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孤独の支配者
人の本質
自分が今考えていることは、本物か。
そんなような問いは過去何度も考えられ、そして結論づけられて来た。なので私も偉大なる先人たちに倣い、考え、結論づけるとする。
人は、己の全てを外的要因によって構成していく。産まれ持った環境、偶然の出逢い、見た映画、読んだ本、遊んだゲーム。
私たちは生まれながらにして空虚で稚拙だ。場の空気に支配されることを愚かしいと言う風潮ができはじめた近年、その愚かしいと言う空気こそが人を苦しめ、変えていく。自分らで空気を作り、そしてその空気から抜け出すことを強要する。
出来なければ甘えと言い放ち、抜け出した物には孤独の烙印を押すのだ。
唐野コトミと御手洗幸助。
彼等は自分だけの空気を作り出した。
彼等だけのオリジナリティ。外側としての空気ではなく、内側としての空気。例えるなら潜水艇のような物だ。
大海原に気泡が一つ。
彼等は人類においての、新たな進化の形を得たのだ。
これで、終わり。




