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生離死別  作者: おはぎ
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アイツが死んだと聞いたのは、アイツの葬式が終わって墓に収められた後だった。アイツの親族から聞いたのではない。いつものように塾に顔を出して、先生たちと大学での生活やらを話していると、アイツの話になった。アイツ、今元気なんスっか?と先生に聞いてみた。元気、もしくは大怪我をしたと言われると思ったが塾長先生から返ってきた言葉は衝撃的だった。思わずアイツの家に向かった。寮に居るアイツに会えなくても母親に会って真実を確かめたかった。インターフォンを押して出てきたのはアイツの母親だった。アイツの母親はオレの名前を聞くと申し訳なさそうにあの子から連絡先をもっと聞いてればよかったと謝られた。それを聞いて疑問に思ったが、聞く前にアイツの母親はオレに少しだけ待っていてと伝えると家の奥に消えていった。暫くして、アイツの母親が戻ってくると、オレに手紙とメモを渡してきた。手紙はアイツからオレへもし、死んだ後に訪ねてきたら渡してくれと頼んでいたものらしい。そしてメモはアイツが入っている共同墓地の住所らしい。オレは家に戻ると手紙を読んだ。内容はとても馬鹿らしいアイツらしい手紙だった。話がすぐ変わるアイツらしい手紙だった。読み終わったオレはそのまま自転車に乗って共同墓地に向かった。なんでかはオレにも分からん。共同墓地は住宅街の中にあるあの除夜の鐘を鳴らした寺にあった。寺の境内に自転車を止めてオレは墓地に向かった。墓地の前には、法衣を着た人がいた。この寺の住職だった。住職はオレを見ると目を少し見開いた。除夜の鐘時オレとアイツが話しているのを見かけたらしい。アイツは小さい頃からこの寺によく来ていたらしい。アイツについて聞くと住職はアイツの話を少しだけ教えてくれた。アイツの骨はここには入ってない。驚きだった。死んだとは聞いていたが、どのように死んだかは知らなかった。あのニュースは知っていたでも、アイツには関係ないと思っていた。オレは泣いた。墓の前で子供のように泣いた。寺の境内に咲いた紫陽花がキラキラと輝いていた。

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