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第八十話~逆撃~


第八十話~逆撃~



 到着したラトル共和国辺境にある惑星系、そこは主に資源採取を目的としていた。そこに浮かぶコロニーステーションで斗真たち悪魔の移住先の検索を掛けたところ、ある惑星系がヒットしたのであった。





 まさか、こうも簡単に条件に合致する惑星系が見付かるとは、正直思ってもみなかった。しかしその情報をよく調べてみると、いささか確度という点でランクが落ちる。どうも情報自体がやや古い上に調査もあまり行われず、その後は事実上放置されたようであった。

 とはいえ、数少ない斗真たちの希望に合致する惑星系の情報だ。ゆえに、その情報を持って斗真たちの元に戻ることにした。ギルドから宇宙船に戻った俺たちは、ステーションコロニーの管理局に許可を得てから宇宙港より出発する。そこから一路、斗真たちが待っている筈の宙域へと向かったのだ。

 なお、情報自体を手に入れるのに金を払っているので、情報を持っていくことに問題はない。そこから先は、情報を手に入れた側の問題となるからだった。

 ステーションコロニーを出て行程の七割ほどを消化した頃、レーダーに宇宙船の反応が現れる。その直後、ブリッジに緊張が走った。この辺りはラウド共和国の辺境地域であるが、資源惑星系ということもあって航行する宇宙船はそれなりにある。その為、宙賊もそれなりにいるのだ。無論、共和国も取り締まってはいる。だが、手が回らないというのが実情となるのだ。

 これはラトル共和国だけはない。基本的に国が大きくなればなるほど、辺境に行くにしたがって治安が悪くなる。だからこその賞金首制度であるのだが、その制度を駆使したとしても、台所に現れる黒き天敵となるGのごとく、または雨後のたけのこよろしく、宙賊は湧いて出てくるとのことだった。


「シュネ、船は任せる。俺たちは、警戒の為に出る」

「了解したわ」

「行くぞ! 祐樹、舞華」

『ええ!!』


 ブリッジを出て、格納庫に積みこんであるキュラシエ・ツヴァイへと乗り込む。急いで格納庫のハッチが開かせると、ツヴァイを漆黒の宇宙へと躍らせた。もっとも今は飛行形態をとっているので、見た目は戦闘機でしかないのだが。

 そんな俺に続いて、キュラシエ・アインスも飛び出す。こちらはすぐにドッキングした状態から、アインスとファルケⅡへと分離していた。


「さて。相手は宙賊か、それともただ宇宙を航行している宇宙船か。どっちかな」

「…………マスター! 宇宙船から観測されるエネルギー増大を感知!!」

「シュネ、出るぞ」

≪分かったわ≫


 宇宙船にも武装はあるので、一方的に攻撃をされるということはない。それに今回は、舞華のファルケⅡが守りで残るので問題とはならない筈だ。手順としては、俺と祐樹のキュラシエが先ず接近する。そこで万が一にでも通信が入り、敵ではないと分かればよし。もし宙賊なら、そのまま戦闘に入るのみだ。

 さて、出力の関係もあって足並みを揃える気でもない限り、どうしても俺の操るツヴァイの方が先行することになる。シュネ謹製のキュラシエシリーズの最新機がツヴァイなので、これはどうしようもなかった。

 ある程度接近したところで、相手から反応がある。もっとも通信が入ったわけではなく、攻撃という反応だった。元々もともと宙賊の可能性を考えて警戒していたので、奇襲とはなり得ない。俺は、ツヴァイをロールさせてその攻撃を避けてみせた。

 そして完全に避けきると同時に、レバンティライフルによる攻撃をする。これは、キュラシエが持っていたツインライフルのパワーアップ版ライフルで、射程・威力共に向上している。その為、ツインライフルでは無理な距離でも、十分に兵器として使える仕様になっていた。

 そのレバンティライフルを使って反撃したわけだが、果たしてライフルの弾は当たったらしい。その証拠に、レーダーの反応から一つ敵の反応が消えていた。


「あと二つ!」


 そこで反撃とばかりに攻撃されるが、そちらも避けながら接近する。その時点で俺は、ツヴァイを飛行形態から人型へと変形させた。その時、なぜか相手の挙動に乱れが見えたのである。そのことに訝しがりながら俺がライフルを放つと、間もなく宇宙に華が咲いた。

 挙動がおかしくなった直後ということもあって、避けることができなかったらしい。ライフルの攻撃をまともに食らい、爆発後に行動不可となっている。そして最後の一機だが、こちらは少し遅れて到着した祐樹のアインスによってやはり撃ち落されていた。


「シエ。レーダーに反応は?」

「ありません」

「そうか。祐樹はどうだ?」

≪こっちにも反応はないな≫

「なら、問題ないな……シュネ。こちらは掃討を完了した」

≪了解したわ。そちらに向かうね≫


 念の為に警戒を続けながら、シュネの操る宇宙船を待つ。程なくして俺たちの宇宙船が到着すると、船内からユニットが幾つも飛び出してきた。このユニットは、戦闘終了後にサルベージする為の物である。そのユニットの外見だが、フィルリーアでも使ったマジックハンドの付いたドローンと同じになる。要はドローンを宇宙仕様にして、それを大型にしたものだった。

 さて、何ゆえにドローンなどを使っているのかと言えば簡単な理由で、サルベージする為だ。戦闘が起きた宙域を人力でサルベージしようとすればとてつもない時間の労力が掛かってしまう。それに幾ら人型のキュラシエとはいえ、戦場となった全ての宙域の探索を隈なくおこなうなど難しい。それゆえの、数多くのドローンを投入するのだ。

