表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

83/179

83 みりんと醤油の組み合わせは最強

まだ終わってはいませんが一段落。

次の更新は明後日くらいにしたいかなと。

「こうして核事件は幕を閉じたのでした。ちゃんちゃん!」


話し終えたアルタはスッキリしたのか先程までの深刻な様子は一つも見せず、チョコレートに手を出していた。


「あー!! なんでなくなってるのお!? さっきまでは山ほどあったのにい! 途中で食べるのならあなた達も少しは話しなさいよおぉ!!」


と、突然叫びだすアルタ様。どうやら食べようと思っていたチョコレートがなくなっていたそうだ。犯人は……エレボス様とアイテール様ね。どちらかというとエレボス様か。口の周りにチョコ付いてるし……。それでいいのか、神よ……。


「だってアルタの話が長えんだよ。こんなの"私の教え子の天使たちが核を破壊しようとしてましたー"で充分なんだよ! なんで"──数千年前のことである"から始める? どっかの自分語りのめんどくさいやつかよ」


そう言ってエレボス様は最後のチョコレートを口に入れた。

まあ確かにそうだけれども!! 話す前までのあの深刻な雰囲気はどこへ行ったのやら……。


「それにこれ買ってるお金は俺達の知らぬ間の犠牲から出てるんだろ? 食べても俺の金だということで問題ない」


「だーかーらー、そういう問題じゃないでしょう? 私が食べたかったからあのチョコレート買ってきたのにぃ。それにエレボスだけの稼ぎじゃないわよお。確かにエレボスは一番多いけれど私達の収入の半分くらいは私達の稼ぎよ!」


っていうことは……、エレボス様は本物の女子差し置いてあの雑誌のほぼ半分の収入を占めているということか。

これ、男だってバレたら全国民の女子泣くぞ。いやいやまて。最近の女子をなめてはいけない。

ここで新たな性癖が誕生するか? それはそれで私的には大歓迎であるが……その前に根本的な問題、神様たちに性ってある?

子孫残す必要もないからいらないよね。私だっていらないんだし。


「おいお前たち。まだミアがいる」


アイテール様の言葉にはっと二人は私の方を見る。

まさかの忘れられていたパターンね。途中からそうじゃないかなーとはうすうす感じ取ってたけどこう突きつけられるとなんか悲しい……。


「こ、こほん! アルタ様、貴重な話ありがとう。やっぱり下界にある本たちはあてにならないや。こっちで処理しておくよ」


「それは勝手にしろ。何なんら蜘蛛の巣の図書館の中にある本を写生してもいいぞ」


「えっ、いいの!?」


これは思ってもいなかった。

だって二神の宝剣を同時にぶっ刺さして回すとあくっていう厳重な警備をかいくぐっていかなければ読めない代物なのに。

……あれかな。下界との遮断のときにアルタ様も相当頭に来ていたのかも。よくよく考えるとそこまでする必要はないんじゃない? 的なのかな。そういうことにしておこう。


「ケリスナさんにも言っておくね」


「ああ」


と、そういえば。

話が戻るに戻ってしまうけれどアルタ様の話を直訳すると天使族が核を破壊しようとして接触してきたって言うことだよね。

それって今の状況とそう変わらなくない?


考えることは同じってわけか……。

天使族の幹部は数千年前の過ちのことも知っているのだろうか。魔族の闇堕ちを量産しているくらいだからきっと主犯は天使族だっていうことは知ってると思うけれど……。そこからどうなったのかは伝えられていないはず。

また同じ過ちを繰り返すか、もしくはその前に食い止めるか。


こちらとしては核に……神界に入る前に食い止めたいところだけどそう簡単にいかないのがお約束よ。人生そう上手くはいかないのだ。


「ひとまず、何も言わないでこっち来ちゃったからもう帰るね」


「もう帰っちゃうのぉ?」


アルタ様が幼い子のように口を尖らせている。


「そもそもこっちに来るときいつもいきなり過ぎない? 今までちゃんと言えたことないんだけど」


ほんとにそう。前は死にかけだったし、今回も入ってすぐ魔法陣でドーンだもん。今度来るときは是非自分の意志できたいところ。それだったらもう少しゆっくりできるかもしれない。


「そうねえ。ミアちゃんが来るときはいつもぎりぎりだから。ここへの来たかは知らないわけじゃないんでしょう?」


「うん。ウィスター達に言ったら来れるって前にきいた」


「それなら良かったわあ。また遊びにいらっしゃい」


アルタ様もエレボス様もアイテール様もいい人……神様だ。

あ、そういえば……


「神様たちって自由に日本に行くことが出来るんだよね? じゃあ餅太郎のお煎餅買ってきてほしいの。墓前に添えたい人がいるから」


成田さん、餅太郎好きだといいけどな。私はめっちゃ好き。特にみりんと醤油のやつが。


「そんなことならお安い御用よぉ」


「ありがとう!」


これですべて用事も済んだことだし、そろそろさよならするか。

帰るときはウィスター達に頼んだらいいのかな?

そう思った瞬間、ウィスターとチェスターが狐の姿で顔をだす。


「よろしくね」


『『まかせてー!!』』


こうして笑顔で神様たちに手を振り、神界を後にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