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彼からの最初で最後の手紙

作者: イタカ

幼なじみの雅樹が死んだ。

享年17歳。

死因は交通事故だった。

原因は……私。

私がいけなかったんだ。私がはしゃぎ過ぎて、周りをしっかり見ていなかったから……知らないうちに、ちょうど青信号になった車道に出てしまっていたから……私に向かってきていた車から私を庇って雅樹は車道に出て、その車に跳ねられて死んだ。即死だったそうだ。

雅樹のご両親も、私の両親も、友達も、みんな私を責めなかった。「唯は悪くないよ。雅樹が死んだのは、間が悪かっただけなんだよ」

これが私を慰めるためだけの表面上の言葉だというのはわかっていた。

毎日夜になると隣の雅樹の家から泣き声が聞こえてくるからだ。

私は、雅樹にも雅樹のご両親にも申し訳なくて、せめてもの償いにならないかと自殺をしようと思ったこともあった。


そんな時だった。死んだはずの雅樹から手紙が届いたのは。その手紙は雅樹の母親が私に持ってきた物だった。

「雅樹の部屋をね、掃除してたら出てきたの。宛名が唯ちゃんになってたから……」

無理してつくっているのがわかる笑顔で私にその手紙を渡した。私はその手紙を受け取り、自分の部屋で手紙の封筒をひらいた。


『唯へ』


久しぶりに見る雅樹の字。

決して綺麗な字ではない、雅樹の字。

その字をみただけで、私は涙が出そうだった。


『唯へ

 手紙とか書いたの久しぶりで、どうやって書いたらいいかわかんね。

 つーかいきなり手紙とかごめん。家隣なんだから話しにこいって感じだよな。

 で本題なんだけど、俺さ東京の大学行こうと思ってる。興味ある学科があるんだ。

 唯、一緒の大学行こって言ってくれてたのにごめんな?

 最初は直接言うつもりだったんだが、顔合わせるとどうも言い出せなくて。

 だから、手紙。

 唯も一緒に行きたいけど、そこまで強要できないからな。

 じゃ、そんだけだから。

 また明日学校で。』


私の目からは、いつの間にか涙が溢れていた。涙が手紙におち、水玉模様をつくる。

私が雅樹の夢を潰したんだ。

あの勉強嫌いだった雅樹が自分から勉強したいと思ったのに。

「唯と一緒のとこでいい」と大学に興味も何もなかった雅樹が自分で大学決めて、やっと人生これからだと思った頃だったかも知れないのに。私が、雅樹の夢を潰したんだ……


「ふえ、ま……雅樹……雅樹いいい!」私は部屋で泣き叫んだ。


「ごめん……ごめんね雅樹!雅樹!返事してよ!まさきいい!」


返事が返ってくるわけないのに、私は大声で泣いた。

泣いて、泣いて、泣きすぎて、喉が潰れた。思うように声が出ない。

まだ泣きたいのに、まだ泣き足りないのに、声が出ない。涙も渇いた。

悔しい、虚しい、哀しい、いろんな感情がグルグルと心の中を蠢く。


そして冷静になり気付いた。

私は、1人なんだ……

なんかぱっと思いついた話なのでよくあるような展開だと思います;急いで書いたので誤字等あるやも知れません。あったら教えてください。

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