 その上、ドローン内には簡易AIと言っていいだけの機能を持たせてある。実にお手軽・安心仕様の宇宙用ドローンとなっており、非常にお得なものなっているのだ。

 また、サルベージで敵の持っていた物品や航路などのデータも回収できればなおいい。これらを自分で生かしても悪くないし、情報としてギルドなりに売ってもいい。つまり戦闘後の宙域は、ある意味で宝の山と同じなのだ。


「祐樹、ドローンに任せて戻るぞ」

≪了解だ≫


 サルベージはドローンに任せて、俺たちは先に宇宙船の格納庫へ戻ることにした。

 宇宙船の格納庫にツヴァイを収めてコックピットから出て間もなくすると、合体を済ませた祐樹のアインスが入ってくる。思ったより早い帰還であり、祐樹も舞華も機体の操作に大分慣れたのだなと考えつつ、格納庫から出て宇宙船のブリッジに到着した。


「戻ったぜ」

「ご苦労様」

「シュネ。初宇宙戦闘を傍から見て、どうだった?」

「うーん。正直言って専門家じゃないから、感想なんて言えないわよ。記録映像はあるから、そっちで検討をしてちょうだい」

「それもそうだな」


 シュネの言葉に頷きつつ、ブリッジにある自分の席に座る。するとほぼ同時にブリッジの扉が開いて、祐樹と舞華が入ってきた。二人もシュネへ戻ったという報告をしてから、自分の席に腰を降ろしている。どうせドローンを回収するまではこの宙域から離れられないので、俺は戦闘データや戦闘映像を見て時間を潰すことにした。

 やがて、粗方あらかたの回収を終えたドローンを、宇宙船に回収する。その報告を受けて、この宙域からの離脱したのである。





 途中で賞金首との戦闘……コロニーステーションで得た情報から賞金首とは確認済みだ……などという予想していなかった事態があったとはいえ、無事に俺たちはカズサへと戻ってきた。そして今まで乗っていた宇宙船は、大型輸送艦として設計され現在は大型移民船となっている船に着艦させている。ただ俺たちは、その前に転送で旗艦のカズサへ移動していた。

 旗艦であるカズサのブリッジは二層構造となっていて、俺やシュネや結城などは上部構造にそれぞれの席がある。そして、それ以外のガイノイドやアンドロイドなどスタッフの面々は、下部にそれぞれが席を持っていた。

 但し、斗真と悠莉は別であり、ブリッジに専用の席はない。これは二人が、常日頃はカズサにいない為だ。二人や、二人の親衛隊長となるハムーサやシュルン、そして今や唯一の四天王生き残りとなるサラサは、主に重巡洋艦の方へいる。これは、重巡洋艦がのちに俺たちの手から離れて斗真たちのものになるからだ。

 こんな宇宙に出るのが当たり前という世界にきて、移住惑星が見つかりましたからあとはよろしく。というのは、流石に寝覚めが悪い。そこで重巡洋艦と悪魔たちが乗っている移民船、それから二隻の駆逐艦などは移民した惑星へそのまま残すことになる。つまり、自分たちの持ち船となるので今のうちに習熟させているのだ。

 なお現在旗艦となっているカズサのような戦艦までは、譲渡する気などない。代わりに、カズサよりは少し性能は落ちることになるが戦艦の設計図は渡すことにしている。その辺りまでは責任は取れない、自分たちでやってくれというメッセージだった。


「お帰り」

「ただいま。斗真、問題はあったか?」

「いや。世は全てこともなし、平穏だった」

「それは、何よりだ」


 さて、いつもは重巡洋艦の方にいる斗真が旗艦のカズサにいるのかというと、どうせ残るのだからと俺の代理を頼んだからだ。マスターコンピューターとなるネルトゥースや彼女の移動端末となるネルがいるので、艦隊を任せること自体は問題とならない。だがせっかく艦隊に残っている人材を活かさない理由もないので、俺の代理を頼んだというわけだった。

 何せ斗真は、数十年間にわたって悪魔たちを率いてフィルリーアで戦争をしていた。つまり、勢力を率いるとか纏め上げるといったことに慣れている。はっきり言ってノウハウという意味では、俺やシュネ以上だろうことに間違いないのだ。


「取りあえず提督代理は返上するとして、これからどうする?」

「ああ。それもあって、戻ってきた」

「どういうことだ?」

「斗真、朗報だ。移住できる惑星が見つかった……かも知れない」

「え? ……本当か!?」


 初めは信じられなかったのか、俺の言葉を聞いた斗真は不思議そうな表情を浮かべていた。しかし徐々に理解できたのだろう、一気に踏み込んでくる。しかし、俺の肩を掴もうとしている手を逆に捕まえて斗真を押し留めた。俺も格闘家の端くれ、そうそう間合いには入れさせることなど許さない。


「落ち着け、斗真。今から手に入れた情報を見せる。だから、悠莉やハムーサやシュルンやサラサに集合を掛けろ」

「了解した」


 直後、斗真はすぐに重巡洋艦にいる悠莉たちに連絡を入れている。話を聞いた彼らは喜び、モニターの向う側は実ににぎやかな状態となっていた。


「お前たちも、カズサまで転送してくれ」

≪わかったわ。すぐに行く!≫


 悠莉が返答したあと、モニターが消える。それから暫く、ブリッジに彼女たちが転送してきたとの連絡が入る。そこで俺は、ブリッジまでくるようにと告げたのであった。


野良宙賊に襲撃を受けましたが、サクッと返り討ちにして斗真と合流しました。

そこら辺にる有象無象では、シーグたちの相手になりませんので。


ご一読いただき、ありがとうございました。



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