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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第三章 勇魔大会狂殺
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ショータイム

短いくせに遅れてる。



役満だなあ。

 暗く



 暗く



 暗い。



 ここは...一体、どこなのだろうか。という問いは僕の中では出なかった。



 なぜならこの感覚は一度味わっている。そう、今手元にあるとんでもない本と出会った時に。



 覗き込んでもいないのに覗き込まれる。深淵の中に、僕はいるんだ。



 でも...なぜ?僕は特にここにくるようなことはしていないような気がするけども。



 うーん、でもここにいるっていうことは何かがあったってことだもんなあ。



 "では、思い出しなさい"



 ...声、女性且つ威厳のある意志が心に響いてくる。このタイミングで話しかけてくるってことは、神話生物のうちの誰かか。



 でも、思い出すって何を?



 "あなたがここにいる理由を"



 おん。詳しいところまでは教えてもらえないのか、残念。



 ...ただ、思い出すって言ってもなあ。



 一番最後の記憶は.........



 ============================================



「...<クエスト>完了を受理。お疲れ様」



 そうイネイサさんは告げて、渡された<コリアン草>を回収した。



 そしてそのまま覗き込むように凝視。



「あれが<[鑑定]眼>ってやつですか?」

「そう。中でもイネイサのものは一級品、私の<心眼>には及ばないけどある程度なら思考を読めたりするの」

「へえー」



 やっぱり<魔眼>って結構チートなのかもしれない。



 だって、すぐ心を読んできたりステータスを覗き見たりしてくるんだもん。まあ、そりゃあ神話生物に標準搭載されている機能なんだから強いのは当たり前なんだけどさ。



「...うん。やっぱりメアリーが採取してきたものは質がいい」

「あ、本当にぐしゃっとさせるのが正しいんだ」

「まだ信用してなかったのね...」



 当たり前だ。普通、保管というのは傷を付けずに優しくしておくものなのに、あんな無理矢理詰め込みました感万歳のものを到底保管とは言えないよ、うん。



「...兎に角、あなたもお疲れ様。最初から(ジン)という高難易度<クエスト>だったけど、どうだった?」



 僕に対して聞いてくるイネイサさん。もちろん...



「楽しかったです!採取関連の黒い話を聞けたりとか、魔獣が強くてメェーちゃんも楽しめたとか、何よりシュ...」



 っと、これ以降はだめだな。メェーちゃんのプライバシー侵害になってしまう。



「シュ...レディンガーの猫がかなりわかりやすい話だなとわかったのも頷けました。はい」

「...なんか言葉が変だし、そもそもシュレディンガーの猫について知らないけど、まあいいや。そっちは...特に何もないか」



 目線をアナさんとメアリーさんに移した後すぐにそらして話を続けるイネイサさん。



 なんか変な顔でもしてたのかなあ。



「...で、これが報酬の金貨12枚。3人分で割った後の金額が12枚だかr」

「んん〜楽して稼げる採取最高〜」

「あ、ありがとうございます」



 変人がニヤニヤしているのを横目に、カウンターに乗っかったお金をとった。





 ッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



 瞬間、途轍もない甲高い音が確実に一瞬だけ流れた。



 そして、それと同時に意識が朦朧としてくる。



「あ......が......?」

「メアリー!!」



 心臓のほうが熱い。どうやらアナさんが何か叫んだらしいけど、全く耳に入ってない。



 後ろに振り向けば...見えるかな?







 久方ぶりに見たその死体に、違和感はなかった。その、首が切断され心臓に穴が開いているのを見るに、これを誰が行ったのかなんて容易に想像できた。



 そして...僕を苦しめている何かは、そいつからきたものであることも。もはや直感でしかないけど、感じ取ることができた。



 ...アナさんが狙われなくて良かったけど...このままだとアナさんが危ないな。



「あ....な......さん......」



 もはや声が出ているか怪しい声を出すと、それだけで力を使い切ってしまったのか前のめりで倒れてしまう。



 ドサッ



「あ...え、ま、マリア...!?」

「に...げ..........ミ=ゴの......元......に」



 目の前がぼんやりとしてくる。



 段々と体の感覚がなくなっているのを見るに、おそらく強力で即効性の高めな猛毒といったところか。



 このままだと死ぬであろう状況なのに、やけに僕自身は冷静である。



「え...な、なんで...こんな...」



 だがそんな僕とは違いアナさんはだいぶパニクっている。



 これは...正常な判断ができそうにないな。タクシーを呼ぶとしよう。



「......ニャル.........いるんだろ...?」

「もっちのロンロンだ」



 目の前に現れるは、好青年。



「「ひっ!?」」



 周りが騒がしいけど...今は関係ないだろう。



「アナ....さん......を...ミ=ゴの...ところに.........」

「うい、任された」



 ...これで......アナさんの無事は...確立されたか.......



 ......やっぱり、冷静だなあ僕は。これから、死ぬってのに。



 自分の体のことくらい...自分でわかるって言葉....今ならわかる、ありゃ本当だ...



 .......くそ....もっと、神話生物を.......召喚.......しとけば......良かったな...




 .......なんで、悔い....残っちゃう...かな...



 まだ....生きたい...って....



 ...思っちゃう....



 ...でしょ.......



 ......



 ...






 ============================================

ただ今日はどうしても体調がすぐれないので、続きは明日投稿します

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