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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第三章 勇魔大会狂殺
114/402

結構すんなりと死ぬ主人公

いつかみんな死ぬ

 ......



 ......なるほど、なるほど?



 いやあ、ま、まあ思い出したからにはそうなんだろう。



 うん。僕は...死んだのか。



 "死にました"



 oh...そこは否定とかしてくれ。



 "否定も何も、あなたは死んだという事実に変わりはないでしょう"



 そうだけどさ...



 ま、いいか。少なくとも僕は今ここにいるわけだし。



 ...理由無くして、神話生物がこういう場所に呼び出すことはないし。



 いや、あるな。普通にある。どっかの誰かだけでなく、意外と他の奴らもやりそうだ。



 "そうですね、私はあいつらと違って理由無しで拉致ったりはしませんが"



 うん、となると僕の心に響いてくる声の主はやはり神話生物な訳で。



 ふーむ、目的はなんだろうか。僕はすでに死んだ身だし、情報を喋らせる的な。



 いやあ、でもニャルラトホテップが当たり前のようにあの場にいる以上あの世界に自分から行って情報収集できるし、僕から何か聞き出すとかは流石にないよなあ。



 "...ところで、イスの偉大なる種族達が言っていた言葉は覚えていますか?"



 ん?イスの偉大なる種族...あ、サオさんか。



 え、でもなんか言ってたっけな...



 ...言ってたっけか?記憶の限りだと、僕がサオさんと会話したのは、夢の中で1回とメッキョで1回と扉の先の空間で数回。



 その中に...なんか重要なことは言われてないような。夢の中ではお目付役とか言ってたけど、むしろ見張ってくれて感謝してるし。



 一応一字一句そのままにサオさんが言っていたことは言えるけど、少なくともはっきりと僕に対して言っていたのは夢の中くらいだし。



 "ふむ、ならば030-19は職務怠慢ですね。懲戒処分はめんどくさいので、マリアに彼への命令権限を譲渡しておくことにしましょう"



 お、それはありがたい。



 精神交換とか精神交換とか精神交換とか、やりたいことはたくさんあった。ってそうじゃない。



 今、僕は死んで深淵の空間に引き摺り込まれている状態なのですが。



 死者蘇生でもしない限り使えませんよね、その権限。宝の持ち腐れじゃないですかあ。



 あれですか、死者への手向けですか。それとも冥土の土産ですか。でもどっちもおんなじようなものだな。



 "意外と鈍感なのですね。ここまできたら、私があなたに対して行いたいことくらいは理解できるでしょうに"



 いやいや、別にあなたがたからしたら僕なんてちっぽけな存在ですし、死んだ僕に対して行っていいことなんて何一つないですよ。



 "では、あなたに行ったことが全てメリットになりうる。と、したらどうですか?"



 その場合は......まあ、例えば配下にするとか。



 で、その上で蘇生する。そうすればあら不思議、自らの駒に幾つかの爆弾(神話生物)を抱える<魔王>が加わるわけだ。



 そうすればまあ、旧神だろうが外神だろうが旧支配者だろうが少なくとも強力な手札が加わったことになる。僕はほぼほぼ全ての神話生物を召喚するつもりだから...



 ...いや、これはメリットじゃないな。全ての神話生物を召喚する、これはもちろん敵対している奴ら含めてということ。



 だから手駒にしたとしても、特にメリットはない。むしろ僕が近くにいる分だけ敵も近くにいることになる。



 そうなると、これはメリットにならないだろうからあり得ないな。わざと近くに来させて殺すっていうのも、おそらく相当な損害を被ることになるのでデメリットがさらに大きくなってしまう。



 となると...なんだ?



 "わからないのでしたら端的に説明致しましょう......私は、あなたを蘇生するためにこの場に呼び寄せたのです"



 あ、蘇生でいいんだ。特に僕を蘇生するメリットなんてないのに蘇生を...



 え、蘇生?






 "はい、蘇生です"



 マジか...殺人鬼に殺された後何事もなかったかのように生き返るのか...



