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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第三章 勇魔大会狂殺
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処理④ 追跡

さあさあ、追っていきましょう

(そこの路地を右、あいえ左です)

「また時が止まったのか...すごい頻度だな」



 奴を追い始めてから10分しか経ってないのに、既に24回もの時間停止が発生している。



 一体どんなことをすればこんな頻度で時を止められるのだろうか。



「周囲ニ敵対者なし。今の所はなんとも思わレていないみたいです」

「わかった。引き続き警戒を頼む」

「了解デす、マスター」



 心なしか嬉しそうな声でショゴスが答える。仕えさせることを目的として生まれた奉仕種族だから、こうやってやることが生まれるのが嬉しいのだろう。



 まあそもそもあの時は<勇者>とミ=ゴを守るっていうことを命令していた訳で。そういう命令だってしっかり遂行してたのだ、ショゴスも人間目線で見たら有能である。



「そうイえばマスター」

「ん?なんだショゴス」

「ステータスは確認しましたカ?イゴーロナク様でモあるマスターの体は、おおよソかなり変化していると思われるのですが」



 ......そういえば、そうだろうなあ。



 本当に僕の体にはいろいろなものが混ざっている。最後に自分のステータスを確認した瞬間、つまりシュド=メルとクトーニアンを呼び出した時から数日も経っていないのになぜか混ざってきた。



「イゴーロナク、いやカミラだけじゃない。よくよく考えてみたら、自らの眷属として僕を復活させてくれたクタニド様が僕に何か行っていないわけがないし...」

「マスターの左腕に意識を移したのでこうしてしゃべっていますが、マスターの左腕は半分ほど(ショゴス)になってますね」



 確認しなきゃ、ダメだろうなあ。自分のことを最も理解しなければいけないのは自分自身であり、それができないのならこの世界じゃ生きていけない。



 ましてや、今こうして追っている殺人鬼を殺すことは不可能だろう。



「はあ...ま、僕にとっては嬉しいことでしかないか...いやちょっと待て」



 おかしいな。いやおかしいのか?



 そもそも僕にとって神話生物の因子による改造はとても喜ばしいことだ。



 はっきり言って嬉しい。僕という一個人を見てくれているわけだし、何よりそんな機会は普通なら訪れないようなことなのだから。



 だが...じゃあ、なぜ、僕はため息をついた?嬉しいのであれば、僕の場合めちゃくちゃ喜ぶだろうに...



 ...まあいいや。今考えてても仕方のないことだし、その答えが今得られるとは到底思えない。



 とりあえずさっさとステータスを確認してから、色々考えるか。



 ーーーーーーーーーーーー

[名前] マリア

[性別] 女性 [年齢] 6

[種族] ■■■■■■/■■■■■/■■■■■■■■■

[職業] 召喚師(サモナー)(クトゥルフ神話)

[パーティ] <ギルドズパーティ>

<クエスト>:殺人鬼の捕獲 受注中

[ギルド] <未来団>

[到達点] Lv30


 HP 2051/2051 MP 1337/1337


 ーステータスーーーーーー


 筋力 226

 体力 226

 敏捷 157

 知性 103

 精神 2495

 魔力 764


 ースキルーーーーー


 言語 Lv50

 召喚魔術 LV80 (2)

 応急処置 Lv65

 再生 Lv90 (ON/OFF可能)

 耐性 Lv100 (MAX)(ON/OFF可能)

 結界術 Lv10

 イゴーロナク Lv■■■■■■

 眷属(クタニド) Lv1(MAX)

 心身強化 Lv1


(<魔王>の芽[1段階] Lv100 (MAX))


 ーーーーーーーーーーーー



 おう、めっちゃ進化してる。



 とりあえず言及するべきは、種族だな。この書き方だと同時に3つの種族であるように見えるのだけど...



 いや、多分そういうことだな。おそらくだけど、メェーちゃんの乳を飲んで得た種族とのとクタニド様に復活してもらった時に得た種族、それとイゴーロナクになったことにより得た種族。ってところか。



