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失敗の成功  作者: 062


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13/21

その後(2)



懐かしい夢を見ていた。私のきっかけだった出来事の夢。


目覚めて、やっぱりぐっしょりと濡れている。実は保健室の先生に起こされたのだった。

「平野さん、相当重症みたいね」

「ごめんなさい」

「病気だから、仕方ないわよ。それにレジャーシートのおかげで、ジャージと下着しか汚れていないし」

私のおねしょはレジャーシートのおかげで布団は汚さずに済んだようだ。

「それで悪いんだけど、これをつけてくれる?」

あの時の重盛先生のように、先生が取り出したのはやっぱりオムツだった。しかも、幼児向けのサクランボの絵が入ったものだ。私が昨日まで着ていたのは介護用だったから、少し新鮮な気がする。

「わかりました」

と答えた私に先生は少し驚いたようで。

「いいの?」

と短く聞いて来た。

「これ以上、先生に迷惑をかけたくないんです」

と言い。濡れたハーフパンツとショーツを脱いで、それに足を通した。

「良かった。わからないかもしれないけど、幼児用の1番大きいサイズなのよ。それ。去年の修学旅行で夜が心配だった子が残していったものなんだけど」

なるほど、ここは保育園ではなくて、高校だ。そんな理由で幼児用のオムツがあったりするんだ。


残暑のせいか私のスカートは乾いていたので、それを身につける。周囲から見れば目立たないのは前の計画で実証済みだから、少しは安心出来た。

「それと親御さんには連絡しておいたから、今から病院に行きましょう」

「はい」

と短く答えた私。

勝負所で武者震いがする。

私はその時わからなかったが、オムツのお知らせサインが変色したのだった。



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