昔話
この国には2人の神が居ました。
1人は太陽の神。
真っ赤な髪の毛を携えた太陽の神は、この国を明るく照らしました。
もう1人は月の神。
真っ青な髪の毛を携えた月の神は、太陽の神と同じように、暗い中でもこの国を明るく照らし続けました。
太陽の神、月の神は、それぞれ支え合っていました。
太陽の神は、自身の有り余る力を使ってこの国を明るく照らしていましたが、照らしすぎて人々が疲弊してしまうことがありました。
そんな人々を見ていた月の神は、太陽の神に人々が過ごしやすいような照らし方を教えてあげました。
月の神は、人々を見て道案内や手助けになるようなことを伝えていましたが、あろうことか神に反発する人もおりました。
そんな人を見た太陽の神は、人に優しい月の神に代わり、月の神に反発した人へ、諭したりあまりにも酷い人へは罰を与えたりしていました。
ある日、2人の神はある家族を見つけました。
男女が仲睦まじく支え合い、生まれた子ども2人を大切に愛情をもって育てていました。
その光景に、2人の神は幸せな気持ちとなり、家族、子どもに祝福を与えました。
太陽の神は、1番最初に生まれた子どもへむけて、家族を守れる力強さを持ちながら優しい人間に成れるよう、祝福を与えました。
月の神は、2番目に生まれた子どもへむけて、優れた知識を持ちながら優しい人間に成れるよう、祝福を与えました。
祝福を受けた子どもは、それぞれ髪の毛に赤い髪束、青い髪束を持ちました。
すると、その国は祝福を与えた子どもを先頭に、統治をし始めました。
月の神の祝福を受けた子の声が届かない時は、その知識を聞いた太陽の神の祝福を受けた子が、人々にその知識を授けました。
太陽の神の祝福を受けた子が人々に強く当たってしまった場合は、月の神の祝福を受けた子が、太陽の神の祝福を受けた子へ知識を授け、人々と和解をさせました。
そうして、この国を統治した家族は王族となりました。
さらに、王族から生まれる子どもには、時折太陽の神・月の神の加護を受けているという証拠である赤と青の髪束が、元の髪色に関係なく出るようになりました。