 OK、それはいい。いつも通りってわけじゃないけど、まあ特に問題はなさそうだし。



 ステータスも...結構変わったか。精神がやっぱり増えているのはいいとして、他のステータスもかなり増えている。



 HPとか、ほぼ2倍なんじゃないかな。うん。



 でも、この程度は見慣れてる。問題はない。ああ問題はないだろう。



 そう。問題となるのはスキル。



 流石に増えすぎじゃね?って思いたいけど、よく見てみると新しいスキルが3つと[<魔王>の種]が変化しているくらいだ。



 まあそれだけでも十二分に問題なのだけど。一つひとつ確認していくかあ。



 ーーーーーーーーーーーー


 イゴーロナク ■■


 グレート・オールド・ワンの一種であるイゴーロナクになった場合に得られるスキル。まだまだ情報不足のため、<色別階級>は■■とする。

 なぜイゴーロナクという存在がこの星にいるのかは不明だが、このスキルを得た以上、あなたの未来には破滅が待っていることが確定してしまったと言っていいだろう。


 ーーーーーーーーーーーー



 あ、イス語じゃない。せっかくショゴスに翻訳させようと思っていたのに。



 ただ...クトゥルフ神話が関わっているのに、なんかヤバそうなことが書かれていないのにはびっくりした。



 というか、よく考えてみたらイゴーロナクであるのに弱体化系のスキルが全くついていないな。



 ...もしかしてだけど、イゴーロナクは弱体化を受けないのかも。感染し、洗脳されたものがイゴーロナクになるわけだからね。



 と、こんなところか。このスキルを取得したところで、できるのはイゴーロナク専用の回線で他のイゴーロナクと会話ができるくらいのもの。



 ステータスも若干上がっているのだろうけど...まあいいか。次行こう。



 ーーーーーーーーーーーー


 眷属(クタニド) 白金


 旧神の中でも1、2を争う実力者であるクタニドの眷属であることを証明するスキル。

 つまるところ、クタニドとの一生涯のコネができたとも言えるが、それすなわち一生涯の管理を約束されたとも言える。

 が、その管理は人間にとって幸福であり、絶望でもあるだろう。

 さて、君には一体どういうふうに映るだろうか。


 ーーーーーーーーーーーー


 これは...[イゴーロナク]とあんまり変わらないな。



 クタニド様の眷属である証、といったところだろう。記念スキルとでも呼称するか。



 ただ、この記念スキル群は確かに僕のステータスにほとんど影響を与えないし、何かしら特殊なことができるようになる訳でもない。[イゴーロナク]も、確かにイゴーロナクになったおかげで専用回線に入ることができるけど、それはその種族としてできること。スキルは全く関係ない。



 じゃあこのスキルはいらないのかと問われると、いる。なぜなら、このスキルが神話生物との関係を築けた証となるから。



 これを持っていなければ、神話生物とは仲良くなっただけ、とも言えるのかもしれないな。



 ーーーーーーーーーーーー


 心身強化 青


 HPやMPに対するダメージを減少させる。ダメージカットとも言える。

 特に強敵と戦うようになるとその効果が発揮され、本来のダメージを大幅に軽減してくれるようになる必須スキル。

 戦うようになってからすぐに習得するべきではないが、後々絶対に習得することにはなるほど強力のため、取っておいて損は絶対にない。

 このスキルの他に[耐性]と[再生]を持ってようやくスタートラインと言えるだろう。


 ーーーーーーーーーーーー



 そして、これが噂の[心身強化]か。



 思った通り、実際のダメージを軽減するものか。全然痛くない攻撃からめちゃくちゃダメージを受けHPが0に...なんてことが起こらなくなるのだろう。



 まあ、それでも死ぬんだろうけども。これらのスキルを習得してからがスタートラインらしいし、あとは個人の努力次第なのだろう。



 さて...で、今回の一番の変化は...



 ーーーーーーーーーーーー


<魔王>の芽[1段階]


 種に水と栄養、そしてもう一つの大事な要素が加わり、遂には芽吹いてしまった。

[思考加速]が意識的に使えるようになり、また使い続けていればスキルとしても獲得できるようになる。

 また、ステータスの伸び幅の上昇、スキルLvの上昇、一部スキルの派生進化権などを得られる。

 そしていつものごとく、このスキルは高レベルの[鑑定]あるいは<鑑定石>でない限り、他人には開示されない。


 ーーーーーーーーーーーー



 芽吹いてしまった、か。



 なんかあれだな、不本意って感じがする。あまり<魔王>にさせたくないような、そんな思いが語られている。



 あ、[思考加速]が任意で使えるようになるのはいいね。今までは死の間際じゃないと使えなかったし。



 でも、そうなるとスキルとして獲得できるようになる意味は...ああ、この一部スキルの派生進化ってやつか。



 派生進化。そういえばミ=ゴの持っている[外科手術]と[異端科学]も派生的なことを書いていたな。派生進化っていうのは想像通りのものっていう考え方で良さそうだ。



 まあ、総じて僕という存在は進化したみたいだ。種がついに芽吹いたのだし、それ以上にたくさんの重要スキルだって得られた。



 カミラとクタニド様も仲間に引き入れられたし、順調に僕は強くなっていると言っていいだろう!



「デも、多分まだマスターは私にも勝てませンよね。マスター自身の強化ハさほどですが、マスターの<召喚獣>が私含メて異常なので」

「うぐ...って、ショゴス。お前一体いつから心を読めるように」

「私こそが最もマスターニ忠誠を誓っていると証明したかったので。左腕になっテから数日、マスターの心を読む訓練をしてオりました。結果、マスターの心であれば読めるようになッたのです」

「ああ、もう僕の周りの生物のほとんどは心を読んでくるな...神話生物だし当たり前か」

ショゴスもみるみる進化していきます。伸び代はあらゆる神話生物の中でも随一ですからね。

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