3話 話を聞いてみると意外と良いやつだったりするのが、逆にむかついたりしてしまう。
あらすじ。
ホ 異世界行くわ!
神 でも、お前勇者でもないし、能力も持ってないから。٩( 'ω' )و
ホ じゃ、いーかね!\(^o^)/
「なぁぁぁんでよぉぉぉぉ!!!!!!」
少女姿の神様は、頰をパンパンに膨らませて、ホマレの後ろに瞬時に移動し、華麗にヘッドロックを決める。
はぁ…。当たり前だろ…。
俺が何のために異世界行きたいと常日頃願っていたか分かっているのか……!
ハチャメチャな力をゲットして、美少女達に囲まれながら、ドヤ顔で街中を歩くためだろうが! なんなら、自分の国とか作っちゃおうかなとか思ってたわ!!
ん?あれ?てか、こいつ力強くね?
普通にキマってて堕ちそうなんですけど?
はずれねぇ!!これヤバイ!!
死ぬ!!!!!
これ以上この状態が続いてしまえば、異世界に行く前にあの世に逝ってしまうと感じたホマレは、神様の細腕を全力でタップした。
「あ、ごめーん。」
アホ神はそう言いながら、にししと笑って俺の方を見ている。
「ヴゥェッ!ヴェッ!ハッ、ハーハー………。
っておい、お前!!!
死ぬとこだったじゃねーか!!
ふっざけんなよ!!
去年死んだおじーちゃんがこっちに手振ってんの見えたわ!!!」
「いや、ごめんごめん! ホマレ君が急に異世界行かないとかいうからサァ!」
「それに関してはガチで行かないぞ?」
え、なんでよぉ!と、こちらを睨みつけてくる神。
「いや、だって、能力も何にもない俺が異世界に放り出されているとこを想像してみろ。
こっちでさえ、ダメダメな生活を送ってるのに、異世界なんていったら死んでしまうだろう。」
さも当たり前かのように述べる俺を、少女はジト目でこちらを見ている。多分あの目は、こいつ開き直ってやがる。むかつくな。という感じの目だろう。
少女はうーーーんと悩みながら空中で腕を組んで悩んでいる。そして、1つ大きなため息をして、仕方ないかーと呟く。
「ま、でもそうだねー。たしかにクソ宮君には、能力なしで転生は厳しいよねぇ…。私としては、せっかくカス宮君の眼の前に現れたから、異世界に旅立ってほしいんだよねー。」
人の名前にクソとかカスとかいうアホ神には天誅を下してやろうと拳を構えた。しかし、その前に俺の顔にグイッと近寄り……。
「そこで!!ホマレ君には、私チョイスの特別な能力をプレゼントしよう!!ついでに、サービスでどんな異世界に行くかも決めさせてあげよう!!!」
そんな最高なお言葉を頂いたのだった。
「まじですかー!!!神様最高!!!!並ぶものなし!!!!唯一神!!!!」
ドヤ顔な神をこれでもかと、ホマレは褒め倒す。そして、アホ神などどこにもいなかったと悔い改めるのであった。
「いやー、神様流石ですねー、話が分かりますわ。ところで、異世界を決めさせるって何ですか?魔法使いとかファンタジーな世界に行くんじゃないんですか?」
「違う違う!元々、ホマレ君には北◯の拳みたいな世紀末の世界に行ってもらう予定だったんだよね!!でもなんか、そんな世界にホマレ君が行っちゃったら秒で死んじゃうかなーって思ってね!特別に異世界を選ばせてあげようって思ったの!」
さらっと爆弾発言したアホ神。やっぱ目の前にいるのは俺の異世界をこれっぽっちも理解してないバカ神だった。
「アホかっっ!!!誰が南◯水鳥拳なんてやるか!!!!もし行くなら、魔法が使えて、街並みは中世のヨーロッパ風のファンタジーな世界にしてくれ!!なんなら、魔王とかいていいぞっ!!」
「アホって……!まぁ、いいや!ホマレ君の要望は分かったから、そこに近い世界に行けるように調整してあげるよ。」
神様はそう言って、若干不満そうに透明のウインドウを出して、弄るのであった。
その様子を見たホマレは、機嫌を損ねて世紀末に飛ばされるのは嫌だし、これ以上はアホとかいうのやめてやるかと思った。