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79 カオス。まさにカオス

揺れが収まりゆっくりと目を開ける。数度瞬きをしたところでここがどこだか認識した。


「…………はあ。神界……だよね……」


何もない真っ白の空間。なにもないからこそ神界だということが分かる。

うすうすは気づいてたのよ。あの図書館開くためには宝剣が必要だって言ってたあたりから。絶対神様繋がりだろうなあとは思ったけどここまで予想通りに行くとは思わないじゃん?


ふと苦笑いを溢したところで後ろから内蔵が出る勢いでなにかに飛びつかれた。


「ミアちゃ〜〜〜ん!!! 待ってたわあ〜〜!!」


ぐへっ!!

まじで……吐く……。


「もうっ! ずっとこないからそろそろ強制的にこっちこさせようかなって思ってたところなのよお。その前に来てくれて嬉しいわあ」


おっと、危ない危ない。一年越すところだった。……いや? 前来たときっていつだっけ。確かグレイアム倒したときだったから……とっくに一年は過ぎてる気がするけど、まあいっか。どうせ神様達のことだし自分の時間感覚が狂っているとかそういったところだろう。


「ひ……さしぶり。少し忙しかったからなかなか来れなかった」


「知ってるわあ。ミアちゃんずっと走り回ってたものねえ。体調は崩さないようにね」


アルタ様が珍しく母性を発したところで他の二神もやってきた。

ふたりとも変わらぬ姿……はちょっと語弊があるかもしれない。エレボス様は何故か長い黒髪を編み込み、可愛らしく後ろでくくっている。服装に関してはこれまた前世で見たことがあるような、俗に言う地雷系と呼ばれそうなゴスロリ服をきていた。アイテール様に関しては逆に肩くらいまであった髪を耳にもかからないほど短く切り、ファッション誌によく乗ってそうなメンズ服を着用している。あ、ついでに言えばアルタ様はセーラー服でした。

…………うん。何なんだろうね、このカオス感。

右にゴスロリ(男)、左にイケメン(女)、後ろにセーラー。

神様が何してんのよ。一応種族のトップだぞ?

しかもわざわざ日本にあったものをそのまま持ってくるって言うことは私が来ることを知ってたのかな? ……神様達のことだからたぶんたまたまだな。たまに地球にも行ってるみたいだし。


「……あなた達は何してるの? エレボス様はついにそっちに目覚めた?」


いつかのトウカとヴィスタを思い出す。しかも何が嫌かってそんじょそこらの女子より似合ってるってところなんだよ。勝てねーわ。あんな顔出てきたら。こっちの世界の私の顔でも勝負できるか怪しいよ。特にエレボス様に至っては、細身だから余計に女子らしさが際立っているし。


「目覚めてないわ!」


えっ、そうなの!?

てっきり私の知らない趣味をついに解禁だーって言ってさらけ出しているのかと思った。女だからこう、とか男だからこうとか言う時代は過ぎていったからねえ。それに則ってエレボス様たちもやってるのかと思った。アイテール様はザ、麗人って感じがしてすっごい好き。私のどストライク。うしろのアルタ様はもう趣旨わかんないから飛ばしてもいいかな。


「俺だって好き好んでこんな格好してるわけじゃねえよ。最近アルタがハマってんの。日本の服を買ってきては俺たちに着せ……。俺とアイテールは被害者だ」


……ご愁傷様です。


「あら、ちゃんと意味はあるのよお。これを買うためのお金はどこからきて来てると思う? 私達がいつも食べているお菓子だってなにもないところからは出てこないわよお」


確かに! いくら神様だからって言ってお金がガッポガッポ入ってくるわけないもんね。


「わかった! 銀行の金庫から気づかれないようにちょっとずつお金を抜いてる!」


「そんなせこいことしないわよ! 私達だってちゃんと稼いでるわあ」


稼いでるとは。誰から給料もらってるのよ。あなた達よりも上の存在っていたっけ。


みよ! というふうにアルタ様は私の前にある一冊の雑誌を出してきた。

これは……!! 日本で有名だったあの雑誌ではないか!?

しかもよく見ると……


「エレボス様……?」


表紙に飾っていたのは今の姿のエレボス様。しかもページをめくると他の服もきたエレボス様や麗人姿のアイテール様、学生服を彩っているアルタ様も見つけた。


「……何してるの?」


いや、まじで。だってこれ、結構有名なやつだよ? なんでページの半分以上にさんにんの姿があるのよ。


「私達、読モしてるのお」


いやいや、意味がわからんから。なんだって? エレボス様はエレンちゃん。アイテール様はアイくん。アルタ様は……ルミちゃんって……。滅茶苦茶だな。


「は!? アルタ、お前こんなの出してたのか!?」


そしてまさかの知らなかったエレボス様とアイテール様。本人無断の掲載だった。


「私達は買うのってほぼ日本のものじゃない? だからガッツリ稼ぐことができる仕事探してたんだけど。丁度いいのがあって良かったわあ」


……どうせこのヒト達の事だから何事もなく受かったんだな。もうツッコまない。終わらなくなりそう。


「違う違う! こんなしょうもない話するためにここに来たわけじゃないよ。私の力になるっていう本。神様達は知らない?」


本題は……これだ。


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