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76 視力だけは前世からも自信あります

遅くなってすみません(_ _)

「ここでございます」


到着した先は私の記憶よりもはるかに大きい繭玉だった。蜘蛛の巣の住居は全て繭玉でできている。前に来たときは繭玉も解けたり壊れたりしていて悲惨な有様になっていたけれど、こうしてちゃんと見てみると外の光がキラキラと反射して美しく輝いている。

そしてどの家も同じくらいの大きさに対し、この図書館は他の所よりも3倍も4倍も大きい。軽く他の族長の家くらいはあるだろう。


「それでは私はまいりますので、何かあればそこらにいる街の奴らに聞いてください。皆快く返事を返してくれるでしょう」


そう言葉を残しながらお兄さんはどこかへ行ってしまった。皆快く返事を返してくれるなんてなんて出来た族なんでしょう。よそ者にも優しく精神かな。純粋に良いと思う。


「ひとまず……入ってみるか?」


確認してきたもののトウカはすでに繭玉を開けようとしていた。繭玉はさいて中に入るらしく、数分すると勝手に締まるというこれまた便利な代物。前世で言う自動ドアみたいなものか。


そうねと言いながらトウカに続いてレーイン、ヴィスタも入っていく。おーい、私をほっていかないでくれー。

……そんなにあるき回るの嫌だったのかな。



◇◇◇


中は外からは想像もつかないほど広く、ステンドグラスのようなものが敷き詰められていて光が色とりどりに中へ差し込んできていた。外からはステンドグラスみたいなのがあるってわからなかった! ちょうど死角になっていたのか、それとも中からだけ見えるようにしてあるとか? どうやってやっているかの原理なんて私に聞かれてもわからないからね。


どこへいったらいいかわからなかったため、司書のようなヒトが5人ほど並んでいるところへ向かう。ここから見ていても仕事も話す内容もまんま司書の先生だ。

そういえばこう見ると結構ヒトいるな。ガラガラだと思っていたけれど……部屋が広い分そう見えただけか。

しかもよく見るとここ、螺旋階段が上へ上へとのびていってる。この繭玉の限界の高さまで大きいんだろう。

でも確か前来たときにあるヒトしか図書館の本は読めないって言ってたよね。あれ? よく見るとこんなに広いのに本なんて一つもない。どういうことだ?


ほえーっとバカみたいに見渡していたら、ヴィスタがすでに聞いてきたらしい。仕事早いね。

要件を話すと、少々お待ち下さいと言われ、別の部屋に通された。




───ケリスナさんが姿を現したのは数十分後だった。




「おまたせいたしました。少々仕事が立て込んでおりまして。それでどうしたのでしょうか」


「あ、本を見せてもらいたくて……」


「申し訳ございません。図書館の本はある方しか見れないことになっていまして……あら? あなた達は確か……ミア様でございますか?」


えー……。まさかの気づいてなかった感じですか……。それにこの会話前にも同じようなのした覚えがあるぞ。


「すみません。お恥ずかしい話なのですが私、少々目が悪くて……。先日眼鏡を壊してしまったので新調中なんです」


ああ、なるほど。ヒトは雰囲気でわかりそうだけどそれもわからないほど視力が悪いのかな。私は今までオールAだったからそのぼんやりするみたいな感覚がわからないのだけれど、視力が悪い人は大変なのだろう。しかも文明の利器であるコンタクトなんてこっちの世界にはないわけだし……。


はにかむケリスナさんは実に可愛らしいけど、ちょっと数時間くらい予定よりロスしているので早速本題に入らせてもらう。


「各長の魔石を集めてきました。後はアラクネ族のものだけで間違いないかと」


そう言って机の上に5つの魔石を並べる。魔力は抑えられているとはいえ各長の魔力が込められている魔石。それぞれが負けずに光り輝いている。

並べた瞬間にケリスナさんは酷く驚いたような顔をして魔石と私の顔を交互に見ている。


「こ、これは本当に……各長の魔石ですか……?」


「そうですよ。ケリスナさんなら微量ですが漏れ出ている魔力でわかると思うのですが……」


またもやケリスナさんは瞼をパチパチさせてじっと食い入るように魔石を見ている。

そんなに信じられないのかなあ。どうやって証明したら……


「あっ、すみません。決してこれらが魔石であるということを疑っていたわけではなく……。あの……非常に失礼な話なのですが、各長の魔石を全て集めるなど無理な話だと思って提案したものですから……」


「ええ!! じゃあこの魔石は本当は必要なかったってことですか!?」


せっかく集めたのに……!! ずっと私が持っておくのも悪から返しにいかないと。


「いえ、必要です」


必要なんかーい!!

まあ、無駄にならなくて良かった……のかな。


それじゃあ……と言おうとしたときにケリスナさんが言いづらそうに口を開いた。

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