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プロローグ
平野ゆい、高校2年生。
これといった特徴のない平凡な彼女の非凡な計画。
シンと静まりかえった教室にピチャ、ピチャと水滴の落ちる音がする。その音は私の足元からだ。
ここは教室、別に雨漏りしているわけでも、水道が壊れているわけでもない。むしろ壊れているのは私だと思う。今の状況を簡単に言うと、
『おもらし』
そうおもらしだ。私のおしっこが床に落ちて水たまりを作り始めた。私の席の後ろの数人が気づいたらしい、ざわざわとし始めた。
私は両手で顔を押さえその時に備えた。他から見れば泣いている様な格好で。
「先生!」
誰かが大きな声で言った。計画通りに。
そう、これは私の計画だったのだ。