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84 《大魔導士》

今日この日を持って勇者パーティーの最後の一人が決定した。


アルミナ・アナガリス。


アナガリス教会第一後継者兼大魔導士である。



◇◇◇


「ねえレオン。最後のパーティーメンバーが来る日って今日なんでしょう?」


僕たちレオンハルトとサクラシアは談話室へと向かっていた。理由は先程サクラが話したとおりである。

謁見室では緊張してしまうからといい、わざわざ談話室を準備してくれた。懐かしい。昔サクラと初めて再開した場所だ。


「確か、、アルミナ・アナガリスだったよね。彼については情報があまり回ってこなかったんだ。それでも選ばれたということは……裏でなにかの力が働いているか、彼自身によほどの実力があるかのどちらかだろうね」


勇者パーティーのメンバーは国王を中心とした国の重臣達が慎重に決めていた。

僕とサクラは決定としても、二人だけでは成り立たない。かといって何か企んでいる貴族や力のないものに入られても困る。

ということで何回もある試験をくぐり抜けないと入ってこられないのだが、今回のアルミナ・アナガリスというやつは少し違うらしい。

何でもアルミナ・アナガリスは試験を一度も受けていない。逆にこちらが入ってくれとお願いしていたそうだ。

その理由は彼の圧倒的な力。少ない情報の中でも必ずと行っていいほど書かれているのが"王国1の魔法使い""神の愛し子"だった。

下手をすると軽く王国一つは飛ばせるほどの実力の持ち主。国としては彼を敵に回したくないのだろう。


でもそんなことで試験を飛ばしてもいいものなのだろうか。余談ではあるが今年の応募者は前年に比べて桁違いに応募率が多かったようだ。あの混沌の魔人の悲劇もそう遠くなかったから無理もない。


話を戻そう。

ではもし仮に彼が誰かの内通者だったらどうする。

こちらの情報は知らぬ敵にダダ漏れなのである。

そして極めつけには彼の出身はアナガリス教会だという。


アナガリス教会。

慈愛の心を持ち、神を信仰するものは皆同じである。と説き、飢えるもの、家なきものには手をのばすというよくある教会である。そんな教会は世界中、いや、国中を探せば難なく見つけることができるが、アナガリス教会が国王の目に止まるだけの存在感を放っているのは何故か。それは現教皇グレイス・アナガリスの力にある。


グレイス・アナガリスは国王の親戚に当たるもので、これまた魔力量が凄まじい。並の人間の2倍はとうにこえている。しかし彼は国王の親戚といっても王族ではない。

その多すぎる魔力のコントロールのために教会へ預けられた。いわば厄介払いである。

体も大きくなりコントロールも難なくこなせるようになると、必然的にグレイスは王城へ戻ることになる。

が、彼は戻らなかった。


語られているのはそれくらいだ。アルミナ・アナガリスもだがグレイス・アナガリスも謎に包まれている。


そしてもう一つ噂されていること。



アナガリス教会は反国政派なのではないか。

理由は諸説ある、が、一番有力なのはグレイス・アナガリスが国王を憎んでいるという噂だろうか。

幼い頃、自分だけが家族と離され教会へ閉じ込めたことへの復讐。当時幼かった国王にそんな命をくだせれるわけがないのに長年の怒りの矛先を国王に向けている。

……こんなものか。


話してみるとなんとも馬鹿げた噂ではあるが……火がないところに煙は立たぬ。

反国政派か憎む心か、怒りの矛先か。

どれが本当でどれが嘘なのかはちっともわからないが、この話の中には本当のことが隠れている可能性もある。


そんな可能性のある奴をいとも簡単に勇者パーティーに入れてもいいものなのか。やはり疑問だ。

それに勇者パーティーはこれ以上人数を増やさない、すなわち3人で活動することになっている。


聖女、勇者、大魔導士。


確かに字面的には完璧であるが……、RPGとしてこの編成はどういったものか。僕自身ゲームはあまりしなかったけれど普通は四人くらいいなかったか?


まあいいか。


てなわけで今日は顔合わせを兼ねての親睦会だ。

仲良くできるかは……俺達次第である。


そうこう考えているうちに談話室の前に到着していた。

僕もサクラも自然と力は入ってない。むしろいつも以上にリラックスしていた。



使用人二人が扉を開く。


ちらりと真っ白の椅子に腰掛けている青年が一人。扉が開いた瞬間、僕たちの方を見てニコリと笑って言い放った。



「久しぶりー、玲央、桜子。元気にしてたか?」


設定ゆるっゆるです。

途中で矛盾しているところが何度も出てくるかもしれません。そのときは笑い飛ばしてください(-_-;)

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