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報告書2
正しさではなく、やり易さを重視してます。
ナノマシン投与についての報告書2。益田智也院長殿。
麻薬中毒者である隔離患者Aの麻薬依存率は大幅に低下、社会復帰も秒読み段階と言えるでしょう。
ですが私の受け持つ患者、御手洗幸助について興味深い事がわかったのでまとめます。
彼は少年兵時代、隔離患者Aと大差ないほどの麻薬依存が確認されています。それに加えて紛争地の衛生環境、殺人、拷問と言った心身共に安定しない状況に置かれていました。ですがこの施設に来てからと言うもの、麻薬の中毒症状は確認されず、ストレスケアも必要ないほどの精神状態が見て取れます。
彼の生まれ持った物か、少年兵時代に何かを身につけたのかわかりません。ですが、一つだけ確かな事があるとすれば、もう一人の患者、コトミの存在が大きく関わっていると思われます。
その根拠等は次回までにまとめます。
御手洗幸助、唐野コトミ担当医 渋谷美波