 "ですが、条件があります"



 お、声に優しさがなくなった。



 条件と言っているけど、一体どんなものなのやら。



 "単純です。私が生き返らせる都合上、あなたは事実上私の眷属に"



 喜んでむしろ眷属にしてくださいお願いしますなんでもします。



 "聞いていた通りの反応ですね。私が...例えばアイ"



 アイホート様の眷属になっていつか死ぬことが確約されたとしてもそれはすなわちアイホート様のために死ぬことでありそれは僕にとってはメリット且つ一生の終わりとしてかなり幸福なものです。



 "そうですか。ですが、あなたは私のことを知りません。それでも?"



 まあほとんど検討はついているので大丈夫ですそもそもちっぽけな存在である人間をわざわざ生き返そうとする神話生物はナイルラトホテップ以外だと旧神くらいしかいなくてそこから女性に分類されるのであればかなり的は絞れますから。



 で(冷静)、的を絞って考えた結果、むしろ眷属になって不利益が僕にかかってくることはほとんどないかなあと。



 "ちなみに、私のことを誰だと思っているんですか?"



 女性の声を聞いた時点でかなり優しさを持っていたので2択。さっきも言った通り、基本的に人間に味方する神話生物は旧神に集中してますし、蘇生ともなるとなおさら。



 ただ、眷属にするということと蘇生できる力を持つことでほぼほぼ分かった感じですね。もう片方の方は、どちらかというとサイボーグにすることで新たな生物へと昇華してきそうなので。



 "...まあ、確かに。彼女ならあなたをサイボーグ?にすることなんて造作もないでしょう"



 あ、マジでできるんだ。これは召喚した時にミ=ゴとイスの偉大なる種族とヌトス様の技術を結集させて、僕を生体サイボーグにしてもらわなければ。



 かの旧き印を創られた人ですからね、やばいことになりますよ、きっと。



 "今の状態でも相当強いでしょうに..."



 強さは関係ないです。技術を自らの体で体験することがいいんです。



 "もう勝手にしてください...それで、本当に私の眷属でもいいんですね?"



 優しいですね。もちろん答えは是です。



 むしろあなたを知っている人間は、確実にあなたが味方になってくれるということを知っているのだから断らないのでは?



 "それなら良いのですが...いえ、今は蘇生が優先ですね"



 でしょうね。メェーちゃんが暴れ出す前に帰らなければ。



 ...本当に暴れ出していないよな?



 "あなたは今、死んでいる状態です。既に1日ほど時間が経過してますが、召喚主であるあなたが死んでいる状態では彼奴等もそこまで動けはしないでしょう"



 お、それなら安心だ。



 "ではさっさと始めてしまいましょう。ああ、一応言っておきますがこれは特別サービスみたいなものですからね"



 ...その特別サービスを受ける権利が僕にはあったと。



 "もちろん、ですがそれももうありません。まああなたのことですから、これ以降死ぬことはないと考えてもいいでしょうが"



 むしろどうやって死ねと...ん?というかどうやって僕死んだんだ?毒で死んだのは直感的に理解したけど、メェーちゃんやバーストがいる状態でどうやって僕に毒を服毒させたんだ?



 "それは彼らから聞き出すことができるでしょう...さあ、目覚めの時間ですよ"



 瞬間、深淵が深淵ではなくなる。



 具体的に言うと、深淵そのものだった周りの空間及び僕の体があるはずの空間から見られている感覚が消え、何もかもが真っ白になっていく。



 そう、文字通り何もかも。



 僕の意識さえも。



 真っ白に



 ============================================



 目を開く。するとそこは天井、と6mくらいの高さの空間。



「う.....そ......」



 横には口を開けて驚いている女性と、



「驚いた、本当に生き返るなんて」



 勇者が一人ずつ。



「よっ、とおお!?」



 起き上がる。が、無理。全く力が入らなかったが、これは極度の空腹によるものだろう。



 ぐううううう



 ほら、腹も鳴った。腹が減ってはなんとやらと言う言葉があるように、戦わないと生きていけないこの世界では戦うことこそ生きることと同義、すなわち生きるために何かものを口に入れないといけないのだ。



「いやあ、腹へった。アナさん、今ちょうど食べられるものってありますか?」

他の神々の名前が出てきましたが、その神様はしっかりと出てきたタイミングで紹介しますね。

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