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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第三章 勇魔大会狂殺
119/402

処理の前段階

目の前のことしかしない主人公です

 ============================================



「ええと、つまり、精神汚染が即完了したのはいいものの、あまりにも速すぎたせいで元の精神の消去が追いつかずそのまま新生。結果精神が融合した形になった、というわけですね?」

「厳密にはイゴーロナク様の記憶を完全に持ったカミラ(<勇者>)という結果です!」



 うわあ...



「これはなかなか面白いことになりましたね」

「いやあ、私としましても本当になぜこんなことになったのかわからないのですが、まあよしとしましょう!」

「全然良くないんだよなあ...」



 いや、ね?別にイゴーロナク様がきたのはいいのよ。



 なんか特殊な能力を持っているわけでもないし、カミラに見せるにはとっておきの存在だよ。



「カミラ、で結構です!<魔王>様!」



 あそう。じゃあカミラって呼ぶけども。



 でまあ、この本、所謂<グラーキの黙示録>と呼ばれる本としてイゴーロナク(カミラ)は出てきた。これも問題はない、一般人を誘拐するのはあれだけど、僕の体に宿らせるとかそういうことすればいいわけだしね。



 ただ...



「なんでよりによって<勇者>に成り代わっちゃうかなあ...」



 どうすんの、これ。ソルスにバレたりしたら大惨事だぞ。



「......とりあえず。我は寝ている彼らの元に睡眠を促す香を焚いてくるとしよう」

「とびっきりの強いやつね」

「わかっている。手術で使う麻酔成分が含まれているものを使うから。少なくとも1日はぐっすりだろう」



 そう言いつつ頭部を鎌で抑えながら部屋を出るミ=ゴ。



 技術部門担当で頭が良く、故に悩ましいのだろう。しかも自分の患者がなったわけだしね。



 医者としてのミ=ゴ視点でも悩みの種となること間違い無いだろう。



 ...僕としても、はっきり言って頭痛が痛い。



 悩みの種を一つずつ潰していくしかない、それが一番の近道だというのがとにかく憎い。



「あー、まず聞くけども、カミラは<勇者>側?<魔王>側?」

「数刻ほど前は<勇者>として<魔王>の内情を調べていたのですが、今となってはどうでもいいです!なので、私は<魔王>側ですね!」

「めっちゃニコニコの笑顔で言うじゃん...」



 むしろ怖くなってくるというか、ワクワクしてきたというか。少なくとも背筋に何かしらがゾワゾワと這ってきたのがわかる。



「裏切らないという確証は?」



 バーストがカミラに問う。まあ確かにそれはそうだろう。



 基本的に呼び出されると威厳を持って接するのがイゴーロナクだと僕は記憶しているが、今目の前にカミラは違う。



 どう見てもカミラが主導権を握って、イゴーロナクという存在が薄くなっている。どう足掻こうと<勇者>の1人が神話生物に乗っ取られたことに変わりはないけど、イゴーロナクが薄い以上疑いをかけられてもしょうがないだろう。



「そうですね...あ、ならグラーキのいる湖に今度案内しましょうか。最も私は<勇者>なので行けませんが」

「あ、この世界にもあるのね。ならそれで」



 イゴーロナクだけでなくグラーキにまで会えるのは嬉しいな。



 神話生物のいない世界でも会える確率がある神話生物の中でもかなり確率が高い存在だからね、この世界にもあるだろうとは考えていたけど、実際に会えるのであればそれを信用材料に使われても構わない。



「...もう少し疑うことを考えては?相手は神話生物、それも旧支配者なのですよ?」



 いやいや、何を言っておられるのですか、クタニド様。



 そもそも信用しないと自分が死ぬので信用するんです。ほら、今にも中央にある本を僕に対して投げつけそうなんですよ?



 なんだかんだいって凶暴性は残ってますし、やっぱり彼女はイゴーロナクであっているのです。



「まあ...それならいいですけど」



 よし、言いくるめ成功。



「ところで、カミラは<勇者>を続けるの?」

「はい!私はまだ覚醒していないので、できる限り<勇者>であり続けながら情報を漏らそうかと!」



 情報漏洩、か。<勇者>のスパイ活動は中々にでかいな。



 もしかしなくても<勇者>のみしか知らない情報は確実にあるだろうしね。



「でも、どうやって?」

「信者を増やそうと思っています!残念なことに<グラーキの黙示録>を読ませなければせんn...ゴホン、布教することはできませんが、私は買い物などの雑用を任されることが多いので、そのタイミングで一般の方に読ませようと思っています!あ、それよりも誰かにこれを読ませてイゴーロナク様をまた作り出し、その人に任せた方が安全性は高いでしょうか!」



 あー、まあそこはカミラに任せるよ。



 あとは...



「そうだな、なんで僕の味方を?」



 気になることを聞いておく。イゴーロナクは神話生物だから別として、カミラ個人は僕の味方をする理由はないはずだ。



「あはは、それにはちょっと深いわけがありまして...詳しく話すと長くなるのですが、私の親は元々<魔王>を信奉していたんですよ。それに習って私も<魔王>を信奉してました」

「ほう」

「ただ親は<勇者>側の人たちに殺されて...しかも私は<勇者>として覚醒、もはや後に引けず<勇者>を頑張っていたんですが.........」



 これは....暗い過去になりそうな予感。



 あれだな、小説なら幕間の物語的な感じで描かれるやつだね。



「でも、こうして<魔王>の元で働くことができる正当な理由ができたのなら話は別です!今までとほとんど大差ない生活は送りますが、その行動の全てが<魔王>様に還元されるので!元気だって出てくるというやつです!」

「そ、そうか。それはよかったな」



 ムスン、として威張ってる彼女尻目に、とりあえずメェーちゃんに話しかける。



「まあ、とりあえず大丈夫そうかな?」

「大丈夫〜!」



 よし、メェーちゃんがそう言うのであれば大丈夫だろう。



「あ、そういえば見せてもらうの忘れてた。ステータスを見せてもらうことは可能?」

「いいですよ!」



 そういって<メヌー・リング>を出すカミラ。



「この世界にはそんなものまであるのですか」

「一応クタニド様のステータスも見たいので、バーストに教わってください」

「...だ、そうですので私が教えて差し上げましょう」

「なんですか、その態度」

「私先輩、貴方後輩」

「はいはい」



 うむ、仲睦まじいですな。



 で、だ。



「それでは本邦初公開、<勇者>のステータスをご確認ください!」



 ーーーーーーーーーーーー

[名前] カミラ・イゴーロナク

[性別] 女性 [年齢] 6/■■■■■■

[種族] 人間/■■■■■■

[職業] 鑑定士(アプレイザー)

[パーティ] <勇者ズ>

[到達点] Lv182


 HP 1659/1659 MP 0/0


 ーステータスーーーーーー


 筋力 74

 体力 471

 敏捷 318

 知性 950

 精神 16

 魔力 0


 ースキルーーーーー


 言語 Lv50

 応急処置 Lv94

 鑑定 Lv100(MAX)

 魔力抗体 Lv1(MAX)

 対呪術 Lv100(MAX)

 イゴーロナク Lv■■■■■■



(<勇者>の種[発芽前] Lv100 (MAX))


 ーーーーーーーーーーーー



 ふむ...ふむ?



 見たことないスキルがいっぱいあるぞ。

次回、幕間。

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