら良いのです。怪我をしたらいつでも私に言うように」

「は、はい。ありがとうございますにゃ?」



 どうやらネコマタ側も困惑しているらしい。



「そりゃそうだよね...扉が蹴破られたかと思ったら、いつの間にか立てなくなるくらいまでボコボコにされたんだもん」

「にゃにゃ!?そ、そうだったにゃ!」



 即座に立ち上がり臨戦ポーズをとるネコマタ。



「わ、私がこの門の番人、タマだにゃ!この奥の門を通りたければ、私を倒してからいくにゃ〜!」



<魔力>の波が僕を襲う。かなり強いけど、ただの威圧みたいなものだな



 というか、結果的にボコボコにして正解だったわけだ。よかったよかった。



「ふむ、良い口上ですね。もう少し威圧感のあるものの方が門番としては適切ですが、まああなたには似合わないでしょうから、無理はしない方がいいでしょう」



 そしてすっごい冷静に感想を言っているバースト。もう味方だと思っているのかな。



 で、膝から崩れ落ちるネコマタ...タマさん。



「む、無理にゃ...とっても恥ずかしいし、何よりもう私は目の前の人たちにボコボコにされているのにゃ...」



 あ、羞恥心で倒れたのか。なるほど。



 確かにすでに自分を倒した生物にそれを言うのは嫌ですな。



「大丈夫ですよ、タマ」

「はにゃ?」

「確かにあなたからしてみれば恥ずかしいことかもしれませんが、私からしてみれば立派なことでしたよ。あなたはまだ30も生きていない若い猫なのですから、これからもっと成長することができる。あなたは、その成長の第一歩を踏み出す勇気を持っている、素晴らしい猫なのです」



 タマさんに話しかけるバースト。僕と話す時とは大違いなのを見る限り、やはり猫に対しては優しいようだ。



 しかも、褒めて伸ばすタイプ。この生物が教師だったらなあ、校長じゃなければなあ。



「お、おお...なぜだかよくわからにゃいけど、すっごくありがたいにゃ!猫さん、ありがとうだにゃ!」

「あら、しっかりと感謝の言葉も言えるのですね。これは何か私からもあげなくては...」

「え、だ、大丈夫にゃ!私がもらう権利なんてないのにゃ!」



 と言いつつも尻尾がピンと張っている。プレゼントが嬉しいんだろうな...



 ...ん?何かあげる?神話生物が?マジで?



 ショゴス、耐衝撃準備だ。何がくるかわからんぞ



「そうだ!私の攻撃を可能な限り受けてもらうことにしましょう!そこから技を盗むのもよし、耐久力を上げようとするのもよしです!」

「......え?」



 すっっっごい落胆の声。



「では行きますよ!」

「ま、待つのにゃ、心の準備が...ギニャー!」



 と同時に叫び声。さすが神話生物、人間からしてみれが頭のネジが3割ほど錆び付いているわ。



 そう、だからこそ彼女は今善意で目の前のネコマタをボコボコにしている。タマさんにとっては爆弾をプレゼントされたような気分だろうが、バーストからしてみれば最高級の指輪をプレゼントしているのと同義だ。



 ...いいなあ。



「それなら私の拳を受けますか?死にますけど」

「死ぬので遠慮しておきます」

え?本当に猫が好きならそんなことはしない?



でもですよ。確かにバーストの技は最高級の一品ですし、この死にやすい世界では耐久力、[再生]やHPはとても重要なのです。ということは、これらが高ければ高いほど今後死ににくくなるということ



だからバーストからしてみれば理にかなっているんです...バーストからしてみればね。

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