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第1話 聖女ですが理不尽に国外追放されました

新作出してみました

よければ読んでください

ドンッ


ここ──セルナ王国の若き王子の妻、サリア・ステファニアがリズを突き飛ばした。

リズはよろけて倒れこみ、テーブルにぶつかる。


ガシャァンッ!


テーブルに置いてあったワイングラスが床に落ちて割れ、派手な音を立てた。

飛び散った破片がリズの足に刺さり、血が流れだす。

こぼれたワインが白いドレスを赤紫に染めていった。



「この裏切り者!!」



サリアの罵声が飛ぶ。

周囲がざわめき、ひそひそとささやき声が聞こえた。



「リズ、あんた聖女だったのでしょう!?なんでこのセルナ王国がネフェルド王国なんかに負けるんですの!?」

「そ、それは私にだって」

「お黙りなさい!国を守るのが聖女の役割よ、こんなものに聖女の資格はないわ!」



そう、リズ・ミレイユはセルナ王国の聖女だった。

リズの役割は国の均衡を保ち、内戦をなくして国を守ること。

戦いに勝つか負けるかに彼女の意思は関係ない。

普通だったら、リズに罪がないことを王子が証明できる。

しかし、セルナ王国の王子、ミシェルは理不尽なことで有名だった。



「サリア、なにがあった」



凛とした声を響かせて歩いてきたのは、ミシェルだ。



「ミシェル様!リズが祈りを捧げずにサボったせいで、わたくしたちセルナ王国がネフェルド王国に負けてしまったのですわ!」



もちろん、そんなもの全くの嘘だ。

リズは毎日決まった時間にしっかり、神に祈りを捧げている。

ミシェルでさえ、その様子は見ていたはずだった。



「ふむ、それはリズが悪い。この国の運命はすべてお前にかかっているのだからな」

「な、なんでですか!?誤解です、私はいつも精一杯祈りを捧げています!」

「サリアが嘘をつくわけないだろう」

「そんな…」


(どうして信じてもらえないの…?こんなの理不尽すぎるわ…)


その時、ミシェルがリズの首を掴んで持ち上げた。



「このものは、聖女の座についていたにも関わらず、戦いでセルナ王国を負けに導いた。よって聖女の座を奪い、かつ国外追放とする」

「待ってください、それでは証拠がっ!」

「証拠など必要ない。王子の妻という立場にいるだけでも責任重大だ。そんな人の言うことだ、嘘なわけないだろう」

「でも…!」

「これ以上不満があるのなら、祈りをサボった自分を恨むんだな」


周囲から拍手が上がった。

サリアも満足そうに頷いている。

リズはミシェルの側近たちへと引き渡された。

ミシェルの側近たちは、そのままリズを牢屋へと連れて行こうとする。



「お待ちなさい。提案がありますわ、ミシェル様」

「なんだ、サリア」

「こんなにネフェルド王国を勝たせたかった()聖女ですもの、ネフェルド王国の皇太子殿下に嫁がせてみてはいかが?」

「悪くない。ネフェルド王国皇太子殿下は別名「悪魔の皇太子」だ。()聖女にはぴったりだな」



笑う2人を見たリズの目から光が消えた。

ネフェルド王国の若き皇太子は悪魔だという噂があった。

そんなところに嫁いで、生きていけるのか。



「明日にはこいつをネフェルド王国に連れていけ。それまでは部屋に監禁しろ」


リズはそのままミシェルの側近たちに連れていかれ、部屋に閉じ込められた。


──その日の夜、リズはほとんど運ばれた料理を食べなかった。

つい1時間前まではおいしかったはずの料理に、味が感じられない。

あんなにふかふかで気持ちの良かったベッドが、固く感じる。


たった1つの感情で、たった1言で環境は変わってしまうんだと、リズは嫌なくらい理解した。



「またお会いできたら嬉しいですわ、()聖女のリズ・ミレイユ令嬢」



外からサリアの声が聞こえる。

リズにはどう聞いても皮肉にしか聞こえなかったが、リズはあえて笑顔で対応しておいた。


「ええ、私も会える日を(私も復習できる日を)待ち伸びていますね、サリア様」

短くてすみません

次回また会いましょう

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