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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第一章 未狂理解不能
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成長の奇跡③ ~運命~

 さて、さっさと向かうといってもまだ僕は3歳。走ることはできないので、壁をつたいながら歩いていく。

 3歳で歩けるのが普通なのかはわからないが、前世では普通に歩いて生活していたのもあって、2歳半の時には壁をつたいながら歩けるようになっていた


 だいたい5mくらい歩いて隣の部屋へ。ここはリビングになっていて、多分ここから………


「マリア!!!」


 母さんが駆け寄ってくる。そしてそのまま僕を抱き上げた。


「■■■■■■■■■■」


 うん、いつも通り何を言っているのかわからない。でも顔がニコニコしているので多分喜んでいるみたい。


 それにつられて僕もニコニコしてしまう。


「■■■■■■■■■」


 そう言うと、母さんは僕をなでてくれた。多分、「えらいねー」的なやつだろう。


 ============================================


 さて、どうやら今日はなにかあるという考えは当たっていたらしく、母さんは何やら準備をしていた。


 ほんの少しのおめかしと小さなバック、それと......なんか言い表しにくいやつ。


 どうやら、()()は布の端が紐と繋がっていて、それが右と左で一個ずつあるみたいだが......


 と、準備が終わったのか母さんが近づいてきた。


「■■■■■■■■■■」


 と言って僕を抱き上げると、そのまま僕をわけわかんないやつに乗せた。


 ふむ、意外と座り心地は悪くない。座るところに少しフカっとしたクッション材が敷いてあるからだろうか。


 そして、僕が座ったことを確認すると、母さんは布ごと僕を背負った。


「■■■■■■■■■■」


 手を上げながら母さんはそう言った。それに釣られて、僕も手を上げながら声になっていない声を出した。


「■■■■■■■■■■」


 そうして母さんは玄関の方へと歩き始める。と言ってもそこまで大きい家じゃないのですぐではあるが。


 しかし、母さんが僕を抱っこしながら歩いた時と比べて、全く揺れない。なぜなのかは僕にもわからないけども。


 そういえば、これが僕の初外出になる。玄関は、廊下を歩いていた時に発見した、周りと違うドアノブの形をしたもの出会っているはずだ。


 まあ窓から見えるのは他の家の壁らしきものだけだったので、まともに外を見るのもこれが初めてだ。


 ガチャリ、と音がしながらドアが開く。




「■■■■■■■■■■」


 そういうと母さんはどこかに向かって進んでいく....が。


 いや、すごい。なんかすごい。


 左を見ると、明らかに地球には絶対にない、木でできた家。日本の古民家みたいな形ではない、もっとお粗末な家。しかも、それが何十個と並んでいる。


 右を見ると、これまた家があるが、数軒奥には地球上のどこにもない大草原が広がっている。


 ああ。やっぱり異世界だわ、ここ。


 聞いたことのない言語だけじゃ不十分だもん。あの腕時計(仮)だって、もしかするとめちゃくちゃ発展した科学によって作られた化学かもしれなかったし。


 だけどもこの風景。平和そうなこの世界は、間違いなく異世界だよ。


 道歩く人々はスーツも着てないし、スマートフォンも見ていない。その代わりに僕と同年代の子に見える子供と一緒に...


 あれ、みんな母さんとおんなじように背負ったりして歩いてる。しかも......方向も一緒だ。


 てことは、今日は色んな人に出会えるのか。


 ...楽しみなような、不安なような。


 ============================================


 10分ほど移動すると、大きな建物が見えてきた。人の流れを見るに、全員そこに向かっているみたいだ。


 さらに近づくと、全貌が見えてくる。なるほど、いわゆるファンタジーによくある形の教会らしい。ご丁寧に、屋根のてっぺんに大きい十字架がある。


「■■■■■■■■■■■■■■■■」


 母さんは教会を指差しながらそう言った。多分、「あれが教会だよ」的なニュアンスだろう。


 そして、僕たちはそのまま教会の中に入っていった。周りの人もどんどん入っている。


 中は結構広く、すでに色々な人が、まるで何かを待つかのようにそこにいた。僕たちもそこで何かを待つらしい。


 一応、周りを見ておこう。前方奥には扉が2つと壁にステンドグラスがあり、後方には僕たちが入ってきたドアがある。


 と、後ろのドアを見ていたらドアが閉まった。何かが始まるのかもしれない。


 今ここにいるのは......ざっと200人。僕と同年代なのは100人もいないみたい。


「■■■■■■■■■■」


 声がする。外だから色々な人の声がしていたけども、透き通るような声をしたその人は、結構うるさいこの教会内でもちゃんとよく聞こえた。


 あれは...修道服だろうか。多分シスターというやつだろう。


「■■■■■■■■■■■■」


 急に静まり返る。どうやら、あの人の言葉を聞いているみたいだ。


「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」


 まあ、はっきり言って何言ってるか全くわからないので周りに合わせて静かにしておく。もっとも、もともと僕自身があまり喋らないし、全くもって思考は止まらないけどね。

ようやく展開が動いた……のかなあ

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