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AIBO学園恋物語  作者: AIBO学園教育課
18/20

18.過去、私のせい

秋風です。新たな書き方、新たな作品。そんなこと考えて書いてますけど、いつも通りですすいません。

 ……。駅前にポツンと立っている時計とそれを支える支柱。そこが約束の集合場所。彼との約束の場所。私は先にそこに着いて立っている。

「俺達、ここで付き合い始めたよな。じゃ、一年後も二年後も、何年まで続くかわからないけど、終わるその時まで年刻みでここに来ようぜ! 約束な!」

 彼は言った。

 その時は涙が止まらなかった。好きな人がこれから命尽きるその時まで一緒にいてくれることを約束してくれた、そう感じたから。私は嬉しかった。

「泣いてる顔も嫌いじゃないけど、笑ってる方が俺は可愛くて好きだなーーって、いつまで泣いてるの、ほら笑って笑って!」

 泣いてる私に彼は言った。

 だけど涙は止まらなかった。それでも無理に笑みを作って彼を見た。不細工な顔だったかもしれない。それでも、泣いているのを止めようとしている彼を見ないのはおかしいと感じたから。なぜかはわからない。

 彼と出会ってから私は泣いてばっかりだ。それは学園の中でも同じだった。だけどその度に彼は慰めようと努力してくれた。

 いつもいつも、いつもそうだ。

「大丈夫だから! まだまだ時間あるし、俺、残れる友達集めてくるからお前は何か出来そうなことからしてて!」

 文化祭の時だ。

「アイツらに何がわかるって話だよ! 俺はこんなにお前を見てきたからいい所なんて何個でも言えるよ! 例えば……笑うと可愛いとことか!」

 他校の子につりあってないと馬鹿にされた時の事だ。

「もう、泣いてないで喜んでくれよ。俺まで泣きそうになるじゃん。勝ったんだから、喜んで欲しいな。俺、君だけは絶対守るから」

 君と呼ばれ始めた日だ。

「大丈夫大丈夫。それより一人で抱え込まないで俺にちゃんと話して! 少し……悲しいからさ。別にあのマフラーやっすいやつだし! 次は俺の手作りにするよ!」

 修学旅行帰りの時。

「うーん……どう言えばいいのかな。俺は君一筋、って信じて欲しいんだけどな。君は、俺のことどう思ってるの?」

 学園。

「あー……手作りのマフラー、無くしちゃったか……。あれ作るの初めてで頑張ったんだけどな。別に、大丈夫だよ。うん、大丈夫。だから大丈夫だって。……ねぇ、俺の言葉聞こえてる?」

 学園。

「あれ、なんで約束破ったのかな。大丈夫、だけどさ? 俺が悪いのかな、ごめんな? でも、出来ない約束なら、約束しないで欲しいな、期待、してたからさ」

学園。

「今はもう話しかけないで、やめて。今、機嫌悪くてさ。朝からいいことなくて本当に本当に今日だけは一人にさせて。………………ごめん。俺が悪いから。俺が悪いから。ごめんなさい」

 学園。

「あのさぁ! 今日だけはやめてって言ったよねぇ! いつもいつも、いつもいつもいつもいつもさぁ! 全部が全部とは言わないよ!? でもほとんどが君のせいじゃん! それで毎回毎回俺の名前呼んで助けを求めてさ。ほんとにいい加減にしろよ。俺はお前の便利な道具じゃないんだよ。アアァァッ!! そうやって泣くなよ! うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい」

 屋上への階段。

「着いてくるなよ! うざいっていってんじゃん! うるさいって! あのさ、なに? 俺のことイラつかせたいの? ねぇ? それなら大成功だね、よかったね!! いいからもう着いてくるな、来たらもう何をするかわからないから」

 屋上。

「アアァァァァァァッ!!!! くるなくるなくるなくるなくるなくるなくるな、どっかいけどっかいけどっかいけどっかいけどっかいけどっかいけどっかいけ、あぁもう! アァッ! 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。もうやめろッ! それ以上近づいたら俺の頭もっと殴るぞ。だから、近くなって……痛い痛い痛い痛い痛い痛いッ! 俺のせいか、なぁ? なぁなぁなぁなぁなぁ! 聞いてんのか? もう、俺のせいでいいからどっかいってくれよ。あぁ……」

 向こう側

「俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ、死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね。あぁ、死んでやる死んでやる死んでやる死んでやる死んでやる死んでやる死んでやる死んでやる死んでやる死んでやる死んでやる死んでやる死んでやる死んでやる死んでやる死んでやる死んでやる死んでやる死んでやる死んでやる。アハハ、アハハハハハハハッ! アァ、死んでやる」

 地面。

 いない。彼はそこにはいない。

 病院で脳にダメージがあると医者が言っていたらしい。まるで人格が変わったみたいだと、ヒステリックを起こすようになったと言っていた。

 実際、私の顔を見ると叫んで話を聞かない。彼は三年ほど入院している。私はもう、二十になるのに、まだ彼のことが忘れられない。

 私が殺したんだ。彼の、元の性格の彼を私が殺したんだ。

 もうどうだっていい。こんな不良品がどうなると。

 ほんと、涙が止まらない。

実際、私のせいなんですけどね

次の方どうぞ

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