見果てぬ世界で 第2話 ~魔石~
おや その本を気に入って頂けたようですね。
こちらが2巻です。
よければお読みください。
「え、それじゃあ、あの騎士達は死人って事ですか?」
薄暗い部屋の中、小さなランプの明かりで2人の姿が照らされていた。
綾人は驚き、目を見開いている
「そうだ、あの騎士達は皇帝の力で生み出された人形だ」
と、大男が答える。
この大男は、この集落の長・アガロという。
綾人を助けた者の一人である。
「あいつら、人を殺して死体を集めてるの」
部屋の外から憤りを含んだ声と共に、一人の少女が入ってくる。
この少女は、アガロの娘であり、次期長候補のセラである。
綾人を助けるために、最初に矢を撃ったのがこの少女だった。
「なんで人殺しなんかを……」
綾人は少し怯えながら二人に聞くと……。
「それは皇帝が長生きするためなの」
矢を削りながらセラが答える。
憤りの所為か、少し強く削りすぎたようだ。
「いいか?ボウズ、この世界の生き物には必ず力がある、そして、その力は少しずつ凝縮され、結晶化していくんだ、その結晶が魔石と呼 ばれる物だ。
皇帝はその魔石の力を吸収し、自らの若さへと変えて長生きしているんだ、すでに500年は生きている筈だ」
「そんな……自分が長生きする為に他人を殺すなんて……」
「移民達の話によると、皇帝は身内の死を見て、死が自分の元へ来る事を恐れたそうなの」
「そして、死を遠ざける為に魔石を集め続けているんだ」
「……」
「ボウズ、今日は疲れただろう? 部屋を準備させてある、そこでゆっくり休め、セラ 案内してあげなさい」
「わかった、こっちよ」
綾人とセラが部屋から出て行くとアガロは。
「あれが異界の……目覚めは訪れるのだろうか……」
と、小さく呟いた。
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「ここがアヤトの部屋よ」
セラは綾人を見て顔をしかめると。
「元気ないわね、大丈夫なの?」
すると綾人は少し微笑み。
「たぶん、大丈夫……まだ少し混乱してるだけだと思う」
綾人は部屋の椅子に座り俯いていると。
「ふーん、まぁがんばってね?救世主さん?」
と、言ってセラが部屋を出て行こうとすると
「え?……ちょ、ちょっとまってよ、救世主って何?」
綾人はセラに聞くと、セラは
「あ……な、なんでもない」
と、言って慌てて部屋を出て行った
「救世主って言ってたよな……よくあるファンタジーみたいな感じかな……でも俺が救世主?ありえないだろ……アレしか出来ない俺が救世主なんて……取り合えず今日は大変だったし、少し休もう」
綾人が横になると、すぐにまどろみへと落ちて行った……
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「き、騎士だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
大声が集落に響き渡る。
「え? な、何?」
綾人が飛び起きて窓から外を見ると。
数十人もの騎士達が人々に襲い掛かっていた……
綾「と、言う訳で2話、できちゃいましたね」
セラ(以降、セ)「そうね、思ったより早くできたみたいね」
作「そりゃあ、ある程度考えていたからね~この後の事もかんg」
セ「そう言えば、綾人がなんかアレしかできないって言ってたよね?」
作「あ、アレ?無視でs」
綾「あぁ、言ってるね。アレ、次の話で使うから、そこにも注目してね」
セ「綾人が何をするのかなぁ…」
綾「じゃあ次回予告をしよう」
セ「わかった」
綾「騎士達に襲撃された集落」
セ「次々と殺される人々」
綾「弓しか使えないセラを剣を使い守るアガロ」
セ「二人以外の戦士達は遠くの騎士大隊を見張っていて戻るには時間がかかる」
綾「二人のピンチに綾人ができる事とは……」
綾・セ「次回、見果てぬ世界で 第3話 ~襲撃~」
セ「私が射抜くから君が……」
作「俺……いらない子なのかな……」
アガロ(以降、ア)「喋れてる分だけいいじゃないか」
作「ご、ごめん……」