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オマエやキミとアナタで僕達  作者: 生月 太郎
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第19話 虫取り競争

「第1回!虫取り競争〜!」

「大地!俺が勝つからな!」

「いいえ!このリベンジャー田中、誰にも勝ちを譲る気はありません!」

「………………………………」


僕達が今いる場所は近所の森。

幼い時は暇さえあれば此処にたむろった。

と言っても皆バラバラの事しかやらなかったけど。

でも今は違う!

皆、同じ事をやろうとしている!

メンバーに少々変更があるけれど!

集まったメンバーは僕、海斗、天音それに田中さんの4人だ。


「なんで私も参加しなきゃいけないの……」


天音が嫌そうに項垂れる。

だから理由を説明してあげた。


「何言ってるんだい天音。虫取りといったら天音がいなきゃ始まらないよ」

「アンタ、私の虫嫌いを忘れた訳じゃないわよね?」

「ええっ!そうだったのかい?でも来ちゃった事は仕方ないね。参加しなきゃ」

「ここで私を帰さなきゃアンタをボコボコにするって言っても?」

「何ッ!」

「頑張れー大地ー」

「陸宮さんファイトでーす」

「どうするの?」

「クッ………………でも今日は何がなんでも帰さない!」

「そのセリフだけ聞くと危険だよな」

「そのままお持ち帰りですね」

「ちょっとそこうるさいね」


海斗達のせいでせっかく決めた覚悟が揺らいでくる。

僕はMじゃない。

断じてだ。

だから殴られたら痛い。

いつも天音にやられる時は覚悟を決めて来た。

でも覚悟を決めなきゃ、僕は天音の拳を受け入れる事は出来ない。

天音が1歩こっちに近づく。

海斗と田中さんが2歩下がる。

僕は歯を食いしばる。

天音が手を振り上げた時、思わず目を瞑ってしまった。

何処だ…何処をやられる………………?

顔かな?腹かな?それとも胸かな?

しかし、いつまで経っても僕が殴られる事はなく、ゆっくり目を開いた先には差し出された天音の手があった。


「網」

「………………天音?」

「虫取りするんでしょ?今日くらいは付き合ってあげるわ。だから、網、貸して」

「………ハハハハッ。天音、ありがとう」

「なんでアンタがお礼言うのよ」

「僕の我侭に付き合ってくれてってことさ」

「……別に…虫取りを体験してみたかっただけよ」

「本当は虫取り競争に参加しなくても見てくれるだけで良かったんだけどね」

「それを先に言いなさいよ」


と言いつつも、天音は虫網を受け取ってくれる。

初めてじゃないかな。

天音が虫取りをしようとするのは。

何だか少し、嬉しくなった。

だから僕はさっきよりも元気良く言う。


「さて!虫取り競争、始めようか!」

「さぁ行くぜ!」

「待ってました!」

「やるからには、負けないからね…!」


僕達は互いに頷き合う。



これから起こる、惨劇を知らずに━━━━


To be continued………………

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