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オマエやキミとアナタで僕達  作者: 生月 太郎
10/32

第10話 面白い話

「ねぇ海斗」

「どうした大地」

「面白い話してよ」

「面白い話か………いいぞ。やってやる」

「期待しないで聞いておくよ」

「自分から話を振っておいて期待しないとは………………」

「海斗早く早く」

「ハイハイ、分かったよ………………アレは中学生の時の事だった━━━━」


♦♦♦


俺達の中学校ってさ、冬になると防寒着OKっていう決まりがあったろ?

俺もあんまり寒い時はネックウォーマーとか使ってたもんな。

そんな寒い冬の話だ。

中学の俺は陸上部だった。

知ってるとか言うな。

話続けるぞ。

俺が2年の時だったかな?

陸上部の後輩、橋元って奴がいたんだ。

礼儀はちゃんとしてるし、敬語は欠かさない。

ハキハキとした声で喋る。

とりあえず、先生受けしやすい奴だった。

無論先輩達にも気に入られてたよ。

ただ……まぁ少し。

ほんの少し、抜けてるんだ。

ある日凄え寒い日でさ、防寒着とか意味ないなって思った日があったんだよ。

寒くて動きたくないって思ってもさ、部活には行きたかった。

それで、行ったんだ。

そしたら部室には先に橋元が来てた。

橋元も寒かったんだろうな。

手に手袋はめてたんだよ。

白い手袋だった。

校則違反って訳じゃないけど、男子が白色の手袋使うのは珍しいなって思ったんだ。

だから橋元に、「手袋見せてくれ」って言ったら、アイツ得意気な顔して、


「コレ軍手です」


それで終わりじゃない。

追い打ちをかけるかの様にしてアイツは握っていた拳を開いて俺に見せてきた。


そこにさ………………《人生》って書かれてたんだ………………。


その時俺は確信した。

あっ、コイツアホだなって。


♦♦♦


「━━━━これが俺の面白い話だ」

「つまんない」

「この野郎」

「痛い!痛い痛い!」

「じゃあオマエの面白い話を聞かせろよ」

「良いよ!聞かせてあげるよ!」

「さあ来い」

「第20話くらいに」

「先が長え」

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