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天使と悪魔

作者: 冗談狐

あるところに、意地悪な天使がいました。

教会に住む天使は、外に出る度にこっそりと、

馬を逃がし、果物を盗み、悪戯をしました。

しかし、天使は赦されました。


「天使様は良い方だから」


あるところに、優しい悪魔がいました。

森に住む悪魔は、外に出る度にこっそりと、

馬を帰し、森の実を与え、人助けをしました。

しかし、悪魔は苛められました。


「悪魔は悪い奴だから」


人々は言いました。

「悪い悪魔は追い出そう」

「皆と一緒だ 僕らが正義だ」


それでも悪魔は笑顔でした。

笑顔で皆を助けました。


そして、森で独りで泣きました。


泣きやむとまた、笑顔で皆を助けました。


「一緒にいたい だけなのに」


天使は悪魔が大嫌いでした。

いくら悪戯をしても笑顔だからです。

天使は面白くありませんでした。


悪魔は天使も好きでした。

皆のことが好きでした。

皆を好きでいようとしました。


ある日、天使は悪魔の家を見つけました。

覗くと悪魔が泣いていました。

天使はとても驚きました。


今までたくさん困らせました。

今までたくさん怒らせました。


だけど初めて泣いていました。


天使はモヤモヤした気持ちで帰りました。


大好きな悪戯も、したくありませんでした。


そして悪魔は、もう来ませんでした。


天使はなんだか、嫌な気持ちになりました。


天使は悪戯をやめました。


人々は言いました。

「悪魔がいなくなったから、悪戯もなくなった」

天使は哀しくなりました。

(それは私がやったのに)


天使は皆を助けました。


人々は言いました。

「助けてくれてたのは、天使様だったのですね」

天使は空しくなりました。

(それは悪魔がしてくれてたのに)


天使は皆に言いました。

「悪戯をしてごめんなさい」

「助けていたのは悪魔だよ」


人々は言いました。

「どうして悪魔も庇うのですか」

「天使様は優しいのですね」


皆は天使を褒めました。

皆は天使を信じませんでした。


その夜天使は泣きました。

悪魔のように泣きました。


天使はたくさん働きました。

頑張って皆を助けました。

そして皆に謝りました。

「悪魔は悪くありません」


「悪戯をしてごめんなさい」


天使は必死に働きました。

いつでも皆を助けました。


悪魔を赦してもらうため。

悪魔に赦してもらうため。


天使はいつまでも働きました。


おしまい



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